5 民間での予知

よりどころとしている物理現象

 
ここからは,認められたものではありません

 民間での予知は,色々な方法で行われています.

  1)地震雲,エアロゾル,虹に代表される気象状態

  2)ナマズ,カラスに代表される動物の行動異常

  3)月,星からの電波等の宇宙空間に基づくもの

  4)FM波ノイズや受信状態,その他の電磁気現象

  5)地熱,地磁気等の直接的な異常  

等,あげたらきりがありません.

残念ながら,地震予知の大半はオカルト〜宗教と言っても過言ではないでしょう.

地震という,数十年〜数千年におよぶ地殻変動の産物である現象を,数年の経験則で見切る

なんて到底無理でしょう.

ということは,反対に付け入る隙も多いわけです.

しかし,これら様々な現象を肯定的に捉えた場合,比較的筋の通った,統一的な現象説明がで

きるようです.その説明に用いられるのが,強い応力が地殻,プレートにかかったときに生じ

ると思われる,圧電効果(ピエゾ効果)という物理現象です.

 

 ピエゾ効果は,イオン結合性の強い結晶に,外力が働いたときに,誘電分極が起こる現象で

す.と言ったって,実はぼくだってよく解っていません.イオン結合っていうのは,イオン間

の静電引力による化学結合のことです.完全にそうでなくても,この結合性の強い結晶に外力

を加えるとその歪みによって,イオンの相対的な位置が変化し,イオン分極が起こり,電場が

発生するというものです.

 身近なところでは電子ライターの着火に使用している圧電セラミック(チタン酸鉛、ジルコ

ン酸鉛、ニオブ酸マグネシウム酸鉛等)等があります.圧力を加えると大きな電圧と小さな電

流が発生して着火するアレ.

 結晶工学的には,結晶の対称性で32個に分類する方法があるのですが,その中で,対称

点を持たない,つまり対称性の弱い20個の結晶群がこの性質を示し,加えてこの中で電気伝

導性の無いものが特に大きくこの性質を示すそうです.

 半導体の世界ではよく知られた物理現象で,この性質を利用したデバイスもあります.

 

 このような効果が,地震とどのような関連があるのか...

地震が発生する前には,震源のプレートや地殻には大きな歪みエネルギーが溜まっているわけ

です.このプレートや地殻を構成する岩石には上述した性質を持つ結晶が多く含まれているた

め(例えば,マントル,狭義にはプレートを構成するかんらん岩系の岩石は金属元素を多く含

んだ石英系の結晶物質で構成されている),ピエゾ効果による電場がより強く形成されるので

はないか...ということです.

 この電場によって,上述した1)〜5)を説明(仮説として)できるわけです.例えば,

1)の気象現象は,上空のプラスイオン濃度に刺激を与える...2)の動物の異常行動は,

電場を敏感にキャッチするため...3)についてはぼくはよく解りませんが,3段論法的に

説明がされています.4)は電離層を刺激すること...5)は,地熱は別として,電場が形

成されれば,当然それに基づく磁場が発生する...ということです.これを見て,一方的と

思われることと思います.だからこそ,証明されたものではないわけですが,取りあえずつじ

つまが合うということは重要なことで,研究対象にはなったと見るべきでしょう.

証明されたころには,既にこれによる予知が的確に行われていた...なんてこともありうる

...かな?...


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