中小企業診断士(休止中)勉強日誌(2006年5月)

作成日: 2006-05-03
最終更新日:

財団法人 原爆の図 丸木美術館の運営

5月2日に、原爆の図 丸木美術館へ行ってきた。 いつだかの新聞に美術館の運営の窮状が紹介されたことがあった、 原爆の図が埼玉県にあるのか不思議に思ったこともあり、 行ってきたのだった。

美術館から帰ってきて、改めて美術館のホームページを見た。 すると、収支報告というページがあるのに気づいた。 「丸木美術館では法人の情報公開を推進する県の指導に基づき、 下記の基本情報をウェブ上で公開することにいたしました。」 とある。県の指導とはいえ、ウェブ上での公開とは大したものだ。 早速収支決算のページを見た。

2003年度と2004年度の決算が載っている。 両年とも赤字であるが、すぐには赤字とはわからなかった。 収入合計に前期の繰越収支差額があるからだった。 期ごとで見るには、当期収入合計を見る必要がある。 そうすると、2003年度は100万円強の赤字、 2004年度は420万円強の赤字とわかる。 2004年度の次期繰越収支差額は200万円だから、 2005年度の赤字が2004年度と同額となった場合は、 繰越金を食いつぶすことになり、運営に困ることは目に見えていた。

2005年度の収支決算は載っていないが、 2006年5月5日の毎日新聞朝刊の記事によれば、 資金カンパ、美術館の改革(貸しギャラリー創設)などで、 3000万円の黒字が出たという。しかし、 美術館は「特別な収入には頼れない」として運営を危ぶんでいる、 と言っている。

同じく新聞記事によれば、年間経費は2000万円であり、 これを入場料で賄うためには年間入場者が3万人必要という。 2000万円を3万人でわれば一人当り667円となる。 大人一般は735円だが、学生は安くなるし、 団体割引もあるので、このあたりの数字を設定したのだろう。

さて、運営を円滑に進めるにはどうすればいいだろうか。

単に黒字にするだけならば、上記新聞記事にあった通り、 開館日を減らすなどで経費を削ることで達成できるだろう。 しかし、このような縮小均衡は、 悪循環になりがちだ。本来とるべき方策ではないだろう。

ということは、入場による収入を増やすことが必要だ。 それには一人当りの入場料を増やすか、入館者を増やすかになる。 入場料を増やすということは値上げである。 インフレ分の吸収はやむを得ないが、極端な値上げは好ましくない。 すると、入館者をどのように増やすかという方法になる。

私のブログにも書いたのだが、 入館者数のかなりは学校(中学や高校)の生徒が占める。 生徒は、課外授業として来ているが、これは、 学生が広島や長崎に修学旅行に行くときの、 原爆被害の悲惨さを学ぶための予習の場として活用されているということだ。

私個人の考えだが、生徒を主な対象として入館者を増やすのは、 限界があるのではないか。それより、一般入館者、 特に年配者を対象にするのがいいのではないかと思う。

あるいは、外国人観光者を対象とする手もある。 事実、館内の説明書きは、日本語のほか、 英語、中国語、韓国語でも書かれていたのだ。 日本の良心をアピールする機会でもある。

問題は地理的に不便な点をどう解消するかである。 この美術館近辺の地図によれば、森林公園やキャンプ場などがある。 だから、 自然と人間というテーマで散策と思索を併せてアピールすることが できるのではないかと思われる。だから、 この美術館が地理的に不便な点をむしろ強調して、 静かな憩いの場として位置づけるようにしたい。

細かいことになるが、この美術館への行き方で関係者への要望がある。 最寄りの駅は東武東上線の「つきのわ」駅になるが、 この駅からの道順をホームページではっきりわかるように、 示して欲しい。私は結局地図がわからずに、遠回りしてしまった。 (それはそれで、いい想い出になったのだけれど)。 ここまで書いて、望むのは簡単だが、実現するのは難しいことがわかった。 丸木美術館の住所である、埼玉県東松山市下唐子1401を、 Google Map などで調べると、 つきのわ駅から丸木美術館までの道順は難しい。 (特にバイパスから国道254号線まで)。 いいアイディアはないものか。(2006-05-05)


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MARUYAMA Satosi