「世紀末サーカス」

異形コレクション(14)

表紙

井上雅彦 監修
カバークリーチャー製作 韮沢靖
カバー撮影 OSAMU MIWA
協力 ホビージャパン
カバーデザイン GCG graphics
廣済堂文庫
ISBN4-331-60798-4 \762(税別)

 おなじみ「異形コレクション」の最新刊。監修の井上雅彦さんのまえがきによれば、闇を愛する人にとっては13という数こそが区切りのいい数なんだそうで、そういう意味では今回は第二シーズンの始まり、って事になりますか。にぎにぎしいサーカスをテーマにした恐怖譚。

 ワシらが子供のころはまだ辛うじて、「悪い子はサーカスにさらわれて香港(なぜ香港なのかは聞いてくれるな)に連れていかれる」なんてオトナの脅し文句がかすかとはいえ有効だった(^^;)こともあり、そのはなやかさと得体の知れない恐さが同居している、みたいな不思議な空間がサーカスである、ってのはなんとなく理解できるんですが、今の若い皆さんはどうなのかな?

 モノがサーカスなせいかどうかは分かりませんが、純粋な「恐怖」よりは、一種の「不条理な怖さ」に満ちた短編集と言えますか。おなじみヨコジュンの押川春浪回想録も快調です。とはいえなんか今回の短編集で一番印象的だったのは、友成純一さんの「来るべきサーカス」のこんな一節かも。

 今、桧垣たちがいるのは福岡市西部の百道(ももち)浜、ギャオスを捕獲したあの福岡ドームで有名なところだ。

 幻想世界を愛する人にとって、平成ガメラってのは押さえておくべき合言葉になっているんですねえ(^o^)

00/1/14

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