Lisa Loeb ('03/5/26@東京・Shibuya-AX)


Hall & Oates同様、2年連続の来日となるLisa Loebのライブ、今回はソロ・アコースティックセットということで、とても期待して見に行きました。私はセカンドアルバムのツアーの時に初めてLisaのライブを見たのですが、そのときの(日本人女性含む)ストリングス隊を伴っての演奏を見て、Lisa Loebはアコースティックが似合うに違いないと思って、それ以来ずっとアコースティックセットで見たいと思ってました(5/24のサイン会でもLisaにそう伝えました)。その後のインストアライブや去年のライブでも一部アコースティックでの演奏を見ていたわけですが、今回はフルアコースティックでの演奏が見られるということで、かなり楽しみにしてました。

で、実際見てみてどうだったかというと、やっぱり思った通りで、ギター一本だけの演奏とあのLisaの声の相性はぴったり。ところどころ歌い方をCDとは変えつつ、低音も駆使してあれだけ器用に歌えるというのには驚ろかされました。演奏自体も達者なもので、一人でも十分聞かせる力を持っています。「自作自演歌手」としての実力は、Jewelにも比肩しうるくらい高いと思います。


私は仕事の関係で到着が遅れ、渋谷駅に着いた時点で6時50分だったのでそこからタクシーで向かいましたが、あの時間に渋谷でタクシーなんかに乗るものじゃないですね。運転手も地理的な知識が乏しく、会場に着いたのは結局7時をちょっと過ぎてました(走った方が速かったに違いない)。で、開演にはなんとか間に合ったものの、会場内は結構な人がいて(Banglesの5/23公演と同等程度か)、やっとのことでPAの前5, 6mほどの真ん中付近(横位置はキティの正面あたり)を確保して開演を待ちました。

7時を10分ほど過ぎたところでLisaがギターを持って一人で登場。今回のアルバムおよびツアーではサンリオがバックアップしてますが、今日のLisaは(サイン会とはTシャツ自体は違うけど)またしても(飛行機に乗る)キティのプリントの入った紺のTシャツに、ジーンズという格好(こういうカジュアルな格好も似合ってます)。ステージ上Lisa(にとって)の右には、椅子の上に鎮座するキティ様(^^;;(本編が終わるとLisaに続いて”退場”し、アンコールでは新しいキティにバトンタッチしてた)。演奏の合間にもLisaはときどきキティにちょっかいを出してました。

以下がセットリストです。
1. Wishing Heart
2. Do You Sleep?
3. Take Me Back
4. Taffy
5. Truthfully
6. Everyday
7. Hurricane
8. Jake
9. Alone
10. The Way It Really Is
11. Did That
12. Drops Me Down
13. You Don't Know Me
14. Guessing Game
15. Someone You Should Know
16. Kick Start
17. I Do
(Encore 1)
18. Stay (I Missed You)
19. Underdog
(Encore 2)
20. Sandalwood

トータルでは90分ほど(本編だけで75分くらい?)と、それほど長くはないものの、曲数の面ではたっぷりと演奏してくれたと言えると思います。

基本的にはアコギを抱えたLisaの弾き語りだったのですが、途中にエレキギターでの演奏がなぜか2曲(AloneとThe Way It Really Is)。。。使ったギターは協賛メーカーのサンリオからプレゼントされたという白地にポップな柄のギターで、アンプ内蔵でちょっとおもしろい音でした。で、このギターを持った瞬間に"It rocks!"と言って、Aloneを歌いはじめるもののすぐに止めて、何を思ったかギターをじゃかじゃかかき鳴らした後、Stairway to Heavenを演奏し始めました。これには場内から歓声が上がりましたが、すぐにやめて、もう一度Stairway〜をちょっと弾きなおした後、あらためてAloneの演奏に入りました(そのままStairway to Heavenを聞きたいと思ったのは私だけではあるまい)。Lisaってお茶目です。

今回演奏した中にはHurricaneのようにアコースティックバージョンを発表している曲もありますが、Taffyのようにアルバムではわりとロック色が強い曲とか、You Don't Know Me, Truthfully, I Doのようにアルバムでは装飾が施されている曲のアコースティックバージョンは、聞いててかなり新鮮です。特に I Doは個人的にはStayよりもLisa Loebらしさを感じさせる一曲だと思っているだけに(人に一曲だけ薦めるなら間違いなくこの曲選びます)、この曲をアコースティックで聞けたのは嬉しかった。

UnderdogとかSandalwoodなどは去年のツアーやインストアでも(半)アコースティックで披露されてイメージは持っていましたが、やっぱりあらためてLisaの弾き語りで聞くと味わい深いですね。Do You Sleep?とかThe Way It Really Isなどは、曲の持つメロディにアコースティックな演奏が似合っていると感じます。「新作」に収録された新曲も2曲演奏されましたが、どちらもいいですね。

今日の観客はちょっとおとなしかったんですが(演奏後の拍手こそそこそこだったけど、演奏の合間の”静けさ”は、Banglesの5/22公演をも上回ってました)、Lisaは通訳?の人を曲と曲の間でちょくちょく呼び出して、日本語に訳してもらいながら観客に話しかけることで、観客とのコミュニケーションをとろうと心掛けているようでした。こんなに観客に対話するように”話しかける”アーティストも珍しいと思いますが、前日の銀座でのサイン会でも感じたLisaのスーパーフレンドリーな人柄ゆえでしょう。話の内容は、曲についての小話やLisaの日常生活で起こったことなどが多かったのだけど、MTV Japan VMAに参加した際にキティと一緒に車で移動した話(長い距離キティと手を握って乗ったんだけど、キティには口がないので何を話していいのか困った!らしい)を始めとして、爆笑を誘うようなものが多く、通訳の人(関西弁?)のキャラクターが結構面白いこともあって漫才のようになることもしばしばで(最初「日本語話せないので手伝って」と英語で言って呼んだにもかかわらず、その直後に「私は日本語が話せません」とLisaが日本語で言ったので通訳の人がすごすごと下がろうとしたところは特におかしかった)、観客の心を和ませたところで演奏に入るという感じで進んで行きました(これはもう立派な”技”ですね)。

そんな”技”が実を結んだのがセカンドのツアーの時以来となるGuessing Game。演奏そのものももちろん良かったですが、演奏前にLisaが話した最初の「ヒー・ハー」という”テキサス風”のかけ声についての裏話は爆笑ものでした。曲の途中では観客にこのかけ声を要求し、満足する大きさになるまで何回も続けたので、この曲の最後の方はとても盛り上がりました。その後はまた静かになったのですが。。。

来る時同様帰りも余裕がなくて、めずらしくグッズ類をチェックすることをすっかり忘れたりもしたのですが、、もっと見たい・聞きたいと思わされる今回のコンサートでした。また機会があったら、もっと多い回数やって欲しいな。

 

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