Bangles
('03/05/22 - 23@東京・Shibuya - AX)
1日目(5/22)
コンサートツアーとしては初の来日となったBanglesの東京公演(二日目)を見てきました。全盛期の'88に一度だけ来日したものの、ライブはショーケース一回だけで、あとはテレビなどに出演したのみだったため、ファンとしては15年(解散から13年)を経て初めて実現した待望の来日公演です。私自身は、当初からオフィシャル・サイトでは日程に入っていたものの来日公演発表時には含まれていなかったクアトロ公演はパス(クアトロが一番好きな会場なんですが、、)、Shibuya - AXという代々木第一体育館の横(NHKの近所ともいう)にあるやや大きめのライブハウス(オンエアイーストと赤坂ブリッツの中間くらい?)での二日間見る予定で、コンサート週間(この1週間で6回行きます、その後も、、)の先頭を切るコンサートです。
ライブハウスではあるものの、前座にOK Goというデビュー仕立てのバンドが出演することがプロモーターから発表されていたのと、仕事が極度に忙しい状況もあって、悪くない整理番号だったものの(67番)、”開演時間”の15分ほど前に会場到着(それでも前から10列目くらいだったかな)。会場は原宿の方が近いかと思ってたけど、渋谷側の入り口があったので、そう遠くもなかったです(NHKホールよりむしろ近い)。
で、前座の人たちですが、最初から全く期待してませんでしたが、予想どおりというか、まったく見るべきものはありませんでした。。。1曲だけ(4曲目、リズミカルな曲調でボーカルもまともに”歌って”いて唯一拍手に値した)他の曲と違ったものの、あとははっきりいって出来の悪いハードロック(とギターポップのどっちつかず)。ところどころBeatlesやDavid Bowieになりたがっていることを感じさせる部分もあったりして、メロディのかけらもなく、曲調に統一感もまとまりもまったくなかったです。9曲で30分強も演奏されて退屈だった。。。(でも明日また聞くのか、、)
前座が終わったあと25分ほどして、8時少し前にライトが落ちて、BeatlesのI Want to Hold Your Handの(ちょっと変な)インストのBGMがしばらくかかったあと、Banglesの4人とキーボード(とタンバリン)プレーヤーが登場、コンサートが始まりました。メンバーの着ていた衣装についてははっきりとは覚えてませんが、なぜか(黒の)ハローキティのTシャツ&赤黒チェックのミニスカートのVicki(この人さすがに年取りました、昔は一番好きだった)は別として、Debbiは黄色のTシャツにジーンズ、Susanna(ミニスカートだけど)とMichaelはわりと落ち着いた格好でした。
コンサートはHazy Shade of Winterで始まりましたが、いきなりこの曲を持ってくるとは思ってなかったので、これにはちょっと驚きました。以下がセットリストです。
1. Hazy Shade of Winter
2. Tear off Your Own Head
3. The Rain Song
4. If She Knew What She Wants
5. Something That You Said
6. Here Right Now
7. September Girls
8. Manic Monday
9. Single by Choice
10. Going down to Liverpool
11. Stealing Rosemary
12. Between the Two
13. Silent Treatment
14. Ride the Ride
15. In Your Room
16. Walk Like An Egyptian 〜 Mrs.Robinson
〜
(
Encore)
1. 俳句コンテスト優勝者発表
2. Hero Takes A Fall
3. Eternal Flame
Hazy Shade of Winterは、イントロからわりといい感じで演奏してるかなと思ったのも束の間、ブリッジ部あたりからちょっと演奏がゆるくなってきて、あれあれれ、という感じになって、本来ハーモニーがつくところではSusanna含めてやや心もとない歌声となって、途中省略して終わったような感じに。この時は明日また来るのは止めるべきか、なんて一瞬考えましたけど、2曲目以降は持ち直して、ハーモニーも決まってたし、演奏も良くなって、そんな心配は杞憂に終わりました(^^)。その後は新作からの曲を中心に、途中何曲か昔の曲が入るという感じで進んで行きましたが、新作からの曲の方が演奏により力が入っているように思えました。昔の曲で手抜きをしているというのではなく、新しい曲にそれだけ思いを込めて演奏しているのでしょう。
新作の曲は、昔の延長線上にあったり、昔の曲を思い起こさせる曲も多いものの、いまの4人ならではの魅力が注入されてて現役感覚の感じられるところが気に入ってますが、(あまりCDとアレンジ変わりませんが)生で聞いてもライブ映えする曲が多く、なかなか聞き応えのある演奏でした。芯のあるしっかりした音を聞かせてくれたDebbiのドラム(&ハーモニーボーカル)も良かったですが、個人的にはMichaelのプレーぶりに視線が行くことしばしば。コーラスに加わるのが他のメンバーより比較的少ない分演奏に集中しているその姿に痺れました(笑)。これまで”ライブ”で見た女性ミュージシャンでこんなこと感じたのはSherylと"Stop Making Sense"のTina Weymouthくらいかな。あ、あとMichaelの後ろにあった光るPowerBook G4も気になりっぱなしだった(笑)。
