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スタッフ | |
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監督 | ジョン・フランケンハイマー | |
製作 | エドワード・R・プレスマン | |
製作総指揮 | ティム・ジンネマン/クレア・ラドック・ホルスタイン | |
脚本 | リチャード・スタンリー/ロン・ハッチンソン | |
原作 | H・G・ウェルズ | |
出演者 | ||
ヴァル・キルマー/デビッド・シューリス マーロン・ブランド |
原作は言わずと知れたウェルズの「ドクター・モローの島」。「D.N.A」なるスカしたタイトルは、どうも日本版のみのタイトルのようであります。
さて、原作ではさすがに「遺伝子」なんつー訳のわからんもののない時代のこととて、モロー博士の改造作業は、ひたすら被検体である動物たちの神経だのなんだのを切った貼ったでやっつけちゃう、ってことだったんだけど、そこらを最新の遺伝子操作による動物の改造、ってな具合にリニューアルされてはいるけれど、それ以外は呆れるくらい原作に忠実な造りになっていて、見てるこっちの方が驚いてしまった(笑)。もうちょっとあちこちにイマ風なアレンジがなされているのかと思ったんですけどね。
お話的にはそういうわけで、「おお。そう来たか!」てな感じの面白さに欠ける部分があるんですが、そんなものを補って余りありまくるのがマーロン・ブランドの怪演(^o^)。「直射日光に弱い」とかなんとか理屈をつけた、白いドーラン塗りたくりにちょっと唇にも色つけて、白装束でハマーに設えた御輿に収まって、自ら産み出したクリーチャーたちの「お父様」として孤島に君臨して………って図式は、まんま「地獄の黙示録」のカーツ大佐とおんなじだぁ(笑)。
この怪優を相手にしたら、まあそんじょそこらの俳優さんに太刀打ちできるとは考えにくいわけで、「トップガン」、「バットマン・フォーエヴァー」のヴァル・キルマーも、「ドラゴンハート」の馬鹿王子(笑)役が秀逸だったデビッド・シューリスも顔色なし(^^;)。仕方なしにこの二人でなんかあやしげな雰囲気かもし出す方に熱心で、こと対ブランド戦略、ちうのは皆無(笑)。もぉあのジイサンには好きにやってもらって、オレたちゃオレ達でやろうぜぇ、みたいな(苦笑)。
で、ほんとにそういうことになってた(^^;)かどうかは定かじゃないけど、なんかそういう感じだったんじゃないかなあ、てなちぐはぐさが全編を覆う怪作に仕上がってしまったような気がするっす。そういう意味で、限りなくB級らしい映画といえんことはない(苦笑)。
なんせあれである、ブランドはブランドでとても「生命」の探求してるようには思えんし、キルマーも何のためにブランドにくっついてんのかわからんし、シューリス君に至っては、偶然たどり着いたこの島を出たいのか、残って何かしたいのかもはっきりしないまま、あっちでおどおど、こっちでびくびく、という………。スタン・ウインストンをメインに据えたクリーチャー(というか、これはむしろフリークスなのだと思うけど)も、決して飛びぬけた出来、というほどのものでもない。私なぞおもわず「最後の猿の惑星」を連想してしまった(笑)くらい、全般に流れるチープな感じなど、よくぞここまで支離滅裂な映画を造ったもんだと、思わずこれはこれで一種の爽快感を感じてしまった(ホンマカイナ笑)。
結局劇場で売ってるパンフのなかで、映画評論家、北川れい子さんが書いてる文章が一番良くこの映画のことを言い当ててるかもしれない。いわく………
ともあれ「D.N.A」を公開時に見た人は、いずれそれが自慢にできるはず。えっ、劇場で見たのォ。凄い!!
いいのか、ここまで書いて(笑)