◆  韓 国 雑 想  ◆

1. はじめに 2. ハングル 3. 韓国語 4. ルーツ 5. クルマ
6. おわりに



1. はじめに

'00.04.23

初の海外出張(韓国)から帰ってきて1週間。
ぼんやりと考えたことをまとめておく。

2. ハングル

読めない文字ほどきついものはない。
フランス語もドイツ語も、 わかんないけど、 アルファベットだから読めなくはない。 だから、 特に気になることはない。

ところが。
ハングルだけは、 そうはいかない。 まず、 読めないのだ。 文字として目から入力されているにも関わらず、 言語中枢(?)にインストールされている辞書には載ってないのである。 これは、 こたえる。 一日も経たないうちに、 くらくらしてくるのである。 「せめて漢字を使ってくれればなぁ」などと口走ってしまったりする。 先日買った「まんがハングル入門」によると、 この状態のことを「ハングル酔い」というのだそうな。

さて、 どうするか。
私の選んだ方法は、
「ハングルを覚えてしまう」
というものであった。

出張先のホテルに到着、 部屋に入るとすぐガイドブックの後ろを開き、 ひたすらハングル表を眺める。

ハングル表は、 14×10のマトリックスと複合形母音で構成されているが、 さらに子音が組み合わされたりすることを考えると、 150個の「文字」を覚えたって仕方がない。 ここは、 14個の子音と10個の母音を覚えることに専念する。

1時間もにらめっこしてれば、 なんとかアタマに入るものである。
そしたら、 お散歩にれっつごーである。

さっきまでさっぱり分からなかった看板が、 読めるようになっているではないか(もちろん、 時間がかかるし、 意味までは分からないが)。

これは、 面白い。 字を習い始めた子供とおんなじである。 看板を見つけては、 片っ端からぶつぶつ読むわけである。 で、 読めれば、 一人、 にやにやしてしまうのである。


アブナイ人と言われようと、 この楽しさは譲れないね。



3. 韓国語

学生の頃、 地元(京都の片田舎)で塾の講師のバイトをやってたことがある。
で、
「英語をしゃべれるようになるためには、 まず標準語からや!」
とかいって、 標準語で授業をやって、 関西弁丸出しの中学生達から、
「せんせー、 きしょいー!」
と言われたことがある。

でも、 外国語習得のためのアプローチとしては、 間違ってないと思うのだが、 どうだろう。
関西弁と標準語の間の相違は、 主にイントネーションにある。 単語や助詞等にも相違が見受けられるが、 さほど大きな障害ではない。 つまり、 イントネーションを変えるぐらいのことが出来ないようでは、 発音から単語から文法に至るまでまったく異なる英語という言語をしゃべれるようになるはずがない、 と言いたかったわけである。
荒唐無稽、 というわけでもないのでは?


そして、 韓国語である。
ちょろっと勉強したところ、 文法はかなり似ている。 エリート韓国人さん達の多くが日本語ぺらぺらというのも、 分からなくもない。

発音も単語もまったく違うけど、 文法は似たようなものである韓国語って、 本気出せば英語よりも早くマスターできる言語なのかも。


試しにいっちょやってみっか。



4. ルーツ

「日本人のルーツは、 実のところよく分かっていません」、 と習ったのは、 高校の頃だったか。
その頃は、 「不思議な民族なんやなぁ」、 ぐらいにしか思ってなかったのであるが、 今は違う。

ちょこっと韓国語の「いろは」を勉強すれば、 文法が日本語とよく似ていることが分かるのである。
日本人も韓国人(と朝鮮人)もウラル・アルタイ語族とかいうのに属するらしいのであるが、 中国大陸から朝鮮半島経由で日本列島に流れついてきた、 ということを考えれば、 韓国語が日本語の親か、 もしくは共通の親を持つ兄弟みたいなもんであると分かるのに、 なんで「ルーツは分からない」ってことになるのだろう。
と考えて、 思い至ったことが一つ。
「学問が真実とは限らない」
ということ。
特に歴史なんかは、 時の権力者の影響を強く受けるものであるし、 それを思うと、 人類学というか、 日本人論というのは、 できればあやふやにしておきたいものなのかもしれない。



5. クルマ

ここでハナシがぽんと飛ぶが、 クルマについて、 である。

韓国の黒塗りタクシーの乗り心地は、 絶品であった。 街行くクルマ達のデザインも、 日本車に一歩もひけを取らないものである。
これでもし値段が安ければ、 私なら買っちゃうだろな、 と思って、 おや???
韓国のクルマって、 日本で見ないよなぁ。

クルマのよさは、 乗って確認済みである。 値段だって、 絶対安いはずである。 普通のセダンの価格ぐらいでシーマ級の車格が得られるのでは、 と思う。 じゃあ、 日本でもっと走っててもいいのに。

日本車は、 安くてしかも良い、 という評判を日本人自身、 信じちゃってるのかも。
そして、 日本車と同じくらい良くて、 日本車よりも安く手に入る車の存在を知らないのかも。
そしてそこには、 日本自動車産業界の企み、 みたいなものがあるのかも。
韓国のクルマが日本に入ってくれば(くることができれば)、 日本車は、 きっともっと安くなると思うのだが。
AirDoの参入がJALとかANAとかの航空券を軒並み安くしたように。



6. おわりに

韓国は、 2国間の歴史的ないきさつから、 あまり行きたいと思わなかった国であった。
今回訪れて、 結構はまりそうな感じ。
韓国に行くことで、 韓国だけでなく日本という国をより深く知ることができるかも。

お得である。





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