Eddi Reader @ 心斎橋BIG CAT(March 18, '02)
来日公演初日、大阪公演に行ってきました。今回は日本のみ限定リリースとなったDriftwoodに伴うツアーですが、EddiとBoo Hewerdine, Colin Reidの3人編成によるアコースティック・セットということで、これまでとはひと味違う内容になると期待して見に行きましたが、会場の事を別とすると、期待を上回る内容でした。
<ここから愚痴>
会場のBIG CATには5時40分頃に着いて開場を待っていたのですが、いざ開場となったら最初は”Smash Westの印の押してある人”が優先的に入場、と聞いてがっくり。その後は整理番号順に10番づつ呼ばれていったのですが、人がドアの前にたまるばっかりでなぜか建物の中には入らせてもらえずに入り口前に人がどんどんたまるばかり。この手際の悪さはどうにかならないものでしょうか?ようやく入場開始したと思ったら、チケット料金とは別に、”有無を言わせず”ドリンク代として500円を徴集されたのには閉口。。「ドリンクいらないんですけど」って言っても「かならず払ってもらうことになってますから、興業主さんに文句言って下さい」って、それってチケット発売する時に事前に説明されてない以上詐欺的だと思うけど???さらに自ら進んでデジカメをスタッフに差し出したら「コインロッカーに入れて下さい。使ったらもちろん没収します」なんて、あまりに自分が都合のいいような発言ばかりで、この会場ははっきりいって薦められません。二度と行きたくないです。
<愚痴終わり>
今回は始まり方からしてこれまでとは趣向が違って、まずColin Reid & Boo Hewerdineが二人で”前座”を務め、その後休憩を挟んでEddiが登場、3人で演奏をするという構成になってました。Eddiがソロとなって初めてのツアーにも”前座”がいましたが(バンドメンバーでもあったCalum & Neil MacCollがLiberty Horsesとして演奏した)、今回はそのときとはだいぶ様相が違うと言えるでしょう。
開演は7時の予定でしたが若干セッティングにてこずっていたため、約10分遅れでColin Reidが登場(ちょっと顔が太った?)、一人で3曲を演奏しました(曲名は分からなかったですが)。巧みなフィンガーピッキングは耳と目を引き付けるに十分で、曲が進むに連れ拍手が大きくなり、盛り上がったところでBoo Hewerdine登場。二人でBooのレパートリーを3曲演奏しました。
(セットリスト - Boo Hewerdine)
1. The Birds Are Leaving
2. Murder in the Dark
3. Honey Be Good
1、2曲目はいずれもBooの現在のところ最新のアルバムThanksgivingに収録の曲で、3曲目は彼の昔のグループBibleの代表曲ですが、これまでEddiのコンサートではBooは歌って1、2曲、しかも今回演奏した曲はこれまでEddiと一緒の時には歌ったことがないので、かなり新鮮に感じた人が多かったのではないでしょうか?今回はしかもColin Reidと二人だけの演奏でミディアム〜スローの曲を2曲並べていたので、Booのハイトーンの声がよく引き立ってとても良い演奏だったと思います。2曲目に演奏したMurder in the Darkはアルバムでは一瞬Eddiと聞き間違えるMartha Wainright(Rufus Wainwrightの姉)がコーラスをつけている聞きやすい曲なので、いままでBooのアルバムを聞いたことない人はぜひ聞いてみて下さいね。
二人でトータル20分強演奏後、20分ちょっとのインターミッション(セットチェンジはないけどインターミッションはある)。8時ちょっと前にEddiが二人を伴って登場しました。今日のEddiはピンクの花びら?のような模様の入った白のひらひらのブラウスに、茶色のデニムのパンツという格好でした(ちなみにBooは黒のトレーナーに紺のGパン、Colinは上がTシャツになった感じ)。登場したEddiはなにやら手に持っているなと思ったら、去年のホワイトデーのお返しか(笑)、手のひら合わせた程度の大きさの籠にたくさんの飴を持って、前の方の観客に「みんなに配って」と言って籠を渡してました(私は前から2列目、ほぼ中央に座ってたので後で籠が回ってきて、飴一個もらえました)。
(セットリスト - Eddi Reader)
1. Kiteflyer's Hill
2. Scarecrow
3. The Girl Who Fell in Love with the Moon
4. Patience of Angels
5. I Felt A Soul Move Through Me
6. New Pretender
7. Footsteps Fall
8. Bell, Book and Candle
9. Allelujah
10. Find My Love
11. Clare (アカペラ)
12. Hummingbird
(Encore)
13. Lucky Penny
14. Perfect
15. Everything
16. Moon River
