◆ 幕 張 編 ◆

1. 出発 2. 前半 3. 後半



一番の収穫(?)



1. 出発

'99.10.23

断るのがヘタ、 な性格で、 周囲の人々に、 かえって迷惑をかけてしまう種類の人がいる。
少なくとも、 一人、 いる。

私、 である。

ということで、 原組のK保ッチ殿と、 茨城編で登場のM本博士という、 超異色なメンツで東京モーターショーに行くことになってしまった!!!

ご迷惑をおかけしました。 > K保っち & M本博士



M本博士が急用とのことで、 9時頃出発。 ちょっと遅かったかな、 と思いつつ田園都市線。
えーつと、 通勤コース的に行くと溝口で南武線に乗り換えて川崎、 それから東京で京葉線、 か。 でも、 そういう料金設定はなされてないなぁ。 二子玉川園まで行って東急なんたら線で大井町、 それから東京で京葉線、 ね、 はいはい。

抜けるような青空。 ちんたら電車に乗ってるよりも、 リンゴでお出かけしたほうが楽しいのは分かっちゃいるが、 首都高やら東関道やらの混み具合がよく分からんし、 待ち合わせしてる以上、 時間の読めない乗り物は避けようということで電車。
明るい日差しの射し込む車内で、 広島で撮った写真の整理などする。 それもまたよし。 なんたら線のその電車は、 小さな駅でことごとく停まりながら終点大井町へ。

京浜東北線を乗り継いで東京駅。 はぁ。 幕張も遠いが、 京葉線のホームも遠い。 どっちかっつーと、 京葉線のホームの方が遠いかも。 さっきのなんたら線ならゼッタイ一駅分ぐらいあるキョリを黙々と歩く。

京葉線はめちゃ混み。 さすがはモーターショーである。 老若男女、 みんな目指すは海浜幕張である。 ご苦労さんなことである。

これからくたくたになるであろう人々を乗せて、 まりんどりーむ号(“快速”って表記してくれんと、 分からんぞ!)、 出発。 じっと我慢の30分である。



2. 前半

10時半ごろ到着。
帰りの切符を買って、 いざ、 会場へ!! と駅を出ると、

“余ったチケットないぃ??? チケットぉ”

なななんでダフ屋がいるわけ??? しかもこんなにたくさん(駅から入り口の間に50人ぐらいいたんじゃない???)。 たかだか1000円の入場券じゃんよ。 てゆーか、 チケット余ることあるんかいな???



11時過ぎ、 K保さんと会う。

とりあえず2輪はおいといて、 と。 なぜかオートマ部品のブースでちょこっと話をしたりした後、 テーマ館もほっといて、 いきなり本丸に突入。

入ったところがシトロエンのブース。
“うちのエグザンティアも、 もてもてだよ。”
にゃはは。 そういう表現も、 ありだなぁ。

次にフェラーリのブースが目にとまる。 ・・・近づけない。
と、 裏側はMASERATIなのね。 こっちはがらがら。 なんで???
3200GTだっけ、 を間近で見ることができました。



オペル、 GMなんぞを通り過ぎて、 BMW。

ル・マンの優勝車が置いてあるではないですか。 ふーん、 きれいなクルマだねぇ。 あ、 フロントカウルの裏側、 木だ。
“裏側、 木でできてんですねぇ。”
“そういうレギュレーションなんですよ。”
とK保ッチ。 へーーー、 知らんかった。 厚みも決まってるとのこと。
知ってた???

