風雲 ストームライダーズ

劇場版パンフ表紙 スタッフ
監督撮影 劉 偉強(アンドリュー・ラウ)
制作脚本 文 雋(マンフレッド・ウォン)
原作馬 榮成(マー・ウィンシン)
出演者
鄭 伊健(イーキン・チェン)/ 郭 富城(アーロン・クォック)
千葉 真一(JJ.ソニー・チバ)
楊 恭如(クリスティ・ヤン)/舒 淇(スー・チー)

 時は戦国、処は中国。少林寺をはじめとするさまざまな武闘集団が割拠する乱世で、みるみるその勢力を伸ばしていく一団があった。その名を"天下会"。その総帥、雄覇は時に策を弄し、時に自らの腕で次々と宿敵を倒し、自らの版図を広げていく。そんな彼のもとに引き出された予言者、泥菩薩は、彼に"風"、"雲"という名の少年を自らの弟子として育てれば、やがて彼らの力で雄覇の力はさらに強大な物になるであろうことを告げる。ただちに手を尽くして探し出された"風"と"雲"の二人。風は雄覇の宿敵の息子であり、雲は秘剣、"絶世剣"を鍛えた刀鍛冶の息子であった。ともに父を雄覇によって殺された二人の少年は、雄覇の下でそれぞれ秘拳"風神脚"、"排雲掌"を授けられる。そして10年………。

 人気コミックスをベースに、香港の人気俳優陣総出演、我らが千葉ちゃんを悪の親玉に据えた香港アクション映画超大作。ご当地香港では、"ジュラシック・パーク2"を凌ぐ観客動員数を記録したとか。とにかく小難しい理屈は抜きにして、鍛えられた役者さんたちのアクション、伝統のワイヤーアクションに加えて、初めて積極的に導入されたというデジタル・イフェクトの数々をひたすら楽しむのが吉の作品であります。

 コミックがベースということらしいんですが、どうもこの原作、かなりのボリュームのある大河ドラマっぽい感じがしまして、原作を知らないと、登場人物の相関関係などに少々違和感というか、唐突な感じを覚えてしまうところもあったりしまして、そこが一寸残念かな。新しいキャラクターが登場するたびに、その名前がテロップで表示されたりするんですが、原作を知っている人たちは、コミックで登場したキャラがどんな役者さんに演じられているかをそこで確認して、二重に楽しむことができるんでしょうね。ううむ、こりゃ原作が読みたいぞ。なんかいわくありげなキャラが突然現れては消えていくんで、気になってしかたがないんだよ(笑)。

 香港アクションというと、鍛えられた肉体から繰り出される切れ味抜群のカンフー・アクションがその最大の魅力ってことになると思うんですけど、この映画では実はそこのところの、生身のアクションがちょっと分量少なめで、それもちょっと不満かなあ。デジタルイフェクトもいいけど、やっぱり役者さんたちの華麗なアクションをもっと観たかったような気もします。2時間を超える長尺の映画で、前述した理由もあって時折どうしようもなく冗長に感じられる部分も散見されたり、なにかと欠点の多い映画であると言わざるをえないんですよね、正直。

楚々ちゃん

 しかしながらこの映画、大量の気になる点をかかえつつも、なぜかその勢いに押し切られ、見終ったときには「まあいいか」ってな気分になっちゃうふしぎな魅力をもった作品です。どこで許してしまえるのか、それはとりもなおさず役者さんたちがどれもこれも顔がいいってことに尽きるような気がしますな。風と雲を演じる、鄭 伊健と郭 富城が、それぞれ藤原竜也クンと金城武サンを連想させる男前のかっこいい顔なのはもちろん、脇役、チョイ役、もちろん我らが千葉真一サンにいたるまで、男前は男前なりに、悪役顔は悪役顔なりに、濃い顔は濃い顔なりに、みんな顔つきがいいんですよう。役者さんたちがみんな、しっかりと役になり切った、気合いの入りっぷりを見せてくれててうれしくなっちゃいます。やけに所在なげな表情の俳優さんばっかり出てくる某国産怪獣映画大作が、いかに真面目に作られていないかを再発見できますですよ。

 多少のアラは、気合いの入った役者っぷりの前には気にならないもんなんですねえ。いやあ、オレの目つきに文句があるんかいッ!てなイキオイに押し切られてしまいました。誰にでもお薦めできるってモンでもないですけど、オレ的には大満足。ちなみにいい顔続出の役者さんのなかで、オレ的に惚れ込んじゃったのはいわくありげなお医者さんの娘、楚々役の舒 淇ちゃん。元SPEEDのヒトエちゃんを大人っぽくしたようなたいへんコケティシュなカワイ子ちゃんっす。日本の烏龍茶のCFにも出演してるそうですが、どれのことなんだ(^^;)?

アイアン・ジャイアント (Prev)   「来た、観た、書いた」メニューに戻る (Back)   ジュブナイル (Next) トップに戻る (Top)