「闇の天使」

表紙

ジャック・ヒギンズ 著/黒原敏行 訳
カバーイラスト 生頼範義
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワNV文庫
ISBN4-15-040930-7 \720(税別)

 前に紹介した「リモート・コントロール」(アンディ・マクナブ 著)で訳者、伏見威蕃さんに"絶滅した恐竜"呼ばわりされた元IRAのテロリスト、ショーン・ディロン登場のスパイ・アクション。正体不明のテロリスト組織、"一月三十日"を追う英国首相直属の特殊情報機関の一員、ディロンが大活躍………なんですが。

 くだらねー(^^;)。

 とにかく主人公、ディロンの行動に対るす動機ずけがあまりに薄弱で、なんのために彼が命がけで戦いにおもむくのかがさっぱり見えてこないうえに、毎回登場する敵方があまりにもチンケ。結果的に何の苦労もなくディロンは目的を達成してしまうかにみえてしまうんですよね。優れた俳優である、というちょっとユニークな過去をもつディロンなんですが、シリーズが進むにつれてその特質を活かすこともどんどん減ってきているし、無駄な軽口ばかりが増えてしまっている感じです。

 総じて"ジャック・ヒギンズ"というブランドだけで売ろうとしている感じのある作品。買う価値ないよこれ。

99/12/26

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