4 公的機関の予知

公的機関が目指すもの

 


予知というよりはリアルタイム地震対策システム

 公的機関での地震予知というのは,観測的手段が中心です.大きなところでは,人工衛星を

利用したGPS(グローバルポジショニングシステム)や,クェーサー(準星)からされる弱

い電波をパラボラでキャッチするVLBI(超長基線電波干渉計)等の,変動計測手段があり

ます.但しこれらは,まだ学術的要素が強く,実際の”予知”にどれほど関与できるのかは,

現在のところ分かりません.

 その他,実際に地震の起こりそうな場所に高性能の地震計等を設置しておいて24時間監視

するシステム:EPOS(地震監視総合システム)があり,地殻変動を監視し,データ分析か

ら警報を出そうというものがあります.この方法の方がより”予知”に関係していると思いま

すが,実際には”地震が起こった後に,被害を最小限にくい止めるためのシステム”と見たほ

うが正しいかもしれません.つまり,震源や規模等をいち早く計測し,データを作成し,被害

をシミュレーションし,その対応を迅速且つ有効に行えるようにするための役割のほうが大き

いと思われます.

 このような状況の中で,民間で予知しようという動きが活発に行われており,大学や特定機

関が関与している大きなものから,1個人のものまで,実に多様化したものになっています.


5 民間での予知へ