The World is A Wonderful Place - The Songs of Richard Thompson
(コンピレーション, '93)
Green Linnet Records, GLCD 3086(米盤)
曲目
1. The Knife Edge
2. Pharaoh
3. How Will I Ever Be Simple Again
4. It Don't Cost Much
5. Down Where the Drunkards Roll
6. Wheely Down
7. Reckless Kind
8. The End of the Rainbow
9. I Want to See the Bright Lights Tonight
10. Love is Bad for Business
11. Dimming of the Day
12. Walzings for Dreamers
13. The World is A Wonderful Place
14. Night Comes In
15. Sisters
16. For Shame of Doing Wrong
17. I Misunderstood
18. Galway to Graceland
アーティスト
1. The Hokey Pokey Strings
2. The House Band
3. Christine Collister
4. Marvin Etzioni
5. Martin & Jessica Simpson
6. Ian Kearey & Ivor Cutler
7. Victoria Williams
8. Tom Robinson
9. Ron Kavana
10. Men and Volts
11. Gregson, Hewerdine, Reader
12. The Keith Hancock Band
13. Richard and Linda Thompson
14. Full Moon Fair
15. The Fraser Sisters
16. Peter Blegvad
17. Sally Barker
18. Plainsong
解説
ブリティッシュ・フォーク・ロックを代表するグループ、Fairport Conventionのオリジナルメンバーでフォーク・ロックの第一人者、Richard
Thompsonへのトリビュートアルバム。Richard Thompsonと親交のあるアーティスト達を中心として17組のアーティストがこの作品の為に新たに録音した曲を提供している。EddiはBoo
Hewerdine, Clive Gregsonと共演した11で参加している。
Dimming of the Dayはアイルランドを代表する女性シンガー、Mary Blackも
'91に発表した名作、Babes in the Woodでカバーしていた曲で、BooとCliveのギターによる伴奏だけで3人が交互にリードをとってしみじみと聞かせてくれる。プロデュースはJon
Kelly(Kate Bush, Damned, The Beautiful Southなどのプロデュースで有名)。
曲の進行を追っていくと、
Boo
Boo & Eddi
Boo, Eddi & Clive
Eddi
Eddi, Boo & Clive
Clive
Clive, Eddi & Boo
というふうにボーカルをつけているが、デュエットパートもしくは3人がハーモニーをつけているところではEddiの声が際だっており、特にCliveの声はほとんどマスクされてしまっている(笑)。Mary
Blackのバージョンも名唱だが、Eddi, Boo, Cliveによるこのバージョンはそれに優るとも劣らない出来と言える。
3のChristine CollisterはRichard Thompsonのバンドメンバーとしてキャリアをスタートし、Clive Gregsonとデュオを組んでいたこともあるシンガーで、Everything But the GirlのTracey Thornを思わせる低く落ち着いた声で重厚なアレンジの曲を歌っている。
5のJessica SimpsonはAll Music Guideでは最近話題のあの女性シンガーであると書いてあるがこれは間違い(笑)。
6のIvor CutlerはJoke UK Part 2に収録されていたGo and Sit Upon the Grassの作者である。8のTom RobinsonはThis is Modern Folkにも作品が収録されていたアメリカのギタリスト/シンガー。また16のPeter Blegvadはアバンギャルド・ロックバンド、Slapp Happyのメンバーで、Patience of Angelsシングルに収録されていたShirt and Combの作者。Tom Robinsonの曲にもギターで参加している。
13のタイトルトラックはシークレットトラックになっていてレーベル等に記載されていないが、Richard and Linda Thompsonの未発表曲。
Mary Blackがやはり'97 発表のShineでカバーしている17はもう一つのトリビュートアルバム、Beat the RetreatではなんとDinosaur Jr.がカバーしているが、ここではMary Blackより少しハイトーンの女性ボーカルによって歌われている。
Victoria Williamsがギター、ベースをバックに、正攻法の丁寧な歌を聞かせてくれる7が特に印象深いが、ケルティック色の濃い2、Fairport Convention時代の仲間Ian Matthewsも参加したアカペラの18も耳に残る。
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