◆ 「 韓 国 に 出 張 」 の 巻 ◆

1. 韓国へ 2. 韓国にて 3. 韓国にて(2) 4. 日本へ 5. 日本にて



1. 韓国へ

'00.03.末。

エルグランド小川氏の要請(?)により、 氏とともに韓国へ出張することに。
出発は、 '00.04.12。 旅券ができあがるのが、 '00.04.10。 川崎市民であるから神奈川県の旅券センター(@関内)に行かねばならぬのであるが、 我が身は沼津に出張中。
ええい、 ややこしい!!




'00.04.12

午前2時に就寝、 午前5時半に起床。 もう、 バタバタ!!

NEX乗り場で小川氏と待ちあわせ。 直前の予約だったため、 私は立ち席。 とほほ。

何年ぶりかの成田“空港”。 と思ったら、 これ、 第2ターミナルとかいうところ。 学生時分、 欧州旅行に行ったときは、 “北ウィングと南ウィングを間違えないように”、 ってレベルだったのに、 今や第1ターミナルと第2ターミナルなのね。 おぢさん、 全然知らなかったよ。

JAL951便。
離陸。
この離陸の瞬間が、 何度乗ってもたまらない。 飛行機での旅の醍醐味の半分は、 離陸にあると言っても過言ではないというのは過言かもしれんが、 好きだねぇ。 “行っけぇ〜っ!”ってチカラ入っちゃうのだ。

この日は移動日ということもあり、 機内ではワインなんぞ頂いたりする。
小川氏は2本をぺろり。

着陸。
両手で足りるほどの飛行回数ではあるものの、 その中でサイアクの着陸であった。 ヘタ過ぎ。 JALって、 こんなもんだったっけ???

ま、 落ちずに着いただけましか。 ← けちょんけちょん



2. 韓国にて

'00.04.12
14:00(ぐらい)

入国審査もなんなく済ませ、 やってきました韓国は金浦国際空港。
ひゃっはっは、 のっけから"○"だの"|"だの"ス"だの"ト"だの、 わけわかな看板が氾濫。 うひひ、 来たねぇ。

空港からバスで宿泊地の水原(Suwon)へ。 そこそこ有名な街らしい。 水原城とかある(行ってないけど)。
え? 世界遺産、 なの?



今回はカイシャのお金で出張で来たのであるから、 業務遂行が第一なのは言うまでもないことではあるが、 せっかくの海外、 韓国、 なわけだから、 大いに楽しんじゃいましょう! ということで、 バスも窓際。 車窓を眺める。
  1. どうも景色が“砂”っぽい。 路肩とか、 黄色い砂がたまっている。 雑草の緑がないから? 黄砂(降砂?)によるもの?
  2. 日本車って、 ほとんど見かけないねぇ。 2世代前のマークUのタクシーを見たぐらい。 韓国出張経験ありの小川氏曰く、 「なんちゃってセルシオ」や「なんちゃってパジェロ」などがあるよ、 とのこと。 OEM??
  3. 片側3車線、 併せて両側で6車線とかいう道路、 のわりには、 中央分離帯がまったくない。 一朝事あれば戦車や装甲車が走れるように、 ということであろうか。 あるいは軍用機の離着陸用??
  4. ハンドルカバー(?)みたいなものを装着しているクルマが多い。 イボイボのカバーで手のひらのツボを刺激しつつ運転をするのだろうか? また、 ハンドルにくるくる回る取っ手を付けているクルマも多い(特にタクシー)。 携帯電話が日本並みに普及しているみたいなので、 片手運転でも支障なくUターンとか出来るように、 ということなのであろうか?
    合理的、 とも考えられなくもないが、 うちのリンゴには付けたくないなあ。
途中の街(安養だと思う)で停車、 ここで運賃を徴収(5000W=500Yen)。
レシートに書かれているSuwonという文字とその上に大き目に書かれたハングルを見比べる。 先日買ったガイドブックの後ろの方に載っていたハングルの表(この時点ではうろ覚え)によると、 子音となる部位+母音となる部位(+子音となる部位または母音となる部位あるいは両方などなど)によって1つ(てゆーか2つ以下)の音を表す文字が作られているとのこと。
それなりに解読してみる。
SuwonのSuは、 "人"という部位と"T"という部位が上下になって形成されておるようだ。 ということは、 "人"というのが"S"の発音を表し、 "T"というのが"U"の発音じゃな。
ふむふむ。 他にはぁ???
金浦(Kimpo)のKimは、 "フ"と"|"が左右に並び、 その下に"口"という部位がある。 ってことは、 "フ"が"K"で、 "|"が"I"で、 "口"が"M"なのね。
うひひ、 なんとなく分かりかけてきたぞい。

