「トンデモ本の逆襲」

表紙

と学界 編
カバーデザイン 坂川事務所
シンボルマーク製作 坂本志保
宝島社文庫
ISBN4-7966-1690-X \667(税別)

 新春初笑い、ってワケでもないですが、まずは笑える一冊から始めましょうかね、ってワケで"トンデモ本"。いやっはっは、笑かしてくれるぜ今回も。

 パート2ってのはえてしてパート1ほどのパワーを持ちえない、なんて言われますが、んで確かにその傾向は本書にもあって、なんといっても"トンデモ本"たちの常套手段というかそのトンデモぶりの方法論のほとんどは、すでに一作目であらかた明らかにされているわけで、第二弾ではどうしてもその辺の新鮮さみたいなもの力は少々弱いかも。とはいえやっぱりこの馬鹿馬鹿しさはいいよなあ。たいがいのトンデモ本のトンデモぶりってのは、こういう風に解剖されてしまうと、何やら「愛らしさ]のようなものが感じられて来てしまいますな。

 とはいえ、これらのアヤしい本のアヤしい部分のいくつかは、冷静に考えてみないとその胡乱さが見抜けないものであったりすることも事実で、特に学問的な部分の論述っていうのは、それを「アヤしい]と感じるためにはそれぞれの学問に対する一定以上の素養や、勢いに流されない冷静さみたいなものもまた必要なわけで、事が"トンデモ本"で済んでる間はいいけれども、この動きが増幅していく先にはオウムであったり、ヒトラーであったりという巨大なカルトが存在しえるてえのも事実な訳で、そこらを考え合わせてみると「と学会」の一連の活動って、実は地球を守る警備隊の活動だったりするんかなあ、などとも思えてきてしまいますな(爆笑)。どんなカルトでも、笑い飛ばせるあいだは大丈夫。笑いが無くなったら最後、そのカルトを押し止めることは大変困難なものになってしまうような気がします。

 最近は「癒し」だの、「開運グッズ」だの特定の占い師だの、もちろんいろんな進行宗教だのが人々の人気を集めているようで、確かにそういうものにすがらなきゃやってられない世相なんだってのも確かだとも思うんでありますが、わたしゃ個人的に、神様(など)に盲目的にすがるよりは、神様(など)を笑い飛ばす態度こそ、明るい未来に繋がると思ってるんですけどねえ。そんなことないですかねえ。ってどこが感想文なんだか(^^;)

00/1/5

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