借り物の経営書を読む |
作成日: 2005-05-24 最終更新日: |
私は経営書が苦手だ。しかし、経営のことについては知っておかなければいけないことが山ほどある。 そこで、図書館の本を読むことにした。金はかからない。ただ、読んだあとですぐ忘れてしまいがちだ。 このページは、読んだことを忘れないための備忘録である。
なお、借り物というのは、図書館から借りてきた本、という意味である。 経営書に書いてあることが著者自らが考えた結果ではなく誰かからの借り物である、という意味ではない。
項目 | 内容 |
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著者 | 吉岡憲章 |
出版社 | 廣済堂出版 |
ISBN | 4-331-50863-3 |
日本十進分類 | 335.3 |
出版年 | 2002 |
著者は、経営コンサルタントを極めるために、自分で起業した。 そして、その企業の成功と失敗を記している。そのあとで、 この本の主要部となる、小さな会社16社の成功事例を、キーワード「オンリーワン」をもとにして解説している。 さらに、拡大に失敗した会社2例と、成功例と失敗例から抽出した具体論について述べ、結語としている。
「オンリーワン」を広めた立役者は、実はSMAPではない。今は亡き春風亭柳昇師匠であると私は断言する。 「えー、大きなことを言うようですが、今や春風亭柳昇といえば我が国ではわたし一人でありまして…」 というマクラこそ、「オンリーワン」の精神そのものである。一度高座に行っておけばよかった。 そしてもう一人、桂枝雀の落語もついに生で聞く機会が作れなかった。後悔している。
さて、この本で取り上げられた会社のうち、 ほとんどの企業は元気で活躍している。たいしたものである。
残念なのは、校正が甘いこと。「武蔵野音楽大学の声楽家に入学した」これはいけませんね。 外にも、表紙の会社名が間違っているところなど、数箇所ある。 (2005-05-15)
項目 | 内容 |
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著者 | 八木宏之 |
出版社 | 講談社(現代新書、1717) |
ISBN | 4-06-149717-0 |
日本十進分類 | 335.3 |
出版年 | 2004 |
著者が説く法律の紹介と利用法、実例、そして著者が事業再生のスペシャリストとなるまでの経緯を、 平易な筆致で綴っている。そして、中坊公平が率いた整理回収機構の負の側面も冷静に描いている。
「士業」の人たちは何回も出てくるが、残念ながら中小企業診断士は一度も出てこない。 残念ではあるが、これからは出番も多くなるだろう。 また、多くの法律も紹介されている(例の一円起業を可能にする法律など)ので、 受験生も参考になるのではないか。(2005-05-15)
項目 | 内容 |
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著者 | 経営革新アソシエイツ |
出版社 | 同友館 |
ISBN | 4-496-03836-6 |
日本十進分類 | 335.3 |
出版年 | 2004 |
中小企業診断士である主人公が独立してコンサルティングを行なうという設定のもとに、 さまざまな課題を解決する方法と苦労を実践記という形でまとめている。 コンサルティングの途中の分析プロセスを書き込んでいるのが特徴である。
全部で9組織が取り上げられている。ほとんどが仮名(であると思うの)だが、 中には実名(であると思うもの)もある。実名と思われる組織に、PTNA(ピアノ指導者協会)がある。 私はしがないピアノ弾きであり、PTNAのことは名前しか知らない。しかし、 こういう組織(PTNAは日本将棋連盟と同じく、社団法人である)にも中小企業診断士が入り込める、 ということを知って、なんだかうれしくなるのだった。(2005-05-25)
項目 | 内容 |
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著者 | 河瀬誠 |
出版社 | 講談社(現代新書1776) |
ISBN | 4-06-149766-6 |
日本十進分類 | 336.1 |
出版年 | 2004 |
『あなたと会社を強くする36の「ツボ」』という副題がついている。 計4章からなる、それぞれの思考方法に沿った「ツボ」を実例とともに紹介している。
不思議に思ったのは、せっかく「ツボ」ということばを前面に押し出しているのだから、 「戦略思考のツボ」という書名にすればいいのに、という疑問だった。 その理由はわからない。しかしこの「戦略思考のツボ」をインターネットで調べたところ、 既にこの書名を含む別の書籍や、名前ずばりのメールマガジンがあった。 著作権の尊重などで、これらの名前との衝突を避けたのではないかというのが私の憶測だ。