などと遊んでる横で、 小川氏は、 2本のワインと下手っぴなフライトとびょんびょん揺れるバスにより、 すっかりへろへろになってしまわれていたのであった。

飛行中の飲酒は、 ほどほどにしておきましょうね。



3. 韓国にて(2)

ホテル(キャッスル)にチェックイン。 まだまだ日は高い。 前にも来たことのある小川氏とぷらぷら出歩いてみることにする。

  1. 若い人の服装に、 "時代遅れ"な感じは見受けられない。 ちょっと前に日本で流行っていたものを取り入れているわけではない。
  2. ということで、 厚底ブーツやルーズソックス、 ガン黒の類いはいない。
  3. てゆーか、 独自のファッションがあるようである。
  4. 女の子のジーパンの股上が異様に短い。 ほんっと、 腰で履くって感じ?
  5. ジーパンの裾の左右を切るという独自の処理を施すことにより、 地面に着くまでの長さとスリム系のパンツなのにブーツカットのようなストレート感を生み出している(ほんまかいな)。
  6. また、 先のとがった魔女っぽい(?)靴も流行っている。 こんな感じ(→)(ちょっと違うけど)。
  7. いずれにせよ、 日本とは異なる韓国独自の若者文化(おやじくさい表現)が育っているようである。
  8. とはいえ、 D.D.R(ダンレボとも)は大流行である。 D.D.R(のバッタモン)だけをフロアに並べたゲーセンもあるぐらい。
  9. 髪はさらさらでストレートでロングが主流。 赤系に染めたりする人もいる。 男性は、 短髪。 学生と思しき、 金髪(脱色)もみかけたけど、 ま、 たいがいきれいに刈り込まれている。 この辺は、 昔の散髪屋さんに掲げられていた写真のような感じ。

近所のロッテリアでプルコギバーガーをTake out。
韓国語でなんとかかんとかって問われて、 ちょっとうろたえる。 台湾で3ヶ月暮らした小川氏は堂々としたもので、 “え、 あぁ、 テイクアウト”
“?”
“注文したら、 次に聞かれるのは、 「こちらでお召し上がりになりますか?それともテイクアウトなさいますか?」に決まってるじゃん。 これはニッポンでもどこの国でも一緒、 一緒。”
なるほどね。

英語は通じないねえ。 ま、 日本で英語が通じるかというと、 どうだろう。 そういう意味では、 どっこいどっこいじゃないのかね。

夜、 現地駐在社員の方々とホテルの近くの焼き肉屋さんへ。
感想:うまかった。

てゆーか、 他に書きようがないっちゅーの。 辛いけどおいしい、 のではあるが、 いわゆる“激辛”ではないところが本場っぽくてグー。 日本の“痛い”だけのチープな辛さとは違います。




'00.04.13よりシゴト。
ホテルから仕事場(@ Kihung)までタクシーで。
黒塗りタクシーは1ランク上で、 車種も、 どう見てもデボネアっぽかったり、 要するにそのクラスなわけである。
  1. KIAのEnterprise
  2. Dynasty
  3. Equuzとかなんとか
Equuzとかいう奴には乗ってないけど、 どれもこれも乗り心地は最高。 リンゴの足周りやシートとは段違いである。 音もめちゃ静か。 踏んでも全然うるさくない。 ここらへんも、 リンゴちゃんにはかなわないところ。
グッドである。
環境エンジンや衝突安全性などの最新技術に関して、 韓国の自動車メーカーがどのレベルにあるのかはわかんないけど、 走る、 曲がる、 止まる、 という点のみを見れば、 いいクルマ、 たくさんあります。

職場はでっかい半導体工場の1部署である。 工場内の一隅になぜかD.D.Rのバッタモンが設置してあったりする。 でもって、 朝から踊ってる連中がいたりする。 パワフルである。

