家族の名誉

表紙

ロバート・B・パーカー 著/奥村章子 訳
カバー 馬場崎 仁
ハヤカワHM文庫
ISBN4-15-075674-0 \780(税別)

 元警官で今は私立探偵を営む女性、サニー。愛しあいながらも、その家族がギャングと言う環境に耐えきれずに別れた元夫リッチーや、セラピストの親友ジュリー、レストランの経営者でゲイのスパイクら友人の助けも借りつつ、愛犬ロージーとともにボストンに生きる。そんな彼女の元に舞い込んだ依頼、それは上院選出馬を目指す名士の一人娘ミリーの捜索だった。上流階級の娘ながら、ミリーは家庭の何かに嫌気が差し、突然家出してしまったのだ。10代の少女が家を出てしまえば行き着く先は街娼しかない。捜査をはじめたサニーだったが………

 "スペンサー"シリーズのパーカーが、同じボストンを舞台にバツイチ美人探偵の活躍を描く新シリーズ………なんだけど、うーむこりゃまた新味のない(^^;)。

 娼婦になった女を救い出す、人とうまくコミュニケーションが取れない若者の心を開かせる、いさかいのあった恋人との今ひとたびの心の通いあい………ってパーカーさん、そりゃみんなスペンサーでいっぺんやってるじゃんよ。主人公サニーのキャラクタにちょっと新しい部分があるけれども、なんかこう新しいシリーズを読んだって気がしないんだよなあ。さすがにパーカーで、お話はそこそこ読ませてくれるんだけれども。

 お話がそういうことでイマイチなせいか、関係ないところまで気になってしまいますな。正当防衛とはいえ、はじめて銃で人を殺した後のサニーのセリフ

 でも、そうじゃなければ別の方法を考えなきゃ。わたしは銃が使えるし、頭も悪くないし、動作も機敏だわ。どんな場合でも、もっとも危険なのは銃を持ってる人間だと思うの。銃はその人間の体格や力に関係なく力を発揮するから。銃を使う時にものを言うのは精神的にタフかどうかってことだけど、わたしはちょっとやそっとのことじゃ動じないから、誰がやって来ようと大丈夫よ。

 なにげにムチャクチャなこといってないかキミ(^^;)?

00/9/25

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