STEP−9(強くなりたい!)


ロードレーサーを手に入れ、

色んな所を走り、色んな人と走り、色んな大会で走り、色んな経験をする。

すると…

人間やっぱり欲が出てくるものです。

楽に走れるようになりたい。

〜まで行きたい。

〜大会を完走したい。

〜大会のタイムを縮めたい。

優勝したい!

人それぞれ目指す物が違うでしょうが、

多かれ少なかれ共通することは「強くなりたい!」ってことでしょうか。

このコーナーではその「強くなる」ための

ヒントをチョッとだけ教えることとしましょう。


 1) 焦らない 

例えば、

コレを読んでるアナタが高校生だとすると、

3年間のうちに何とか結果を残さなければいけないのかもしれませんね。

教える側からすれば、勝てる走り方を教え、

今ある体力を有効に出させるトレーニングをさせ、ヤル気さえ出させれば、

3年間である程度の結果を出させるのは、

どんな選手でもそう難しいことではないでしょう。

しかし、

無理矢理コレをやらせてしまうと、

燃え尽きてしまったり、怪我をしたり、あまりイイコトはありません。

モチロン、それ以上の力を持っている選手は残っていくでしょうし、

更なる結果を残すでしょう。

でも、そんな選手は全体の一部にすぎないのです。

短期間で一気にパフォーマンスを上げてしまった力というのは、

その反面一気に落ちてしまいます。

トレーニングで大切なことは 『焦らない』 ことです。

将来的なことを考えると、3年間で結果が出なくても、

その次の段階で伸びてくるかもしれない。

ただ、その次の段階まで持ち越して続けて行くには、

シッカリとした大きな 『土台』 を作る必要がある。

その 『土台』 とは、『基礎体力』 であり、『ヤル気』 であり、

そして何しろ 『楽しむ』 こと。

この三つのどれかが欠けていても、いつかは壁にぶつかるでしょう。

中でも 『楽しむ』 ことは本当に重要です。

自分自身で楽しむことが出来れば、楽しみを見出せれば、

どんなトレーニングでもできるし、続けることができるでしょう。

そして本当の意味で 『楽しむ』 ためにも、

場合によっては 『仲間』 が必要なんです。


 2) 距離より時間 

さて、その仲間と共に行なう土台を作るトレーニングとはどんなものか?

まあ、一口に言ってしまえば、それは 『乗り込む』 ことです。

乗り込むトレーニングとしてスグに思い浮かぶのが

LSD(ロング・スロー・ディスタンス) ですね。

ココでは、専門的で具体的なLSDトレーニング方法は避けますが、

要はそんな専門的なことは二の次でイイんです。

どんな方法であれ、時間をかけて自転車に乗り込むことが一番大切です。

その方法には、仲間と一緒にノンビリと距離を稼いでもイイし、

ドコか目的地を決めて一人でサイクリングに行ってもイイ。

ただ、あまりにもストイックにマジメにやりすぎると続きません。

乗り込むトレーニングはとにかく続けなければ意味がありません。

乗り込んで乗った時間だけ強くなるんです。

…なので、長く続けるためにも、楽しめないと続かないのです。


 3) 楽しむ! 

自転車の楽しみ方にもイロイロあります。

いつまでもLSDの基礎体力トレーニングだけではツマラナイかもしれません。

LSDの基礎体力トレーニングにメドが立ったら、

今度はたまには仲間と一緒に競ってみましょう。

ただ、最初から最後まで競ってレースのように走っては、

力の差があって意味の無い練習になってしまいます。

(よっぽど同じ位の力の選手同士だったら問題無いけど)

練習コースの中で、アタックポイントを決め、

各自自分の課題を持って集中して走った方がイイですね。

各自の課題の持ち方としては、

「この坂をオールダンシングで」、「重いギアでオールシッティング」、「今日は軽いギアでクルクル回して」、「最初からスピードを上げてみよう」、「ラスト勝負だ!」、「アイツには負けん!」、「この回転数を最後までキープ」、「腰を入れたフォームを考えながら」、「コーナーでは先を見る!」、「後ろを見ながらスピードを合わせる」、「何しろ〜選手を勝たせるために引っ張る」、「最後まで諦めない」、「最後まで付いて行く!」

…等々

やり方、考え方はいくらでもありますが、

一番大切なことは自分なりに考えることですね。

練習でのアタックではボロボロになって潰れても構いません。

大切なのは、そこから何を吸収して行くかですね。

逆にノンビリとした楽しみ方もアリです。

オイシイ食べ物屋さんを目指して行くのもイイし(左写真)

冬だったら、行き先を足湯にして暖まってもイイ(右写真)

たまには心も体もリラックスが必要ですね。

本当の意味で強くなるためには、長い時間が必要なので、

トレーニングにもメリハリが必要です。

「井の中の蛙」ではダメです。

同じ所を走っていたら、

同じ所しか走れない、同じ足になってしまいます。

なるべく色んな所を走り、

できれば色んな人と走り、色んな刺激を受けながら走れば、

どんなコース(レース)にも対応できる、

本当の意味での強い選手になっていくでしょう。

どんな練習でも、何しろ楽しんじゃった方が勝ちですね。

走るのが楽しくて仕方がないうちは、ドンドン強くなっていきますよ!!!


つづく

■ RR  ・ ADVICE ■