中身は読みやすい。著者は本書について「経営学の教科書を要点整理したものとは違う」と述べている。 しかし、本書を読む限り、一部は要点整理したものにも見える。一般化が学問につながるのだろう。
終章近くにブックガイドがある。そのブックガイドで最後に取り上げられている戦略思考の本は、 実は本書著者の本である。これについて著者は「この分野(戦略思考)の本は仕事上ほとんどすべて読み漁ったが、 分かりやすさと親切さの点で、結局、自著ながらこの本がピカイチだと思う」と述べている。 これは自惚れではないだろう。自分にとって、自分がまとめた本がもっとも出来がよいはずである。 そうでなければ、自分で本は書かないだろうから。この事実から、 この著者の戦略思考の本は、別の読者には向かないかもしれないことがわかる。 そしてまた、ある読者がある分野について知りたい、分かりたい、と願うとき、 それを適える一番いい方法は、自分で本を書くことであろう。
どういうわけか、また落語の話である。高田文夫(放送作家)が篠山紀信(写真家)、 春風亭笑太(落語家)と対談した席でこういう。 「夜中に家で飲みながら、自分の落語のテープ聞くんですけど、ホント面白い」 (「頓知」1996年4月号)その気持ちは、私にも分かる。 自分のホームページはときどき自分で何を書いたか忘れるけれど、 自分が一番面白がっている。(2005-05-26)
項目 | 内容 |
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著者 | 岡村久道、鈴木正朝 |
出版社 | 日本経済新聞社 |
ISBN | 4-532-49002-2 |
日本十進分類 | 336.1 |
出版年 | 2005 |
小さく、薄い本である。「これで十分!」と表紙に書いてあるが、 本当にこれで十分なら他に出ている厚い本は何のためにあるのだろうか。 まさか「10分で読める」という意味ではないだろう。
一つ、委託先からの情報漏洩にどのように対応するかについて、本書の内容と私の考えを述べておく。 本書では、委託契約の中に、サービスレベル合意(Service Level Agreement,SLA)や、 バリューベース型ITアウトソーシング契約を結ぶ、ということを薦めている。 ペナルティとインセンティブを明確にしようということである。 私の考えでは、こういった契約がごく当たり前として日本で普及するのには、10年はかかるだろう。 このようなペナルティとインセンティブの基準となるデータを、 委託先がきちんと取れるようになり、ごまかさずに委託元に提供できる仕組みを作るのに、 5年はかかると思うからだ。 だからといって、諦めろとか、意味がないからやめろ、ということにはならない。 時間がかかるけれど、諦めずに実現できるようにしよう、ということである。
項目 | 内容 |
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著者 | 岡伸浩 |
出版社 | 中経出版 |
ISBN | 4-8061-2166-5 |
日本十進分類 | 336.1 |
出版年 | 2005 |
上の本よりは厚く、字も大きく、図版も多い。 2時間で理解しようと思えば、できるかもしれない。 しかし、私は「4時間で覚えるエスペラント」という本を買って、 10年経っているが、まだ覚えられない。 だから、この本を理解するのに5年以上かかるかもしれない。
一つ考えたことがある。「本人から開示請求があっても応じなくてよい場合」というのがある。 個人情報保護法第25条第1項で、 以下の場合には「保有個人データ」の一部またはすべてを本人に開示しないことができると定めているという。
この1.の例に「顧客リストに営業マンの評価が加えられているとき」が挙げられている。 営業マンの評価とは、たとえば、ロイヤルカストマー(上顧客)か、ふつうか、ということである。 こういった場合には、「本人から開示請求があっても応じなくてよい場合」にあたるとしている。 では厳密にはどういうことなのか。 「リストに本人の名前が存在するか否かに対して応じる必要はない」のか、 あるいは「リストの記載有無までは応じるべきだが、それ以上は応じる必要はない」のか、 それとも「リストにある評価は開示に応じる必要はないが、それ以外の項目は応じる必要がある」のか、 はっきりしない。 私は、評価を除いては開示に応じる必要があると考えるのだが、どうか。
項目 | 内容 |
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著者 | 平野喜久 |
出版社 | すばる舎 |
ISBN | 4-88399-402-3 |
日本十進分類 | 336.0 |
出版年 | 2004 |
この本を読んで、途中まで作って放ったままにしている 「悪魔の辞典(中小企業診断士版)」を思い出した。 私が放り出さずに続けていたら、この本を上回る出来になっていただろうか。 そんなことはない。やはり、独立してコンサルタントとして活躍されている方だから、 よく書かれている(著者も中小企業診断士である)。