“コクピットもきれいですよ。”
どれどれ?
“ね? さすがメーカー。”
なるほど、 確かにちゃんとまとまっている。 目のつけどころがちがうなぁ。 ほんとにクルマが好きなんだなぁ。 と変な感心をしてしまう。

そして、 今回の私の目的の一つ、 Z8は、 さすがに黒山の人だかりの中にある。 かき分けて覗く。
ターンテーブルの上でゆっくり回ってくる(ちょっとゆっくり過ぎ!)その姿は、 極めてグラマラスである。 BMWのアイデンティティ(あるいは十字架)であるブタの鼻(キドニーグリル)のデザインも上手に処理してあって、 今までのBMWのスポーツカー、 スポーティカーにあった、 無理矢理な感じがまったくない。
きれいなクルマである。



さてと、 次は、 ローバー、 MINIだー。
MG-Fに座ってみる
前々回のモーターショーでデビューじゃなかったっけ? これも欲しいと思ったよ。
でも、 ・・・ハンドルが低いねぇ。 シフトは、 ちょっとアソビがある? でもそれは個体差があるしねぇ。 え?! なにこのサイドミラーのところの棒は??? これで中から動かすんだ。 へー。

次はMINI。 乗りたいんだけど、 ロックされてた。 残念。



そしてクライスラー。
前回は、 プリマスプローラーという超目玉グルマを持ってきてくれて、 “日本でも売るのか???” と期待したんだけどね。 結局アメリカでもプレミア価格がつくほどだったとか。 (ハーレーのショップの柴崎なんたらとかいう人が日本のナンバー付けて雑誌に載ってて、 かなりびっくりした。 650万円かぁ。 ・・・・・・正規輸入されてもとてもじゃないが買えんなぁ・・・。)

で、 今回はもっと庶民的なP/Tクルーザーである。 ネオンベースということで、 K保さんはすっかり興味ゼロであったが、 このクルマ、 いいと思うなぁ。 何がいいかというと、 デザインである。 それだけ。
でも、 それでもすごいと思うよ。 ASTROとかを一生懸命真似てる日本メーカーではゼッタイ生み出せないデザインである。 そこがなんとも小気味よいのである。



Audi。 雑誌で見て、 変なのー、 と思ってたTTクーペとTTロードスター。
実物はかなりかっこよかった。

Fordグループのジャガー、 アストンマーチンなど。
ここで気づいたのであるが、 なんか、 ジャガーもアストンもデザイン似てません??? さらには、 マセラティの3200GT(だっけ?)やフェラーリのマラネロあたりとも、 顔つきが似てるような気がしてなりません。 超高級GTってことで、 同じようになっちゃうのかなぁ。



わんさか人がたかってる三菱のブースはまったく無視して、 われらがMAZDAのブースへ。

FDのドアはロックされてたけど、 NBは若いカップルとかに取り囲まれてるではないか。
“リンゴちゃんも、 もてもてじゃないっすか。”
ほんとだよ。 うちの子もここに持ってくれば、 結構注目されるのね。 へへ。
RX-EVOLVには近づけない。 と、 ショーが始まった。
かなり恥ずかしい部類のショーである。 見てるこっちが赤面しちゃうほどである。 でもまぁ、 お題目をキャンギャルのお姉ちゃんに唱えさせるショーと違って、 いい感じだと思う。


ちなみに私は、 コンセプトカーというものは、 絵空事、 だと思っている。 '89、 間が開いて、 '95、 '97とモーターショーを見てきて今回が4回目。 さまざまなコンセプトカーを見せられてきたが、 実現したものなんて、 ないじゃん。
ということで、 RX-EVOLVに関しても、 「ロータリーエンジンの4ドアセダンを出しますよ。」ぐらいに割り引いている。
だいたい、 あんなデザインで出てくるわけないし、 エンジンフードの開閉の仕方も実際的じゃない。 観音開きもどうだろう。 てゆーか、 ドアの開き方(一旦引き出してから開く感じ)も、 凝ってはいるだけに「どうせショー用でしょ??」って思わせるに十分。 IDカードだかなんだかも、 いかにも「21世紀」っぽくてうそ臭い。 NAで280馬力のうたい文句も、 「言うのはタダ」だしね。
カジュアルないでたちで無言でショーを繰り広げていたお二人さんとのマッチングもいまいちだったし。
唯一現実的だったのは、 リアのコンビネーションランプぐらいか。