工場の食堂のご飯もベリーベリーグッドであった。 やはり唐辛子系ぴり辛料理っぽかったりする。 ここのカクトゥギ(大根角切りキムチ)のファンになってしまった。




一日のシゴトが終わり、 再び街へ。
クルマは多いが、 車種は少ないかも。
  1. ナンバープレートのサイズは日本とたぶん一緒。 地名(だと思う)、 かな一文字、 そして数字、 という構成も日本と一緒。
  2. 当然、 右側通行。 ドライバーズシートは左側である。
  3. セダンタイプのランティスっぽい顔のセダンがおそらくカローラ的存在なのであろう、 けっこうな数が出ていた(しかも、 白)。
  4. メルセデスのAクラスのシルエットをぱくってもう二回りほど小さくした小型ワゴン(?)も結構見かけた。 ファニーフェイスで赤や金茶が似合う、 可愛いクルマ。 Vitzほどの完成度がない分だけ、 より愛敬があってよろしい。
  5. ミニバンもある。 デザイン的には、 「古臭いなぁ」という感じは一切しない。 dionやStepWGNよりも凝った顔つきだったりする。
  6. スポーティと言える車種は一つだけ。 先代セリカをマツダが作ってマツスピがいじったらこうなるのでは? という感じの見た目のクーペ。 赤色が結構似合ってた。
  7. ハッチバック系では、 ローバー100だっけ?のようなカタチのシビック、 ファミリアサイズのものが走っていた。
  8. RV系では、 SUVよりもクロカン・ジープ系。 カンガルーバーだけでなく、 リアガードバーまで付けてたりする。
たった一台だけ、 カブリオレ(たぶん、 何代か前のゴルフ)を見かけたが、 ロードスター(と呼ばれるクルマ)にはお目にかかれなかった(でも、 韓国版S2000のTVコマーシャルはやっている。 Vortexとかいう名前で出ている。 CaltexとかCartexとかいうカイシャのCMである。 本田の韓国チャネル(韓国版アキュラ)なのかな。)。




韓国の夜は、 長い。 てゆーか、 遅い???

8時や9時ではお店が閉まらないのだ。 本屋さんだって10時まわっても開いている。 これはありがたい。 ホテル周辺からなんたら大学近辺までの本屋をほぼ全部見てまわれた。
  1. 日本の漫画(の翻訳版)が氾濫している。
  2. 思わずポケモンを買ってしまった。
  3. Linux Magazineなんてのもあったりする。
  4. 当然、 エクセルの解説書みたいなものもある。
  5. New Typeもある。
  6. てことで、 日本の雑誌の韓国語版ってのがけっこうあった。
  7. 辞書の数やコーナーの大きさから判断して、 英語教育は重点的になされているようだ(でもしゃべれないってあたり、 日本と似てるなあ)。
  8. 日韓・韓日辞典もあり(メトロってのが1900円ぐらいでコンパクトでグー)。




4. 日本へ

'00.04.14。
シゴトの都合で15日の帰国は無理。 もう一日韓国にいることにするとともに、 帰りの飛行機の予約ということで、 小川氏がJALにTEL。
“明後日の便を予約したいんですけど・・・(以下、 略)・・・はい、 お願いしますぅ。”
“取れた??”
“取れた、 取れた。”

で、 '00.04.15。
一応、 リコンファームということで、 お昼ご飯の後、 小川氏がもう一度JALにTEL。
小川氏、 浮かない顔で電話を切る。
???
“俺、 「明後日」って言ったよねぇ?”
“うん、 どしたん?”
“予約、 今日になってた。”
“はぁ??? じゃあ、 今ごろもう飛んでるってこと??”
“そういうこと。”

やってくれるぜ、 JAL。




で、 16日の分は満席だと言ってのけるし、 鶴丸航空ってば、 親方日の丸あぐらかきまくり状態だねぇ。

てことで、 他の航空会社でいいとこあるか検討。 Asiana航空のサービスがもっともよいだろうということになりTEL。 空いてる。 じゃ、 そゆことで。




'00.04.16。 5時半起きで出発。
ソウルで買った免税品(お土産)を引き取り、 搭乗手続き。 差額0でJALのエコノミーからOZのビジネスクラスへ。
いいの???
ま、 いっか。
お買い物をたったと済ませて出国、 たったとVIP用ラウンジに。
ソファに沈み込んでワインをくぴくぴ。 うーむ、 おやじ的世界。
“こんなことならファーストにしときゃよかったかな”とは小川氏の弁。 にゃはは。

出発30分前。
そろそろ行きまっか、 てことで機に乗り込む。 エコノミーな庶民(?)どもの行列をまったく無視してずかずかと機内へ。
“2階へどぢょ。”(韓国語には、 日本語の“ザジズゼゾ”に当たる発音はないのだそうな(その代わり、 日本人にはゼッタイできない発音(あいまい母音系)とかがあったりして、 どっこいどっこい?って感じ?))
“をー、 2階だよー”

“コクピット、 見してもらう?”
“(え?あぁ、 確かにドア、 開いてるけど)いいのかなぁ?”
“(フライトアテンダントに)すみません、 コクピット見学させてもらえますかぁ?”
“ちょっとだけなら”