良かった曲はいくつもありますが、まずIf She Knew What She Wants。キーボードに導かれて始まったこの曲は、リリース当時は中ヒットに終わりましたが、実にいい曲です。曲そのものも良いのだと思いますが(自作ではないけど)、Susannaの歌を始め、ハーモニーの付け方や曲のアレンジ、どれも魅力的です。Debbiがリードを取り、VickiがハーモニーをつけたHere Right Nowでは、さすが姉妹というべきか、二人の歌声がぴったり合っているのに関心しました。イントロをちょっと変化させたManic Monday(転調したとたんに分かった人が多かったです)は文句なしに盛り上がりましたし、Debbiが前に出てきてギターを弾きながら歌ったGoing Down to Liverpool?では、その軽快な曲調もあって、それまで演奏された中で最も会場中が一体となって盛り上がりました。Debbiが前に出てくると、そのキャラクターもあってとても場が盛り上がりますね。一連の新曲群の中でもStealing Rosemaryでのバンド一丸となった演奏は良かったですが、なんといってもハイライトはメドレーで演奏されたRide the Ride〜In Your Roomです。Ride the Ride(アルバム中でも好きな曲です)はその曲調(Everything収録のCrash & Burnに似てるかな)もあって、演奏始まったときから観客から手拍子がついて盛り上がったのですが、そのままの勢いでIn Your Roomのイントロへと繋がり、これがとても気持ち良かったです。In Your Roomは、Hazy Shade of Winter(当時”片面”シングル買いました)でまともに意識するようになったBanglesの実力を私がはっきりと認識した歌ですが、いま聞いてもこの曲はやはり完成度高いと思います。この曲をライブで聴けたのは今回一番の収穫でした。そして本編最後のWalk Like An Egyptian。この曲、ヒットした当時はコミックソングかと思っていたら年間1位となってびっくりした覚えがありますが、さすがにこの曲の知名度は高く、あのかけ声を始めとして、一緒に歌ってる人も多く見られました。途中Simon & GarfunkelのMrs.Robinsonを挟んだりして、メンバーも楽しんで演奏してるのがわかりました。
アンコールではまず、オフィシャル・サイトで来日直前に行っていた「俳句コンテスト」の優勝者(けっこう度胸座ってて、場を沸かせてました)の発表と、その俳句の朗読がありましたが、フロアから「俺も一句!」と叫んだ人が(私の2列ほど前だった)、「バングルス、何年たってもかっこいい!」などとのたまわってました(メンバーは喜んでた)。その後演奏に戻り、ファーストアルバムからHero Takes A Fall、そしてお待ちかね、'80s屈指の名曲であるEternal Flameを、Vicki & Debbiのギターとキーボード、Michael含めた3人のボーカルサポートを受けてSusannaがしっとりと噛みしめるように歌って、コンサートが終わりました。
1曲1曲がコンパクトなため、本編が1時間強、アンコール(俳句コンテスト優勝者発表も)含めて1時間20分ほどと短めではありましたが、18曲という曲数は決して少なくないし、新作からの曲を8曲も演奏したのも現役のバンドであることを主張して潔かったです。観客の盛り上がりは全体的には今一歩、というのはありましたが、なかなかいいコンサートでした。
2日目(5/23)
今日のコンサートは最高でした!
Hazy Shade of Winterも昨日と違って途中でゆるくなることなくいい出来でした(ハーモニーもバッチリ)。観客も昨日より多くてノリも良かった分、メンバーも終始上機嫌で、昨日は曲間で静かになるのを気にしてか頻繁だった(それでもCardigansのNinaのように観客を侮辱することはなく、フレンドリーですが)VickiのMCも今日はいくぶん少なめで、どんどん曲が進んで行きました。。MichaelやSusanna(遠目だと今でも十分可愛い)の表情からも笑みがこぼれることが多く、メンバーもいい気分で演奏できたのではないでしょうか。私は昨日よりさらに遅くの到着で、PAのちょっとだけ前というかなり遠い位置でしたが、ときどき前の人の頭でSusanna, Michaelが見えづらくなるのを除けば十分見えましたし、楽しむことが出来ました。今日はステージのどこを見てても楽しめて、それでもやっぱりMichaelを見てることが一番多かったとは思うのだけど(汗)、一番印象的だったのは観客に大声で"Susanna!"と呼ばれて、くるっと振り返ってマイクに歩み寄り、元気に”ハイ!”と返してたSusannaの姿かな。
演奏も、Walk Like An Egyptianの歌詞をSusannaが忘れた(でも、照れ笑いとその後のハミングですっかり場は持って行ってた)こと以外はほぼ完璧。セットリストは昨日と全く同じでも、演奏時間はやや長めで、本編だけでも数分長かったと思いますが、昨日のように俳句コンテスト入賞者の発表とかはなかったのに、アンコールが終わった時刻は昨日とほぼ同じでした。会場の盛り上がりの良さに、メンバーの気持ちが乗せられたということでしょう。
今日のコンサートはあらゆる面でとってもいいコンサートで、今年これから見るコンサートの基準値となりそうです。Vickiの「前に来たときからはだいぶ時間が経ってしまったけど、こんどはまたすぐ来るからね!」という言葉を信じて、次の来日を楽しみにしたいと思います。
あ、「はい」という日本語は海外の人にはポピュラーな「言葉」なんですね。Sherylだけかと思ってましたが、Vickiも何回も連続して使ってたのには笑いました。
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