バラヤー内乱

表紙

ロイス・マクスター・ビジョルド 著/小木曽絢子 訳
カバーイラスト 浅田隆
カバーデザイン 矢島高光
創元SF文庫
ISBN4-488-69807-7 \980(税別)

 数奇な運命の末、敵対していた惑星バラヤーの貴族、ヴォルコシガン家の国守アラールと恋に落ち、ついに彼と添い遂げることになったベータ植民惑星の女性、コーデリア。科学技術の進歩したベータから、まだまだ発展途上で尚武の気風を尊ぶ、ある意味野蛮なバラヤーにやってきたコーデリアのとまどいはつきないが、そんな彼女の苦労とは別のところで、はるかに巨大な危険が忍び寄ろうとしていた。戦乱を超え、幼年皇帝を擁立して再起を図るヴォルコシガンの動きを快く思わない他のヴォル貴族たちの間に、武力クーデターの陰謀が進行していたのだ。

 前作「名誉のかけら」に続く、ヴォルコシガン・シリーズ(でいいのか?)の主人公、マイルズの母、コーデリアを主人公にした一種の外伝的作品。ただしこれ、外伝にしておくにはもったいないぐらいの読み応え。

 このシリーズをお読みの方はご存じの通り、主人公マイルズは、母親の胎内にいるときの事件がもとで、極めてもろい骨格を持って生まれてくる訳ですが、その、元になった事件を中心に語られるのが本書なわけで、シリーズを良くご存じの方なら興味津々だし、そうじゃない方であっても、一種の"王様と私"的なお話を楽しめるって点で予備知識なしでも充分なおもしろさ。

 マキャフリィほど甘甘じゃない、ほどよいシンデレラストーリィが心地よいですよ。ボリュームもたっぷりでお読み得(^o^)。

01/1/2

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