今回はまずKiteflyer's Hillからスタート。声の状態は万全で、最初の一声で引き込まれました。後半は足を手でたたいてリズムをとりながらの熱唱(この後もたびたび)。そして2曲目はひさびさとなるScarecrowが演奏されました(そういえばEddiはこの曲好きなんだった)。アコースティックな演奏と、Eddiがコーラス部の語尾で意識的に高音を使っていることもあって、とても軽快な楽しい演奏でした。この曲ではEddiは立ったままギターを弾きながら歌っていましたが、この後も曲によってギターを立ったり座ったりしながら演奏し、曲によっては座って歌に専念していました。Scarecrowの後はときたま日本語のアンチョコカードみながら演奏後に「感謝してます」と言って観客の笑いを取る(笑)他はほとんどMCなしで進行する”じっくり聞かせる”演奏で、その選曲もあって徐々に高揚感を与えてくれる、言葉で表現するのが無意味に感じるようなとても素晴らしい演奏でした。特に前回のツアーでは聞けなかったため今回最も聞きたいと思っていたI Felt A Soul Move Through Me(Simple Soulのベスト・トラックだと思ってます)が、Driftwoodにもバージョン違いが収録されたこともあってか遂に演奏された(Booのギターがとても効果的で良かった)のが個人的には嬉しかったですが、その後に続いた曲でのEddiの歌もとても自然体でリラックスしていて本当に良かった。昨年のツアー時よりも一段と解放されたというか、新しい領域に踏み込んだ感じです。ちなみに6〜8曲目はすべてEddiバージョンが(違うアルバムに)存在するものの、今回の演奏はむしろThanksgiving(この3曲とも収録してます)でのBooのバージョンに近いので、ライブの前にThanksgivingを聞いておくことを強くお薦めします。聞いたことがあるかどうかで受ける印象が全然違うと思います。
Bell, Book and Candleの後はEddi自らが「Fairground Attractionの曲を演奏するけど、なんだと思う?」と問いかけて、Allelujahが歌われたのには驚きました。この曲でのEddiはFairground Attraction時代のように手を左右に大きく広げて朗々と歌い上げていました。この曲の後もとても楽しそうに、観客にコーラスを促しながらFairground Attraction時代の曲を演奏していたところに「Eddiは過去の事はもうすっかり吹っ切ってひたすら前を向いている」と感じられて、とても感慨深いものがありました。Find My LoveではColin ReidがMark Nevinのパートを弾いていましたが、イントロからちょっとフレーズを変えてあったのがとても新鮮で、でもやっぱりハイライトのところではMarkのことを思い出させてくれる演奏で、楽しかったです。ClareではEddiが例のごとく(笑)体中でリズムを取って歌いはじめようとするとなぜかColin Reidがそそくさと退場(笑)。Booもおもむろに水を飲み始めて、一人熱唱(熱演)するEddiを時々しげしげと横目で見つつも、熱くなる観客を観察してました(笑)。Eddiはというと、トランペットやドラムの口まねにも一段と磨きがかかって、(観客に話し掛けながら)ひとり悦に入ってました(笑)。Clareの後は会場中の手拍子の中Hummingbirdが演奏され、本編が終了。時間を気にしたのかかなり短かめで終わりました。
で観客の拍手と歓声に促されて、時計を見ながら(笑)Eddiが登場。コーラス教室の後Lucky Pennyが始まりました。Perfectはオリジナルの軽快さを残しつつもかなりカントリーよりのアレンジで新鮮な印象(ここでもColinのギターはMark Nevinを思い出させてくれました)。Find My Loveの時も思ったけどEddiがかけ声かけたりするとすっかりカントリー&ウェスタンの世界という感じで、見ているこちらも幸せにしてくれます。Perfectに続いてはアコースティックでも去年のツアーの時と同様に陽気なアレンジでEverythingが演奏されました。Graham Hendersonのアコーディオンがなくっても、やっぱりとても楽しい曲です。そして最後には、「ホテルの部屋でさっき練習したの」とのEddiの言葉に続いてMoon Riverが演奏されました。この曲でもやっぱり最初の一声でEddiの世界に連れて行かれてしまい、あらためてEddiの自然体でありながらも際立った表現力に感心させられました。
Eddiが登場後は約1時間20分(トータルで約2時間)と少し短かめではありましたが、内容的には必見と言えるコンサートです。この分なら時間の制約が緩くなる最終日は忘れられないコンサートになるでしょうから、すべてを投げ打ってでも;-)、ぜひ行きましょう。
終演後ロビーに出ると既にそこにはEddiがいて、CDを買った人(じゃなくてももらえそうですが)にサインをしてました。あっというまにたくさんのファンに放射状に取り囲まれてましたが、ここでもEddiの表情はひたすら明るく、ファンからの質問などにも気軽に応えてて、あらためてEddiが”吹っ切れた”ことが感じられました。少しするとBooとColinも出てきて、ビール飲みながらやっぱり陽気にサインや写真撮影・質問・相談などに応じてました。携帯電話で写真とれる機種持ってる人は活用しましょうね。
会場では"Simple Soul"、"Driftwood"、The Girl〜のシングル盤の他、"Live"、BooのライブCD(いずれも通販でしか買えないもの)、Colin Reidの"Tilt"、そしてSimple SoulのTシャツが紺と白、そして紺のタンクトップを売っていました。私は紺のTシャツとBooのライブCDを買いました。
(写真アップ予定です)