イタリア日記
〜 Roman Workingday 〜

2005/May/29

ローマ(3日目)


朝飯。
そして、 パラソルの下のベンチでのんびり。 夏休みの朝、 ラジオ体操に向かうときのあの日差しを感じながら、 ホテルのプールサイドで甲羅干しをしようとしているガイジンの女の子の長〜い足なんぞを遠めにぼんやり眺め、 しばし現実逃避。

とはいえ、 逃げてばかりもいられない。
逃げちゃだめだ!

部屋に戻り、 荷造り。

10:00チェックアウト。 呼んでもらったタクシーに乗り込んで、
「しぇらとんろーま」。

ローマに7つあるというシェラトンの2つめを制覇しに行く。

シェラトンゴルフより、 街寄りのロケーション。 造りは、 30年ぐらい前に近代的と評されたであろうデザイン。 見た目に古臭い。

禁煙ルームの片付けに時間がかかるということで、 チェックインはしたものの30分ほどロビーで待たされる。
通された部屋は、 シェラトンゴルフを恋しく思わせるに十分な古さ。
おまけに金庫がない。 御神体達をどこに安置すればよいというのであろう。



26kgの衣類をクローゼットに移し変える。 ガイドブックや仕事の本などを机に並べ、 本日お供してくれる御神体以外は、 DELSEYの中に収まっていただく。
パスポートや帰りの飛行機のチケットなどは、 フロントの貸し金庫に。

1時間おきに出るというシャトルに乗り込んで、 再び市内へ。 本日のコースは、 フォロロマーノとコロッセオ。
メガネをはずし、 Raybanをかけるとぼんやりとしか見えないのであるが、 まぶしいよりましか。 炎天下、 ステージの準備などをしているVia Del Fori Imperialiを行く。

フォロロマーノに降りてみる。 一国の首都のどまんなかの、 瓦礫の広場。 すーっと伸びて、 上の方にだけ葉を茂らせる松。 アフリカ。

コンスタンティヌス帝の凱旋門の前で記念写真を撮る新郎新婦を携帯デジカメで撮り、 やって来ましたコロッセオ。

行列に並び、 10ユーロ払って入場。
1500円。 高い。

13年前は2階以上は別料金だったはず。 今はエレベータで簡単に上がれる。 上から見学。

21mmと35mmをとっかえひっかえしながら、 なるべく観光写真にならないようにシャッターを切る。
おっ、 なにやら雲行き怪しくなってきましたねぇ。 また夕立って感じですね。
太陽が隠れた途端、 さっきまでの色の鮮やかさやコントラストは消え、 そのかわりに、 光明と陰影による立体感が立ち現れてくる。 ように見える。 重たげな黒雲のフラクタルな陰陽と、 コロッセオのいまだ残る幾何学的な均整のコンビネーションを、 モノクロフィルムで撮っていく。
意図どおりの仕上がりとなるかどうか・・。



十分撮った、 と実感し、 トイレを借りて退場。 広場には突風が吹き荒れ、 早く帰れと観光客に警告している。

帰りゃしないっての。
ガイジン観光客の根性は、 見上げたものである。 暑かろうが寒かろうが雨が降ろうが槍が降ろうが、 それらを全て楽しんでこそ観光、 とでも言わんばかり。 素直に敬服。
でも、 自分が濡れるのも御神体を濡らすのも本意ではないので、 フォロロマーノなんぞ見ながら時間をかけて来た往路を、 小走りにバス乗り場を目指す。 16:00過ぎのバスまであと10分。 結構な距離。 間に合わなければ、 ・・・、 いや間に合わせる!

バス乗り場に着く手前ぐらいで、 被弾。 まさに弾。 大粒。 急いで木の下に避難。 同じバスを待つガイジン達も、 なんとか濡れまいと右往左往。 なんだ、 へたれガイジンもいるんじゃん。←自分もその一人

スペインの雨は主に広野に降るらしいが、 イタリアの雨は容赦なし。 7つの丘も流れよとばかり。

数分後、 バス到着。



明日から仕事。

「ローマの平日」いよいよ開幕。


ぼなのって。




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