著者はあとがきでこう書いている「本書の足りない部分は皆さんで補ってください」とある。 しばらくして、「当然、本書に書いてあることも疑ってかかるようになっていなければいけません。」 と忠告している。その通りである。ソクラテスから続く哲学の基本は、 すべてを疑う、ということである。その哲学の基本は、経営にも役立つ。
なるほどと思うところもあるが、首を捻るところもある。たとえば、週末ビジネスについて、 著者は非常に厳しい見方をしている。曰く、仕事のスピードが遅い、曰く、仕事の厳しさが足りない、 曰く、会社にとっても厄介者。などなど。二兎を追うものは一兎をも得ず、ということであろう。 しかし、仕事は厳しくなければならないのだろうか。確かにこの世の中、スピードは必要である。 しかし、スピードだけではない仕事もあるのではないだろうか。真剣に打ち込まないために救われる職業も、 あるのではないだろうか。趣味が嵩じて職業になっても、いいのではないだろうか。私はできないけれど。
こんな話を聞いた。あるところの公務員が、週末、結婚披露宴の司会のアルバイトを何年もこっそり続けてきたが、 ふとしたことで明るみに出てしまい、公務員の兼職規定にひっかかり、免職になってしまった。 当人曰く、「アルバイトはいけないこととは知っていたが、二人の新しい門出に立ち会える幸福感が忘れられず、 ついここまで来てしまった」この元公務員は、退職金こそ出なかっただろうが(出たら怒る)、幸福な方だったのだろう。 今は司会を職業にたくましく生きているのだろうか。(2005-06-13)
項目 | 内容 |
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著者 | 児玉敏一 |
出版社 | 学文社 |
ISBN | 4-7620-1286-6 |
日本十進分類 | 336 |
出版年 | 2004 |
難しそうな本の題名である。実際読んでみると難しいところもあるが、 読みやすいところもあった。診断士旧一次試験でいう「経営基本管理」 にあるテイラーの業績紹介もあれば、台湾の社会事情や北海道のベンチャー企業の話も出てくる。 当然私は実例のところばかり読んだ。 台湾の社会事情では、「多くの従業員たちは常日頃から独立を目指して企業に働きながら副業を持ち, 週末や夜,時には勤務中でさえ自らの副業に精を出しているのが普通である。」という。 先のビジネス用語辞典の作者が見たら、「日本とは違う」というだろう。 こういった相違点を知るのは楽しい。
気になったこともある。「企業の寿命30年説」というものがある、と断言している。 これはどこから来たのか。書いていない。インターネットで調べた範囲では、 どうやら日経ビジネス誌が1983年9月に提唱した説らしい。ちなみに寿命の定義はこれもインターネットで調べた範囲では、 売上高ランキングで日本の上位100社以内にいた期間を指している。 それを寿命というなら、悲しいことである。売上高だけでなく、もっと違った角度から、 企業を支えていくものは何かを考えたい。この本は、難しいところと易しいところをあわせて、 その何かを考える材料を提供してくれる。
項目 | 内容 |
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著者 | 牧野二郎ほか |
出版社 | 毎日コミュニケーションズ |
ISBN | 4-8399-0872-9 |
日本十進分類 | 336 |
出版年 | 2003 |
最初に原則論、一般論が述べられている。 そして事例研究として、有名な「東芝クレーマー事件」のほか、日本でおきた、 インターネットを舞台にしたいくつかの事件が分析されている。 そして最後に、インターネットそのものが舞台には出ないが、パンフレットから生じた名誉毀損事件として名高い、 イギリスにおけるマクドナルド名誉毀損事件を取り上げている。
原則論ではクレーム対策としては、原則やルールを明確にすること、個別判断をしないことを述べている。 「万人が対等にクレームを訴える以上、窓口としては冷静に平等に対応するほかない」 なるほど、そうだと思う。しかし、人間と人間の行なうこと、常に冷静で平等に判断できるのか。 難しいところだ。 たとえば、最後のマクドナルド名誉毀損事件で、いくつかマクドナルド側の人間の暴言が取り上げられている。 そのなかには、日本マクドナルド社長、藤田田(当時)のことばも取り上げられている。 あまりにもばかばかしったので、私は当時から覚えている。 「もしわれわれがマクドナルドのハンバーガーとポテトを1000年間にわたって食べ続ければ、 背は高く、肌は白く、髪はブロンドになるだろう」 著者は「感情的にならないことも教訓のひとつなのである。」とあるが、 これは、企業側への助言であることに注意しなければならない。
