イタリア日記
〜 Roman Workingday 〜

2005/Jun/05

ローマ(10日目/「連休4日め」)


明日からの仕事を考えると憂鬱。
客先オフィスって、 日曜でも入れるのか? でも、 来週まで何にもすんな、 って客には言われたしなぁ。

悩んだってしょうがない。 けせらせら。
休日には、 休日にしか出来ないことをしようじゃないか。

確か、 パラメータを変更して状況をモニターしようって話の中で、 オスティアとかいう街が候補に上がってたな。
地図地図。
あー、 海のそばじゃん。 行くべ。



なんだかくだらないなと思ったわけではないが、 そういうわけで、 海。

玄関まで一服に行くときに、 シャトルバスのチケットを貰う。
10:00発。
ただいま9:20。
急いで朝食。
急いで歯磨き。
急いでカメラ準備。
急いで乗り込む。

・・・チェックアウトしてる客が乗りたいとか言ってバス遅らせてるし。
早めにやっとけよ。 ったく、 アメ公はどこでもわがままだな。



ホテルから2分。 Magliana駅前で下ろしてもらう。
え、 私一人だけ?

わがままな日本人とか思われてるかな。

「りどちぇんとろ」
「うね」
「そりー?」
「うぅね」
あぁ、 1ユーロね。 はいはい。 ったく、 きれいな顔してクールなんだからもう。

Lido Di Ostia方面という矢印を辿って、 狭い駅構内をぐるぐる。 あぁ、 あっちね。 はいはい。

しばらくして落書きだらけの電車到着。
満員。 目当ては海か。

空いてるドアに体をなんとかねじ込む。
高校生と思しき連中でぎっしり。
女の子達がピーチクーノパーチクーノ。 どこの国でも一緒やね。

しかし、 飛び乗ったはいいが、 この電車でよいのかな?
午前中。 進行方向の左側に太陽。 南西に向かってくれてるよね?

車窓の景色も辺鄙になってくる。 空き地が一面に。
この電車でよいっぽい。

しかし、 テルミニからでも余裕で1時間圏内。 なのに土地余ってるよなぁ。

15分ほどで、 Ostia Antica。 遺跡。 ん〜、 やっぱ、 パスかな。 もういいよ。 レンガ。



次の次の駅が目的地。 りどちぇんとろ。
ローマ人達の海水浴スポット、 ではあるのだが、 日本のガイドブックには載ってないので駅の売店で地図を買う。
駅前のバス乗り場の日陰でおもむろに開く。
ふむふむ。
海岸線に平行に大きい通りが何本か、 それらを海岸線に垂直な通りや路地がつないで、 オスティアの街は織られている。 方角なんとなくオッケー。 では歩いてみよう。

街並みはなんとなくフロリダ(ほんまかいな)。
まっすぐな広い通りの両脇に、 リゾートチックな建物が並ぶ。 公園では、 ダンスのコンテストかなんかやっている。
のどかな日曜日。

そして、 街並みの切れ目から青い水平線。

これまた13年ぶりの地中海。
すごい人出。 まず目につくのは、 真っ黒に日焼けしたでぶでぶのじいさん連中。 海辺から少し離れたベンチでさらに肌を焼いている。

波打ち際まで行ってみるべ。 おお、 砂、 さらさら。 かなりの微粒子。
甲羅干しの老若男女を避けながら、 靴に砂を入れないように、 ゆっくり進む。
うっ、 おまえはゾウアザラシかセイウチか、 っていうばあさんが転がっている。
醜い。
見た目も醜いが、 羞恥心を持たぬその性根が醜い。 と感じてしまう。



ぱしゃぱしゃと海を撮って、 はい終了。
砂と塩まみれになるまえに退散。

海岸沿いの通りをもう少し歩いてみよう。 マリーナまで行けるかな。

日差しはきびしいが、 海風が心地よい。
ときおりその風に乗って、 生ごみのすえた匂いが鼻をつくのも、 日本の海水浴場と同じ。

海は日本とイタリアをつないでいる。


ロータリーを渡って、 お、 ジェラテリア? 歩き疲れたし、 寄ってくか。
「りもーね」
「のっといぇっとれでぃー」
「らって」
「ぷれご」
「ぐらーつぃえ」



海岸通りにオープンスタイルの本屋。
前衛的な宗教画を額装にして吊るしてある。パス。
平積みの本は当然イタ語。
お、 絵本発見。
ぱらぱらと開いてみる。
うーん、 もう少し、 絵重視というか、 言葉に頼らない絵本がいいかな。 退散。

マリーナは遥か彼方。 地図じゃ近そうに書いてあるんだがなぁ。
見た限り、 おんなじ街並みがずーっと続く。
ヨット持ってるわけでなし、 行く意味なし。

ちゅうことで。
街並みも確認したし、 海も見たし、 何を撮ったのかフィルム2本消費したし、 帰るか。



のんびり駅まで戻る。 駅前の売店でお水を買って、 のんびり涼む。

駅のどこを探せば、 時刻表があるのかな。
料金表もないから、 いちいち窓口で買わないといけないし。
切符の自販機もあるけれど、 コイン投入口には貼り紙がされている。
機械だって日曜日ってことか。

下りの落書きだらけの電車を見送り、 上りの落書きだらけの電車を迎える。
停止する前にもうドアを開け始めてるし。
乗り込む。 空いてる。 車内も見事に落書きだらけ。

それでもちゃんとMaglianaに到着。
ちゃんと着くことが大事。



駅前の公園で30分、 木陰に座ってシャトルバスを待つ。
来た。 と思ったら、 さくっと通過されちゃった。

ちゃんと乗っけてくれることが大事。

いたしかたない。 徒歩よりホテルに戻る。 15:00前。
日はまだ高いが、 明日のために体力温存。
部屋でJSTVとMTV。


ぼなのって。





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