Eddi Reader @ 渋谷クラブクアトロ (July 1, '14)


渋谷クラブクアトロでの最終公演、最高でした!!最初から最後まで、ほとんどの曲が今回のツアーで最高の出来でした。Eddiの声の調子もこれまでで最も良くて、高音部の伸び、声量も申し分なく、まさに透き通った(しかも力強い)歌声を聞かせてくれました。

今日の公演は事前の予約状況も比較的良かった(2週間くらい前で整理番号300番台中盤だった)ことから客の入りに関しては期待できるだろうと思っていましたが、フロア内は(周りの人にぶつからない程度の立ち方で)満員で、十分に入っていたといえます。それもあって、観客の反応もとても良かったですし(Eddiの公演でここまで良い反応だったのはいつ以来?というほど)、Eddiとメンバー全員が演奏にとても集中していて、特にEddiの気合いの入り方はすごかったです。名古屋のことも少しはあったでしょうが、最終日だからというのと、たくさんの客がきてくれたというのが大きかったでしょう。2曲目のDragonfilesでのコーラス部後半での高音部でまずそれを感じましたが、その後も随所で感じることができました。

1曲目がまずCharlie Is My Darlingだったということが期待感を高めてくれましたが、演奏が進むにつれ、メンバーのテンション、演奏の質、そして構成から大阪、名古屋のいずれとも違うレベルにあることを感じました。特にYe Jacobitesが演奏されてからはそれが顕著になり、通常は終盤に演奏されるWillie Stewartが中盤に入ったことで決定的になりました。今回初めて演奏される曲が5曲(Midnight in Paris 1979, Love Is the Way, Allelujah, Oh My Love, そしてBlue Moon of Kentucky)もあったというのもありますが、一曲一曲の出来が本当に良かったことがなにより大きいです。Ye Jacobites(名古屋では集中して聞けなかった)はイントロからぞくぞくさせられ、Eddiの歌に圧倒されました。Midnight in Paris 1979では途中にUsagiとLa Vie En Roseの一節を挟み込むという遊びも入れて、Eddiは楽しそうに歌っていました。Love Is the Wayでは会場が一体となったコーラスで、演奏の質もさらに引き上げられました。Allelujahは楽器を持たずに歌うEddiの声がいつも以上にソウルフルで、Eddiが本気で歌っている(= 内から湧くインスピレーションにまかせて歌っている)のを実感しました。DolphinsやInto the Mystic(今日はIanだけでなくRoyとAlanも演奏に加わりました)でのEddiの歌声にはただただ聞き惚れました。Baby’s Boatもバンド全体の出来が本当に良かったです。そしてPerfectでは、名古屋ではステージ上に登場したものの歌わなかったスマッシュのノリさんとサーシャさん、そしてソニーミュージックの担当者であるゆういちさん(Eddiのツイッターにも登場してます)がコーラスで参加してくれたことで会場の一体感はさらに高まりました。それを受けて歌われたUsagiはEddiのアカペラではなく、Ianが伴奏を付けた上で会場のコーラスも入り、そのまま続けて歌われたOh My LoveではEddiは味わい深い歌声を聞かせてくれました。

そんななかでも、Eddiがこのコンサートを特別と考えてくれているのがわかり、実際に特別な物にしてくれたのがThe Moon Is Mineとアンコールで演奏された2曲です。The Moon Is MineはFairground Attractionの来日公演と同じように一旦最後まで演奏した後にRoyに促してGet Happyを演奏し(しかも当時より長い)、その後またThe Moon Is Mineに戻るという構成の長い演奏をしてくれました。会場の反応もここまでで一番良かったですし、それに触発されたバンドの演奏も素晴らしかったです。また、Blue Moon of KentuckyはFairground Attractionの来日公演で演奏されましたが、当時のテレビやラジオの放送に含まれていませんでしたし、Live in Japanにも収録されていないという真にレアな曲です。それを演奏してくれたというのは、Eddi自身に思うところがあったということでしょう。何の曲?と思った人も多かったでしょうが、個人的に一番盛り上がったのはこの曲です。そして、その高まりを静かに静めてくれたのが最後のMoon on the Rainです。最後は絶対この曲で、と念じていたのですが、実際に演奏してもらえて、感無量でした。。Fairground Attractionの来日公演と同じように最後に演奏されたこの曲でEddiはたっぷりと情感を込めた歌声を聞かせてくれて、これまでソロで聞いた中では一番心を打たれる出来でした。

この日のコンサートは、全編を通してアーティストと観客の想いが一体となって協力して作り上げられた、本当に素晴らしいコンサートでした。私はイギリス、アイルランドでのツアーも今年のを含め、何回か見ていますが、なかなかこうはなりません。日本でのコンサートは会場の盛り上がりで当たり外れが大きい(というか、海外と同じレベルの盛り上がりとなることが正直あまりない)ですが、その分、今日のように特別良かったコンサートでは、他の国では感じられない独特の雰囲気や空気感があります。イギリスでは言葉の問題がないためEddiのおしゃべりが多くなるのに比べ、日本では演奏の比重が高くなる、という違いもあるでしょう。しかし、'05年のDaryl Hall John Oatesの来日公演でも同様のことを感じましたが、Eddiのコンサートでは日本で行われた場合にしか感じられないものが確実にあり、それをEddiも感じているであろうことがこの日のコンサートや'07年の東京最終公演などでも感じられました。そのように感じてもらえる限りは、また日本に来てくれるだろうと思います。

終演後は大阪、名古屋同様にサイン会が行われましたが、人数の多さもあって(200人以上と言っていた)、写真撮影なしでサインだけ、ということでしたが、Eddiはおしゃべりに応じてくれていました。何人もの人から「またすぐ来てね」と言われて、たぶん来年ね、なんて答えていましたが、どうなるでしょうか。

7/1@渋谷クラブクアトロ

 1. Charlie Is My Darling
 2. Dragonflies
 3. I’ll Never Be the Same
 4. Find My Love
 5. Vagabond
 6. Pray the Devil Back to Hell
 7. Station Street
 8. Love Is the Way
 9. Ye Jacobites
 10. Midnight in Paris 1979/Usagi/La Vie En Rose
 11. Allelujah
 12. Willi Stewart/Molly Rankin
 13. Buain Na Rainich (Fairy Love Song)
 14, Dolphins
 15. Honeychild
 16. The Moon Is Mine/Get Happy
 17. Into the Mystic ※Van Morrisonの曲のカバー
 18. Fairground Attraction
 19. Married to the Sea
 20. Baby's Boat
 21. Perfect
 22. Usagi/Oh My Love ※Oh My LoveはJohn Lennonの曲のカバー
 (Encore)
 23. Blue Moon of Kentucky
 24. Moon on the Rain
演奏時間:2時間1分(本編のみ)、2時間11分(全体)


Tour Report Topに戻る

Homeに戻る