イタリア日記
〜 Roman Workingday 〜

2005/Jun/09

ローマ(14日目)


朝食抜き。
だらだらしてちゃいかんよ。



大枠合意から詳細スケジュールを立て、 情報を集め、 なんとか打ち上げに成功、 軌道に乗りかけたところでの計画凍結。

よくあることだし、 クサるつもりはさらさらないが、 軌道目指して飛んでたロケットをさぁ、 どうすんの? 花火じゃないんだから、 派手に散って終わりってわけにはいかないし、 まぁ、 なんとか軟着陸させるしかないんだろうなぁ。
滞在期間中に結果を出すのは無理な状況となった今、 新たに目指すべき軌道を示すほかなかろう。

ということで、 残務整理。 日伊のパラメータ比較結果を整理。
そして黙々と詳細情報集め。 日伊のパフォーマンス状況を詳細に比較のためのデータ集め。



とはいえ、 糸の切れた風船な感じ。
客先オフィスの玄関で一服。

空が高いなぁ。
もう秋かぁ。
いやいや、 初夏。

なんだかんだ言っても、 あと一週間かぁ。
結果の出しようがなくなっちゃったからなぁ。
どーすっかなぁ。



ランチ、 と誘われて、 いつものメンバー。
P氏、 S嬢、 R氏、 PZ氏、 あと2人、 とわらわ。

名前のわからん兄ちゃん(仮にデュークフリートと呼称する)が、 たどたどしい英語で相手してくれる。
「今映画館でスチームボーイやってるんやけど」
「いやぁ見てへんけど、 クォリティは高いはず。」

「そうそう、 昨日話してた弓道のハナシ」
彼は弓道に興味があって、
「おれのマスターはナンブ道のなんぶなんたらや」
なんだそうな。
「だいたい300ユーロで一式揃うみたいよ」
「んまぁ、 いいんちゃう」
「高校生とかが部活でやってるしね」

いつもの高台のリストランテ。 無難にトマトソースのパイプなパスタ。
食べ終わってからも皆様はイタ語でご歓談。 うーん、 手持ち無沙汰なひと時。
ぼんやり横顔を眺める。
みんな、 ひげ濃いぃよなぁ。 ホリが深いから、 無精ひげも似合うよなぁ。
こないだの連休で日焼けしたりしてるから、 剃ったあとも青々と目立ったりしないんだなぁ。



別のカフェへ行くみちすがらも、 無精ひげのデュークフリート氏が寄ってくる。
「日本の国技は野球?」
「相撲」
「あースモォ、 スポーツ専門チャンネルで見てるよ。 今、 最強のスモウファイターは誰? ハワイの・・?」
「いや、 今はモンゴリアンだよ」
「ハワイのは誰だっけ?」
「あけぼの?」
「アケボォノ!」
合点がいったらしい。



カフェでも、
「学校ではどんなスポーツすんの?」
「サッカーとかバスケとかバレーとか、 あ、 柔道もやったなぁ」
「ジュードー!」
「柔道とかは、 礼儀とかメンタリティとかを養うためにやらすんだよ」
「子供ができたらそーゆー系のマーシャルアーツをやらせようと思ってる」
それもよかろう。



帰りのクルマの中でも、 彼の日本バナシは続く。
「25歳〜35歳ぐらいの年代は、 日本のTV番組で育ったんだよ」
へー。
「アニメもやってたし、 プロレス番組もやってた」
は?
「アントニオイノキ、 タツミフジナァミ、 バァバ」
おーすげー。
「アンドレザジャイアント、 ハルクホーガン」
懐かP!

「アナウンスも覚えてるよ。
 アントニオーーーーーーー、
 イノーーーーーキーーーーーーーーッ!、
 てね。」

イタ語の発音は、 カタカナ読みで結構いける。 歯と歯の間に舌を入れたりする発音はない。 ちょい巻き舌系があるが、 関西人なら問題なく発音できる。
ということは、 イタリア人も日本語の発音に対する素養があるということ。
彼のイノキコールは、 カンペキ。

イノキ氏と改称するか。



午後もちんたら。
客も寄ってこない。
つか、 客、 なにやってんだろ。

17:30過ぎ、 自社オフィスに戻るか。 客先オフィスと自社オフィスの真中にある広場は、 この時間帯になると犬の散歩に使用される。
テリアと、 よちよち歩き卒業したての子供を連れたお母さん。
どないしとるかのぉ。

メール・・・、 特に来てない。
ネット・・・、 カキコもブログの更新もされてない。

つまらん。

帰るか。
「ちゃおー」
「ぼなせらー」



部屋でうだうだ。
TVをつける。
MTV、 つまらんなぁ。 JSTV、 おっ!

ふゆそな。

フランス留学とな? こりゃあ最終回じゃございませんかぃ?
結局最後まで見てしまう。
ぺこっぱ。



今夜のディナーは、 シェフお奨めのパスタにしましょうか。
チーズとかぼちゃ系ソースということまではメニューで分かるのだが、 どんなパスタなのかがさっぱり分からない。

白ワインにてしばし。

やってきたのは、 座布団みたいなパスタ。 修学旅行生が帰った直後の和室のように、 この座布団がお皿の上に散らかっている。 そしてそのうえにかぼちゃ系ソース。
チーズをかけてもらって、 ぼなぺてぃーと。

おっ、 中にチーズが入っている仕掛けなのね。 お奨めだけあって、 おいしい。

いい感じの分量。 ワインもいい感じ。
ユーロが底をついてしまったが、 両替は明日にしよっか。


ぼなのって。





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