小川氏のイケイケドンドンなノリでコクピットを見せてもらうことに。

スイッチの類いは、 ちょっと前のオシロスコープやらロジアナのような感じ。 でも、 ディスプレイは明るくて、 ブラウン管というより液晶っぽい鮮明さである。 オプティトロンって感じ。
副操縦士のお方:"Can you speak English?"
私:"Yes, a little."
それからいろいろお伺いする。
  1. 操縦席の後ろに2脚、 椅子があるのであるが、 これらはオブザーバー用、 あるいは、 長距離飛行時(ソウル→ロスアンジェルスとか)の交代要員用であるとのこと。
  2. 天井に散りばめられているスイッチっぽいものはブレーカー(ヒューズ)であり、 各種設定のリセット時などに使われるとのこと。
  3. 燃料、 ドアの開閉具合、 ランディングギア、 車輪のブレーキ圧等は一つのディスプレイにボタン一つで切り替えて表示されること。
  4. 飛行ルートなどの情報もインプットされていること。
  5. 飛行の目印となるビーコンにはユニークな名前が与えられていること、 また、 それらの名前は実際の地名とは無関係であったりすること。
などを教えてもらう。 いやー、 とにかく、 気さくで親切なお二人でした。 川崎の市バスの運ちゃんなんかより、 よっぽど親しみやすかったです。 Asiana航空の株価(鈴木的価格だけど)がぐーんと上昇したのは言うまでもない(Asiana航空の存在を、 昨日まで知らなかったくせに)。

その後、 着席してシャンパンもらって上機嫌。 シートもめちゃ広いし極楽極楽。

そして離陸。 わくわく。
離陸前から寝てた小川氏が気づかないぐらいスムーズな離陸であった。 行きのJALなんかもそうであったが、 地上から離れる際にランディングギアにかかる荷重が抜けるせいか、 たいがい、 “ダダンッ!”ってな揺れと音があるものであるが、 いたってマイルド。 その後の上昇も安定してたし、 急激な上昇による鼓膜の痛みもなかったし、 超いい感じであった。

機内食もグッド。 “おいち”でしたのだ。

水原上空を通過した後、 ほぼ東(?)に進み、 日本海に。 その後、 ちょい南に進路を変えて、 山陰か福井のあたりから日本上空、 名古屋上空あたりから太平洋側へ抜けて、 三保、 そして大原のビーコンを通過後、 成田へ。

快適の前に“超”が付くフライトであった。



5. 日本にて

着陸もマイルド。
キャプテンとコ・パイロット(というのだっけ?)は親切なだけじゃなかったわけである。
Good Job!

NEXで東京駅。
三島な小川氏とはここでお別れ。 私は八重洲ブックセンターへ。

モンゴロイドな顔でごった返す東京駅を闊歩していると、 とどのつまり、 東京もソウルも一緒かも、 と思えてきたりする。
遠くの会話がホントに日本語なのか、 なぜか自信がなくなっている。 騒音にかき消されるその言葉は、 聴きようによっては韓国語のようにも思える。

夕べは降ったのか、 道路も空気もしっとりとしている。 韓国の砂っぽさは、 日本にはやはりない。
重い荷物と痛いRed Wingに悩まされながらも到着。
えーっと、 6階、 と。
語学コーナー、 語学コーナー、 あ、 ここね、 えーっと、 あった、 あった、 韓国語コーナー。 ・・・中国語コーナーに押されてるねぇ。 しかも、 下からはモンゴル語やらタイ語、 フィリピン語、 ハワイ語なんてものにまで攻め入られている。

てゆーか、 韓国語のほかに朝鮮語ってのもあるんすか??? まぁ、 日本にも、 ぷれすてーじな京言葉とすたんだーどな標準語があるわけだし。 CelsiorとVitzみたいなもんか?

しっかし、 会話集とか指差し用の本とか、 およそ語「学」と呼べるものじゃないじゃん。
私としては、 しゃべれる/しゃべれない、 聞き取れる/聞き取れない、 ってのは二の次で、
韓国語の文法(構造、 仕組み)が知りたい
という、 それだけなのだ。 で、 その願望に適いそうな本があったので購入。 次の韓国出張までに、 基本的な文法は押さえておきたいものである。




地下鉄の有楽町駅まで歩いて有楽町線で永田町、 半蔵門線に乗り換えて一路宮崎台へ。

ついうとうとしてしまい、 気がついた時には「宮前平」駅を出発するところであった(寝過ぎ)。 鷺沼で折り返してやっとこさ宮崎台に到着。

改札を出て、 ほっと一息ついて視線を上げると・・・

そこには、 みずみずしいケヤキの緑色があった。

鮮やかな新緑に思わず心が休まるっちゅーことは、 やっぱり私は、 (言うまでもないが、 政治的な意味ではなく、 地理的な意味で)この国の人間なんだなあなどと思ったりして。





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