とまぁ、 ここまでけなせば、 逆ギレして作ってくれたりしないかなぁ。

てゆーか、 「ロータリーの4ドアセダン」なんて、 私は欲しくもなんともないんだよね。 ピュアスポーツが身上のRX-7の後継機種がどうなるかに興味があるんだけどなぁ。 FDのデザインも性能も大好きなだけにね(乗ったことないけど)。



MAZDAの2階からランボルギーニを眺めてから、 スズキのブースへ。
2シーターオープンのコンセプトカーを飾っている。
“カプチーノが忘れられないんだろうなぁ。”というK保さんの言葉が印象的であった。 C2ってコンセプトカーも過去にあったしね。 そういう、 “採算とか度外視していいんだったら今すぐにでも作りまっせ”っていう技術者の心意気みたいなもんが見え隠れしてて、 面白いクルマだなと思った。

スズキの技術者の皆さん、 会社を説得して、 素敵なオープンカーを“また”作ってくださいな。



ここで、 お昼にする。 実は金欠だったりしたのだが、 ビールなんぞをかっ食らう。

どえりゃあうみゃあでかんわ。

広島の写真の焼き増しなんぞをK保さんに渡しつつ(現像代等は組長にお払いください、 って私もだった)、 カレーをかっ込む。

いい天気。



富士重工、 日産と特筆することもなく来て(だって、 つまんなかったんだもん)、 ホンダ。

K保さんのお目当て、 “不夜城”の登場である。

まぁ、 迫力のあるショーだこと。 おねーちゃんが元気にせりふを暗唱していく。 耳障りなほどの大声。 そして、 現実味のないコンセプトカー達。

“ホンダはクルマが好きだから・・”

じゃあ、 ビートをなんで製造中止にしたのさぁ??
で、 今度は不夜城かいな。 作ったら売れるだろうなぁ。 実際作って、 売ればいいのに。 売って売って売りたおせば???、 その品のないクルマを、 下品なホンダさん。



思わぬ収穫に嬉しくなっちゃったブースがある。 ダイハツである。
KOPEN
かわいくって、 かっこよくって、 是非市販してほしい。 バリオルーフ系のクルマが何台か出展されていたが、 デザイン的にはダントツの完成度である。 開けてよし、 閉めてよし、 なのである。

運輸省にもちゃんと届けるんだよ。 リーザ・スパイダーの轍を踏まないでね。



トヨタ。
MR-S

座る順番を待つ。 前のおねーちゃんが、 いかにも下りにくそうにしてる。 こんな車高のクルマなんて、 乗ったことないんだろな、 って感じ。
さて、 ワタシの番だ、 ドアを開けて颯爽と乗り込む・・・つもりが、 サイドシルにけつまずいてしまう!!
ををっ、 リンゴよりもサイドシルが高いとは!!!
ミッドシップということでセンタートンネルがないぶん、 こういうところで剛性を高めてるわけね。
結構、 沈み込むシートじゃないですこと?
ポジションをあわせてハンドルを握る。 あー、 チルト付きだぁ。 さすがトヨタ。
ダッシュボード上のふたに目がとまる。 げ、 ださすぎ。 RVじゃないんだから、 そんなところに収納ポケット付けるなよな。
3連メーターも、 ビートっぽい。 傾斜したウィンドウや未来指向に振ったデザインもビートっぽいよなぁ。 もっとも、 ビートの方がよっぽど洗練されてたが。
しかし、 ドアにもファブリックが貼ってあるよ。 どこぞのオープンカーとはえらい違いやで。

でもなぁ、 なんでそういうデザインなのかねぇ。 乗用車的なエアコン吹き出し口もいやだし、 変に未来的なデザインが、 どうもちゃらい印象を与えてしまっているように思える。 アルテッツァ以来の、 “軽い”ノリなデザインに、 末永く大事に乗れるロードスターを造るMAZDAとトヨタの違いを感じるのであった。