なお、困ったことを述べておく。 私はハンバーガーが好きだ。マクドナルドのでも、モスバーガーのでも、何でもよい。 最初に食べたのは、妹が隣の駅で買ってきたマクドナルドのハンバーガーであった。 ハンバーガのうまさ、マックシェイクの濃厚さは今でも覚えている。 しかし、一人でハンバーガー屋に入ったことは一度もない。 恥ずかしいのである。また、こんなにおいしいものを食べ続けていると、どこか体がやられてしまうような恐怖感もあった。 だから私は一人では、ラーメン屋か、そば屋か、牛丼屋にしか行かないのだ。 それに、先の暴言を吐く藤田田という人物が気に入らなかったことも理由にある。 「デンと発音する名前が英米人に受けがよかったから、息子にはゲンという名前をつけた、 ゲン(Gen)はジェネラル(将軍)に通じる、これからは日本人の子供にも英米人がわかるような名前をつけねばいけない。」 と妙な煽動を彼はどこかの新聞で書いていた。これには私はついていけない。
項目 | 内容 |
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著者 | P.F.ドラッカー |
出版社 | ダイヤモンド社 |
ISBN | 4-478-33102-2 |
日本十進分類 | 336 |
出版年 | 2003 |
ドラッカーの著作から、重要な句を抜き出した書物である。
私が思うに、これらの句をこの本だけで理解しようとするのは酷である。やはり全体が書かれている本を読まなければならない。 文脈が必要である。しかし、私は全体が書かれているドラッカーの著作を持ってはいない。 そこで、想像力だけでけちをつけてみる。→から先が、わたしの感想である。
明日の組織のモデルは、オーケストラである。→オーケストラは、楽譜をもっているから、機動力がない。 明後日の組織のモデルは、サッカーチームである。
250人の団員はそれぞれが専門家である。→これはそのとおり、
チューバだけでは演奏できない。→ひょっとしたらできるかもしれない。1000人以上のチェロと指揮だけで演奏した実例がある。
演奏するのはオーケストラである。→その通り。
オーケストラは、250人の団員全員が同じ楽譜をもつことによって演奏する。→正確には、 同じ楽譜ではなく、同じ曲のパート譜ということである。これが、共通目的という意味であれば、 このオーケストラの比喩は確かなものであろう。しかし、これが定量譜という意味であれば、 まだまだ組織としては発展の余地がある。(2005-06-26)
項目 | 内容 |
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著者 | 鳰原恵二、村松澄夫 |
出版社 | 日本実業出版社 |
ISBN | 4-534-03609-4 |
日本十進分類 | 336.1 |
出版年 | 2003 |
個人情報保護の基礎知識から認定取得の方法までを、多くの図解で解説している。
見開き2ページで解説が完結する編集になっているので、見やすい。 もう少しイラストに工夫があればと思う。
各業界のプライバシーマークへの取り組みが挙げられているが、 ここにはなく、最近注目されている業界がある。葬儀業界である。 プライバシーマーク審査機関に名乗りを上げたのだ。私は全く注目していなかった。迂闊だった。 (2005-07-17)
項目 | 内容 |
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著者 | 萩原睦幸 |
出版社 | 日経BP社 |
ISBN | 4-8222-9190-1 |
日本十進分類 | 336.1 |
出版年 | 2004 |
プライバシーマーク取得は難関である。そのための仕組み作りから取得に至るまで、 わかりやすく解説されている。
こちらもイラストが豊富にある。しかし、人をあらわすイラストがシルエットなので、少し冷たい印象を受けた。 イラスト人物の個人情報保護の点からシルエットにしたのだろうか。
この本を読んで考えたことは、「機微な情報」の定義である。 たとえば、この本の第4章「業種別個人情報保護対策」における 「7 学習塾・予備校」では、「受験生の家庭環境まで含む情報や各受験生の個別試験の成績などは、 機微な情報を含んだきわめて重要度が高い個人情報である」と述べられている。さて、 JIS Q 15001の4.4.2.3 には「特定の機微な個人情報の収集の禁止」とあり、 その中には受験生の個別試験の成績に該当する内容は含まれていない。 注意しなければいけないのは、JIS Q 15001が定めている「特定の機微な個人情報」と単なる「機微な個人情報」とは、 区別しなければいけない、ということである。単なる「機微な個人情報」は、 集めないに越したことはないが、業務上必要があるならば重要な情報とみなし、それなりの保護策を講じる、 という意味で使うべきであろう。(2005-07-17)
項目 | 内容 |
