企業診断を読む(2006年3月号)

作成日:2006-03-27
最終更新日:

整合性のとれる説明

インタビュー記事を読んだ。ある大学の理事長へのインタビューである。 氏は、最近行った大学改革を熱っぽく語っていた。 私には詳しいことはわからないが、その熱意には感動した。

さて、この理事長氏はある大企業の副社長を勤めた。 氏は社長の座を狙っていたが、結局実現せず、子会社の社長に転じた。 その子会社で氏は活躍し、その後子会社は一部上場し、 株価は親会社より高くなったという。これで氏は溜飲を下げた。

この話は面白い。さらに面白いことに、氏はインタビューの後半で、 「日本人が立身出世に明け暮れ、日本の心を忘れてしまったのは、 現行の教育基本法が原因である」という。 先の自身のエピソードと対比するとき、整合性のとれる説明はあるだろうか。 考えられる論理展開は次の通り。

  1. 自分は世のために人のために働いてきた。その結果の地位である。 単なる立身出世とは訳が違う。
  2. 自分は日本人ではない
  3. 自分は親会社の社長に成れなかったのだから、立身出世ではない。
  4. 私は立身出世に明け暮れ、日本の心を忘れてしまった。 申し訳ない。その罪滅ぼしに教育基本法を改定する

私が氏の主張を誤解・曲解している可能性が大きいようだ。 ただ、教育基本法を改定したからと言って、 日本の心が養われるとはとても思えない。だいたい、 日本の心とは何かが、わからないからだ。

私がしていることは、自分が好きなものを愛でることである。 たまたまそれが日本発祥の事物であることもある。 将棋、プログラミング言語 Ruby、情報量規準 AIC、 全文検索ツール Namazu、超芸術トマソンなどがその例であり、 多少なりとも自分のホームページで紹介している。

たまたまそれが外国の事物であれば、それを愛でることになる。 日本のものだから好きになるとか、他国のものを排斥するとか、 そういう考えは、捨てている。(2006-03-27)

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MARUYAMA Satosi