恐怖症

祝、春浪復活！

　やや惰性のつきあいになってきた感もある"異形コレクション"、通巻22巻目のテーマは「恐怖症」。特定のアイテムとかシチュエーションでなしに、「恐怖を感じると言うこと」をテーマにしたってところで、ちょっと異色の作品集になったかな。ただまあ、「恐怖を感じる」事の怖さを描く、そのテーマ故に、読み手にシチュエーションの怖さを想像する力を強く要求する作品が集まったというか、単に観念的な作品が集まったというか。ストレートに怖さを伝えると言うんじゃなく、「こういうのって怖いよねー」を再確認するお話たちのアンソロジー。まあこういうのも悪くないか。

　個人的にこのアンソロジーに興味を持っているのは、いくつSFとしての怖さを演出する作品に出会えるか、ってあたりなのだけれども、今回はそっち方面がちょっと少なめだったのが寂しかったかしら。

　そんななか、ずいぶんお久しぶりでちょっとうれしかったのが、ヨコジュンこと横田順彌氏による、押川春浪シリーズの久々のお目もじ。今回はコイツで元取ったことにしとく。

02/05/31