ウルトラマンティガ The Finel Odyssey

劇場版パンフ表紙 スタッフ
監督村石宏實
脚本長谷川圭一
撮影大岡新一
製作総指揮円谷一夫
出演者
長野博(V6)/吉本多香美
大滝明利/増田由紀夫/影丸茂樹/古屋暢一
川地民夫/高木澪

 ガタノゾーアとの最終決戦の舞台、ルルイエ。その地で発見された古代遺跡を調査するTPCのチームは、遺跡の奥底に一枚の封印の扉を発見する。同行したイルマの胸騒ぎを押し切って扉を破壊した調査チームがその奥に見たものは、かつてのティガと同種族にみえる三体の巨人の石像だった。しかも驚く調査隊員たちの目の前で、その石像はみるみる実体化し、隊員たちに襲いかかってくる。彼らこそ、かつての古代超文明の滅亡の現況であり、ティガによって封じられた闇の巨人たちだったのだ………。

 つーことで、やたらと前評判の高い"ティガ"、劇場版最新作。光の巨人の真実、ダイゴとレナの恋の行方は、光に対峙する闇の正体とはなんなのか、テレビ放映時の時系列に直結する形で描かれる"ティガ"の物語の後日譚&総決算なわけなんですが、うーむこれはなんといったらいいのか………。

 なかなか良くできてるんですよこれ。基本的に子供主体の観客相手で、人が人を好きになるっていうのは、単純なようで実はいろんなパターンがあるんだよ、ってところを描いているのはなかなか好感持てるし、劇中でダイゴが口にする、「人間だから、できることをやるんだ」っていうメッセージもいい。やりたいことはかなり解るんですよね、オジサンたちには(^^;)

 んがしかし、気になるところが気に入ったところを上まわってしまうのが非常にツラい。やけに暗くて切れの悪い画面、妙に短かすぎるカットのお尻の切り方などなど。やりたいことがありすぎて、どれも中途半端なところで終わっちゃったような気がします。シロウトが勝手なことを言うのを許していただけるのであれば、この映画は突如復活した闇の巨人をティガがいかに倒すか、か、ダイゴを挟んだレナとカミーラの三角関係がどういう決着を迎えるのかのどっちかに絞ったほうがよかったんではないか。個人的には三角関係で行って欲しかったけど、まあ妥当なのは前者ですわな。もっとテーマはシンプルにして、脇目も振らずにお話を追っかけるような構造のほうがよかったと思うっすよ。

 もう一点気になるのは、怪獣映画のカタルシスのお約束を少々外してるところでしょうかね。怪獣映画ってのは、ある意味壊してなんぼなところがあると思うんですけど、そっちの魅力が非常に希薄。人間が作ったランドスケープに異形のものが闖入する、って図こそ怪獣映画の醍醐味であると思うんで、そういう絵があまり見ることができないとやはり観てる側は不満が募ると思うんですけどねえ。どういう事情があったのかわからんけど、やっぱ外せないお約束ってのはあるような気がする。

 劇場版"ティガ&ダイナ"がストレートでなかなかいい作品だっただけにかなり期待したんですが、今回の作品に関しては策を弄しすぎて失敗しちゃった映画のような気がします。残念賞。

 個人的にはラストバトル、あそこまでやるんなら最後はティガ(=ダイゴ)とレナが「せきはっ、らぶらぶぅっ、てんきょうけんっっ!」をぶっぱなさなかったらウソだと思うんだけどなあ。てかそれやってくれたら大概のことは許しちゃうんだけどなあ(^^;)

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