本当にあった恥ずかしい話　その１…

私は視力が弱い。
今ではコンタクトレンズは必需品。
ちなみにハードコンタクト。
ごみが入るとめちゃくちゃ痛い・・・そんな事は置いといて、 それは、コンタクトレンズを購入する少し前の話。

その日もいつものようにラッシュアワーのホームの上、私は電車に乗り込むので並んでた。
「降りる方を先にお通し下さい〜」とアナウンスが聞こえてくる。
はいはい、 横に避けて待ってると、降りてきた女子高生が胸のポケットから何やら落としたらしい。
探しているけど見つからない。
かわいそうにと足下に目をやれば、大事な定期券が落ちている。
私が一番近いし、気付いてるのは私だけ、拾ってあげましょ、ちょっと待っててね。
なのになかなか拾えない、う〜ん爪が折れそうって思った瞬間、 その定期券の向こうに、同じ間隔で定期券が左右に一列にきれいに並んでる・・・

「ぎゃっ！」これはもしかして、あなたはホームに引かれた白線さんではありませんか。

私はホームから必死になってむしり取る勢いで白線を拾おうとしてたのか（無理や！）
またやってしまったと、逃げるように電車に乗り込む。
今の一部始終を誰も知らない所まで奥まで入って行かなければと、これまた必死。

しかし運命は、これで許してはくれなかった。

私を同じように必死になって追いかけてくる婦人がひとり。
必死で逃げる私。
狭い電車の中すぐに追いつかれ、 満面の笑みを浮かべ婦人は「はい、落とし物」と、私に見た事も無いペンを差し出す。
見ていたのだ、見られていたんだ、取り付かれたように何かを（白線だよ！）拾う私を。
そんな親切な御婦人には悪いけど、 残るプライドやら何やらかんやら寄せ集め、つなぎ合わせて懸命に平気そうな顔を向け、

「いえ、違います」・・・

ペンは、勿論女子高生には返らず、電車は出て行く、親切な婦人とお馬鹿な私を乗せて。

あの時の婦人の 「そんなあほな」という顔は、今でも心に残っています。
みなさん本当にごめんなさい。
それからすぐにコンタクトレンズを購入した事は言うまでもありません。