モスラ3−キングギドラ来襲−

劇場版パンフ スタッフ
製作富山省吾
脚本末谷真澄
監督米田興弘

 インファント島の奥深くに潜む地下神殿、エリアスの秘宝を求めて神殿に忍びこんだベルベラ。彼女を阻むべく後を追ってきたモル、ロラの前で、エリアスの三つのメタルを手にしたベルベラは、「空から恐怖の大王が………」となぞめいた言葉をつぶやく。時を同じくするように、地球に降り注ぐ隕石群。そして各地で発生する子供たちの消失事件。さらに、宇宙の生命絶滅の半数は彼らの仕業、と言われるギドラ族の怪獣、キングギドラが地球に来襲した。1億3千年前、恐竜たちを絶滅させた張本人、キングギドラが今回狙いを定めた相手、それは人類の子供たちだったのだ………。

 えー、支離滅裂な文章で申し訳ないですけど(^^;)、で、オレの文章力もたいがい情けないものではあるんですけど(^^;)(^^;)、でもこの映画のツカミを簡単に説明するとこうなるんですってば(笑)。

 自衛隊なし、登場人物ごく少数、街の破壊シーンも控えめにして制作費を抑えつつ、ファミリー向けの楽しい怪獣ファンタジー映画を目指す「モスラ」シリーズ三部作(またかいっ)の完結編。不登校児童をかかえつつも決して壊れてしまっているわけではない家族たち、ベルベラを含めたエリアス三姉妹の間の葛藤、時空を超えて活躍するモスラと、見せ場は多くぼーっと見てるとそれなりに楽しめる。

 しかしっ!最初にちょっと紹介したツカミでもわかっていただけるかもしれないけれど、この映画、「お話」がなっていないと言うか、最初から「お話を作ろう」という姿勢を放棄してしまっているとしか思えないのだな。

 ダイコンではあるけれどそれなりにいい感じのお父さんに大仁田厚、いい人なんだけど、ついついおどおどしてしまいがちなお母さんに熊谷………もとい松田美由紀、いまはちょっと引っ込んじゃってるけど、決して悪い子じゃないお兄ちゃんを筆頭にした三人兄弟ってキャスティングも悪くなく、あともうほんのちょっと彼らの家庭環境についての描写があれば、すねちゃあいるけど妹たちを見捨てた訳じゃないベルベラ、姉がそんなもんだから無理して長女しようと頑張るモル、そんな姉妹の様子に心を痛めつつも前にでることはしないロラ、ってエリアス三姉妹の心の振幅にもうちょっと時間が割かれていれば、この映画、もっともっと見応えのある作品になったと思うのだけれどな。

 特撮部分のクオリティはかなり上がってて、特にキングギドラの破壊シーンの合成なんかはかなり頑張ってると思うし、CG関係のシークエンスもずいぶんとスキルアップしてると思いました。これであとはパースを無視した飛びモノの飛行シーン(これはホンマに気になる)と、光と影の関係にもう少し(いやかなり)気を使った絵づくりをしてくれたら、いっぱしのファンタジーになってたと思うんですよねえ………。

 尺の問題とか、いろいろ止むに止まれぬ事情もあるのだとは思うのですが、でもですね、子供が映画を観に行くって事は、彼らなりに一歩大人の世界に身を置きに行くのだ、と言うことをもう少し考慮してはくださいませんか日本映画のスタッフのみなさん。家族関係をしっかり描くと、子供には難しい話になるとか、そういうことを考え過ぎじゃあないですかね。難しければいい訳じゃあないけれど、たとえ子供相手の映画だからといっても、避けては通れない話を避けてしまったら、それはただのぴかぴか、きらきら、ぐおー、どかーん!でしかないのよ。そんなモノを観た子供が、「また映画を観たい!」って思いますかね?

 個人的にこの映画、そんなに悪い点数はつけたくないとも思うんですよね。平成ゴジラシリーズに比べたら数段出来は上。でもなぁ、オレはかれこれ40年近く生きて、それなりの数の映画を観てきたつもりもあって、その上で多少ゲタ履かせた点数をつけるのにやぶさかじゃあないですけど、子供の親(という意味では安心して見せておける映画です)とか、そういうのをなしにして、映画を好きな人が増えて欲しい、なんてな立場からだと、やっぱ点数は低めにしないといかんかな、とか、結構複雑ではあります(^^;)

 絵敵にかなり「お」って思うところがあっただけに、惜しかったなぁこれは(^^;)

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