その後、 パーツ関係のブースへ。 あ、 EVOLVのシートじゃん。 MAZDA関係の会社かぁ。 メッシュ素材?? ふーん。
“どうぞ座ってみてください”
あ、 どもども。
ちょこっと話をしてみる。 ぴんぴんに張れば鉄より硬くなる素材で、 車検にも対応するのだそうな。 耐用年数を聞いておけばよかった。

その後、 タイヤとかを見て回って・・・。



今回、 恐らく注目度ナンバー1と思われるクルマ、 SLRにご対面。

・・・・・・すごすぎ。 乗れません。 なんか、 飾っとくクルマって感じがする。 日本で発売されれば、 おそらく、 “カタギ”じゃない人々がご購入遊ばされるのであろうが、 およそ似合わないだろうな。 これこそ、 “美人のねーちゃんに無視されてる”って感じになるんじゃなかろうか。



そして今回、 ウチワで注目度ナンバー1のクルマ、 ルノー・スポールにご対面。

・・・・・・すごい完成度。
ルーテシアを切った貼ったして作り替えたとは思えない完成度である。 まったく別のクルマと言えるものなのに、 ちゃんと面影は残っている。 これはみんな騒ぐはずである。

しかし、 リアのホイール、 フェンダーからはみ出してるんすけど・・・。(→写真)



これで、 4輪ブースは全部見たことになる。
疲れた。 その後、 ミッション関係のブースを見て、 K保さんはお帰りになる。
お疲れ様でした。



3. 後半

先ほど到着し、 一人で見学に出掛けたM本博士と合流。

テーマ館で、 “なつかP!!!”を連発した後、 2輪ホールへ。

いろいろまたがる。
欲しいバイクは、
  1. ハーレー・FLSTF
  2. BMW・R1200C
  3. ドカ・996とM900
などである(順不同)。 欲しいなー。



4. 遭遇

18:45。

もう帰りましょうか、 ということでM本博士とともに北ホールから出た。 のだが、

“あ!!!”
“どないしたん???”
“バイク関係のパンフもらうの忘れてた。”

ということで、 取りに戻る。 ホンダはもらったしぃ、 ヤマハのももらってぇ、 スズキ、 “下さいぃ”、 どもども、 カワサキももらってと、 BMWとかは貰ったから、 あとはDUCATIだけど、 くれるんかいな、 あれ???

見覚えのある後ろ姿

ドレスアップなされてて、 見たこともないよそおいではあるものの、 なぜか分かってしまう。
組長である。

持っていたカワサキのパンフをくるくると丸めて静かに接近する。

ぽこっ

“?”

って表情。 “ハトが豆鉄砲を食らったような表情”、 そのもの。 にゃはは。 おもしろすぎ。

しかしまぁ、 このだだっぴろい幕張メッセでこんだけの人出でよくまぁ出くわしたもんである。
M本博士を連れてきてご紹介。

“いつもお世話・・してます。”
“いつもお世話、 してました。”

ってな、 めちゃめちゃな挨拶をされる私って一体・・・。

と、 19時。 クルマでご来場の組長達を残してM本博士と海浜幕張へ。
中野の親戚宅にお泊まりのM本博士のご提案により、 新宿で夜飯にする。 お好み焼き。



しかしまぁ、 どうなることかと思った今回のモーターショー見物であったが、 終わってみれば、 K保さんの解説つきで、 のんべんだらりと見て回ってた従来よりも濃度の高いものになったし、 お馬鹿バナシの出来るM本博士とツルむこともできたし、 組長と遭遇っていうハプニング(?)もあったし、 充実の一日であった。

みなさん、 ありがとうございました。

しかしまぁ、 疲れた、 疲れた。

何がイチバン疲れたかといって、 このレポートを書くことがイチバン疲れたわい。

お読みになった方も、 お疲れのことでしょう。

よくやるよ。 あ、 いえいえ、 ご愛読、 感謝です。


では、 また、 来年。





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