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著者 | 個人情報保護法研究プロジェクト |
出版社 | 毎日コミュニケーションズ |
ISBN | 4-8399-1626-8 |
日本十進分類 | 336.1 |
出版年 | 2005 |
弁護士から構成される著者が、Q&Aを通して個人情報保護に関する疑問に回答している。
Q25で「委託を受ける場合に、注意する点は何でしょうか」という質問への回答が数項ある。 そのなかで「SLAを明確にする」という項があるが、SLAを誤ってService Layer Agreementの略としている。 正しくは、Service Level Agreementである。
項目 | 内容 |
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著者 | 北岡弘章 |
出版社 | 日経BP |
ISBN | 4-8222-2132-6 |
日本十進分類 | 336.1 |
出版年 | 2004 |
個人情報保護について、事例を基にした対策が述べられている。 本を補完するWEBページが著者により作られている。 「はじめに」で、著者は上記サイトで「アップツーデートな情報を提供する予定です」と述べているが、 残念ながらそのような情報は見当たらない。法律家としての現業が優先された結果であれば、 致し方ないといえる。
さて、各種事例を個人の立場で見て、次の例が気になった。 ある人(Aさん)あてに、ある会社(B社)から誤った請求書が送られてきた。 原因は、B社の請求先リストへの登録ミスであった。 AさんはB社に登録抹消を求めて了解を得たが、しばらくして再度誤った請求書が来た。 B社の抹消手続きが行なわれず、放置されていた結果であった。 AさんはB社を、プライバシー権を侵害する不法行為にあたるとして訴えた。 このような例である。 このように個人の立場で私企業を訴えることもできるのだ。 一般市民として、権利の侵害に対して毅然とした態度を取るべきなのだろうか。 私のように、すべてを面倒だと思う根性なしは、大変だ。 (2005-07-17)
項目 | 内容 |
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著者 | 北龍 賢 |
出版社 | 秀和システム |
ISBN | 4-7980-0914-8 |
日本十進分類 | 336.4 |
出版年 | 2004 |
副題は「潜在能力を引出す34のルール」とある。 私は、こちらの副題のほうに焦点を当てて読んでみた。
正社員と派遣社員の区別は悩ましいところである。 ただ、この本の冒頭に出てくるような「派遣さん」という呼びかたは、 今でもしているところがあるのか、と驚く。
私もあまり知らないし、大きなことも書けないが、 本来派遣は、その専門性を買って来てもらうのだ、 ということが基本にあると思う。 少なくとも、法律ではそうだ。 その観点で書かれて欲しかった、と思う。 (2008-04-11)
項目 | 内容 |
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著者 | 田中 辰巳 |
出版社 | 文藝春秋 |
ISBN | 4-16-366240-5 |
日本十進分類 | 336 |
出版年 | 2004 |
謝罪のしかたを述べている本である。 しかし著者がいいたいのは、術に加えて、心と体を鍛えることであろう。
私も、つれあいや、会社の関係者に謝るときに、 早速応用してみようと思う。
この本はその性格上、過去に起こった事件の謝罪例を取り上げている。 そして、ほとんどが悪例としてである。つまり、 大きな事件が列挙されている。 それでも私が忘れてしまった事件があることに、 今更ながら気がつき、愕然とした。 たとえば、アイレディース宮殿黒川温泉ホテルの事件しかり、 古賀潤一郎元衆議院議員の学歴詐称事件しかり、 そしてトヨタ自動車の社員が自動車整備士の試験問題を漏洩した事件しかり である。
私にとって最も印象深かったのは、「はじめに」で 著者が身の上話を語るところである。ぜひとも読んでいただきたい。
項目 | 内容 |
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著者 | 井口嘉則 |
出版社 | かんき出版 |
ISBN | 4-7612-6036-X |
日本十進分類 | 336 |
出版年 | 2002 |
著者が実際に行ったことを、3択式50問で考えさせるのは面白い。 ただ、コントロールだけではなく、 その後の結果も含めているのは、ちょっとはぐらかされた気がする。 また、正解としている選択肢は、著者がとった選択肢であり、 その後の経過観察によると、結果として誤っていたものも含まれる。 そこを注意して読まなければ。
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