「フィジカル・インテンシティ」

日本サッカーが初めて世界に曝された

表紙

村上龍 著
カバー写真 岩本朗
カバーデザイン 鈴木成一デザイン室
光文社文庫
ISBN4-334-72899-5 \438(税別)

 最初に謝っておきますが、ワタシは村上龍さんが嫌いです(^^;)。何が嫌いといって顔が嫌い(爆笑)。なんというか、書く題材と比較してあの顔はあまりにも野蛮で脂っこくてがさつ過ぎるような気がして、違和感ばかりが先に立ってちょっと本を読む気にならんのですわ。この本も、1時間ほどヒマをつぶす必要があったのでちょうど良かろうと思って買っただけだったりして。ファンの人すいませんね。でもやっぱりあの顔は好きになれないなあ。ワタシ、村上龍さんとビートたけしさんだけは、顔見ただけで敬遠しちゃうんですよ(^^;)

 さてそういう(どういう?)村上龍さんのこの本は、念願のワールドカップフランス大会への参加権を勝ち取った日本サッカーで国中が沸き返っていた(ンでしょうね、多分)時期に雑誌に連載されていたエッセイ。さまざまなスポーツで一瞬垣間見える美技、それには"インテンシティ"、瞬間的な強さ、鮮やかさがある、とする外国のスポーツ紙の記事から取られたこのタイトルの本で語られるのは、日本のサッカーとはなんなのか、世界で戦うときにいったいどんな問題があるのかを語る本。

 本来スポーツを見て観客が感動するのは、勝ち負け以前にプレイヤーたちの"インテンシティ"にあふれたプレイであるべきだ、それなのに日本のサッカー界、さらにスポーツ界全体が、個々のプレイではなくことさら結果だけを追い求め、卑屈な島国根性で自分を固く守っているとする村上氏の意見に全く異論はないのですが、そんなこた玉木正之さんや二宮清純さんを始めとするスポーツライターの皆さんがすでに書いてるんだよなぁ。別にそれ以上のことは書いてないんだよなぁ(^^;)

 てことで予想通り、"一時間のひまつぶし"の目的にはドンピシャだったんですけど、それ以上の収穫は皆無でしたな(笑)。とはいえそこは村上龍、タダもんじゃない文章が全くないわけじゃあない。

 日本のサポーターのレパートリーには他に、「日本のゴールが見たーい、見たーい、見たーい」というのがあって、わたしは気分が悪くなった。頼むからそういうのだけはやめてくれ、と祈るような思いだった。見たーい、というのは甘えだ。甘えは子供のものだ。見たいのだったら大人は何とかしなくてはいけない。サポーターは直接ゲームに参加することはできないから、ピッチの選手たちにその事を託す。託しているわけだから、ゴールを見たかったら信じてじっと待つしかない。しかし、日本のサポーターは見たーい、見たーい、と子供のように甘えるのだ。

 おっけー、この文章でモトは取ったことにしておくぜ(何を偉そうに(^^;)

99/10/19

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