2005/May/28
ローマ(2日目)
郊外のホテル。
地下鉄もバスもない。
こんなところに泊まってどうやって観光するのか、
と思ったら、
ヴェネツィア広場まで無料送迎シャトルが出ているのであった。
ただ、
ツアー客用のでっかいバスも出入りしているので、
どれがどれか不明。
「これ?」
「これはツアー客用」
「あっそ」
てな感じで、
その隣のシャトルバスを見送る羽目に。
10:30、
次の便に乗り込む。
休日ではあるが、
仕事でもある。
携帯電話の接続率向上施策を策定するには、
その土地を知らねばならぬからだ。
てなわけで、
出発。
30分後、
ヴェネツィア広場着。
バスを降り、
御神体の好みに合う景色を撮りながら歩いていたら、
あっという間に迷子。
自分がどこにいるかを把握する必要がなければ、
迷子にはならないのではあるが、
あいにくコース設定をしているので、
この状況は迷子だろう。
大通りを適当に歩くと、
橋。
へ?
テヴェレ?
どこここ?
と思ったら明後日の方向であった。
おとなしく地図に従い、
目抜き通りを北上、
まずは「トレビの泉」。
方向さえ合えば、
あとはテキトー。
人が集まっていそうな雰囲気、
路地の先がぱっと開けそうな雰囲気、
に従えば、
おのずと到着。
観光客だらけ。
こういうスポットにフィルム代は使えない。
弊社製携帯で押さえておく。
1枚投げるとローマに戻ってこれるとか。
冗談じゃない。
2枚投げると恋人と結ばれるとか。
もう結ばれてるし。
3枚投げると縁が切れるとか。
切る方が高いわけ?
投げずにスペイン広場に向かう。
13年前は、
現地でなんとなく集まった日本人3人で、
モペットを借りて走り回ったのであった。
スペイン広場で、
モペットにまたがって撮ってもらった写真がどこかにあるはず。
あの頃に戻れるわけではないが、
もう一度、
ジェラートを食ってみたっていいじゃない?
細い路地を抜け、
目の前が開けると、
・・・人だらけ。
階段にも人、
人、
人。
しかも上の教会、
工事中だし。
ジェラート屋を探す。
がきんちょが食ってるので近くにあろう、
と思ったら、
カフェで売ってた。
リモーネとラッテ。
今ひとつな組み合わせではあるが、
それぞれの味を楽しむ。
コンドッティ通りをぷらぷら。
ブランド街。
日差しを避けるべく、
GUCCIを冷やかすも、
帽子もグラサンも気に入らず。
ちゃお〜。
ガイドブックに不満があるとすれば、
そのごっちゃごっちゃした構成もさることながら、
トイレ情報を掲載してくれてないことに尽きよう。
こっちには、
コンビニもなければパチ屋もない。
公園っつったって、
緑の芝生が広がるだけ。
鉄道の駅は中心部からはずれてるとくると、
用足しだけしたい人はどうすんの?
となるわけである。
ショップやリストランテの情報以前に、
健康を損ねかねない事態を回避するための情報を盛り込んでいただきたいものである。
今回は、
まぁ、
空腹でもあったので、
目についたリストランテに乗り込む。
「トイレ貸して。」
「隣行け。」
隣のタバコ屋で借りる不条理。
貸す側もさぞかし不条理を感じたことであろう。
気を取り直してリストランテに戻る。
「飯食うんか?」
「食うよ」
「じゃ、
そこ」
粘っこいパンを食いながら、
アーリオ・オーリオを待つ。
ガレスのパンは、
からっと香ばしくて美味かったのになぁ。
ローマに来てから、
ぱりっと割れるパンがないよ。
と、
アーリオ・オーリオ登場。
またアンチョビってるよ。
まぁ、
少量なので無視できよう。
ぼなぺてぃーと。
・・・しょっぱい。
しかも、
麺、
芯がまだ粉っぽいよ。
愛妻が日曜日のお昼に作ってくれる生協いかすみパスタの方が、
何百倍も美味いっちゅーの。
やるかたない思いを秘め、
「コーヒーは?」
「スィーツは?」
「ここじゃいらん」と口にしたいのをぐっとこらえ立ち去る。
ハズレ感にブルーになりつつ、
テヴェレを渡る。
サンタンジェロを右に見つつ、
正面にサンピエトロ。
ぱっと見、
寺院まで300mと予測、
300mほど歩いたところで再度、
寺院まで300mと予測。
でかすぎ。
回廊をぐるっと歩き、
辿り着いたところは「出口」。
午後の日差しが容赦なく照りつける広場を横切って、
入り口側へ。
持ち物検査のあと、
寺院へ。
まぁ、
でかい。
衆生を救済しようと本気で考えてる人々の住まうところじゃない。
中に入る。
暗い。
ひんやり。
前法王の棺見学コースには長蛇の列。
カンカン・ランランじゃあるまいに。
キューポラに上ろうかと入り口まで行ったがこちらも行列。
あきらめて回廊沿いに帰途に。
と、
郵便局発見。
バチカン市国の切手・消印、
てか。
乗鞍岳じゃあるまいに。
その隣は公衆トイレ。
迷わず入場。
“紙様(HALさんからのぱくり)、
わたしは救済され、
いやぁ、
すっキリストとなりました。”
こっちはどないなってんのかな、
と寺院から南へ少し下ったものの、
城壁を越す目処が立たないので引き返す。
テヴェレを渡り、
ナヴォナ広場に至る路地を分け入る。
すれ違う現地の若人が、
「ノカムゥラ、
イナモォト、
ノカァタ」
などと声をかけてくる。
いや、
だから知らないってのよ。
まぁ、
同郷の身としては、
好意的に受け取られているようで悪い気はしないんだけど、
でもやっぱり私とは無関係な人々だよ。
それに、
小学校4年の冬、
クラブというものになんか入るべし、
ってことで、
友達と一緒だから、
というそれだけの理由でサッカー部にしたのはいいが、
あの八木のくそさぶい中、
半そで半ズボンの体操着。
寒すぎて動けなかったって経験を筆頭に、
サッカーにはいい思い出がないのだよ。
ナヴォナ広場はお菓子のホームラン王にも例えられるナボナの名称の由来かと思われるが、
そこは偽ブランド品を売るインド系の連中が占拠し、
観光客がそれを物色するというような、
ホームラン王に求められる品位を有しない場所であった。
もう一件、
回りましょう、
と自分に言い聞かせ、
パンテオン。
ここもまぁ、
えらい賑わいよう。
その人だかりを目の当たりにしただけで、
もうのーぐらっちぇって感じ。
眼鏡屋が数件あったので冷やかし、
Raybanを衝動買いしてしまう。
まいっか。
この買い物で気持ち的に終了。
バス乗り場に戻る。
ホテルに着くと、
雷鳴。
すぐに夕立。
かなりの激しさ。
ひとしきり降ったあとは、
虹がかかるほどの陽光。
不思議な土地である。
このホテルとは今夜でお別れ。
明日は最後のお引越し。
広い部屋は名残惜しいが、
朝食、
夕食ともにいまいち。
今夜は、
クラブサンドイッチ、
というハズシようのないメニューでいく。
それでもそのボリューム、
計算外。
ぼなのって。
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