企業診断を読む(2004年3月号)

作成日:2004-03-09
最終更新日:

IT経営 キーワード

「ICタグ」と「バーコード」がキーワードである。 どちらも商品の識別に使われるコード体系+装置であることは共通している。

ICタグの説明で、現在の周波数帯では2メートル程度の短い距離でしか無線通信できないことが 欠点であり、UHF帯の早期の開放が待たれる、と述べられている。 私がわからなかったのは、では、どの程度の通信距離が、UHF帯では可能なのか、 現在の周波数帯とはどこなのかがわからなかったことである。

これに関連して、経済産業省のページの中で、「 2004.03.08[報道発表] UHF帯電子タグを使って、我が国初となる、実際の工場、物流倉庫、 店舗における実証実験を開始」という報告がある。ここの報告(PDF)を見てみると、 UHF帯とは、950メガヘルツであること、現在の周波数帯は2.4ギガヘルツであること、 UHF帯では数mの通信が可能であることがわかる。

この報告を見て疑問に思うのは、UHFでも通信が可能なのは高々数mであるということだ。 企業診断での著者が想定している距離はどの程度なのだろうか。 この著者は、 倉庫の中に分散している多数のICタグを同時にスキャンするなどの(中略)メリットを 説いているのだから、少なくとも数十mは無線通信できると考えているはずだ。 すると、上記の経済産業省の説明とは合わない。どうしてだろうか。

もう一つ、購入後も取り付けられたままのICタグを読み取ることによって、 いつどこでいくらの値段で購入したかなどの情報が他人に知られる危険性があるとされている。 これも、ICタグの使われ方がわからなければ、何ともいえない。

現在のバーコードと対比してみよう。バーコードは、商品の種類とは対応するが、 値段とは対応しない。つれあいは、スーパーのレジで、売り場に表示されている商品の値段と、 レジの値段がしばしば異なることに腹を立てている。 現在のバーコードをそのままICタグ化するなら、値段を読み取られる危険はない。 しかし、スーパーのレジで、腹を立てずに済ませることにもならない。

どちらにせよ、ICタグも(バーコード)も、生産者や流通業者のための規格であり、 消費者のための規格ではない、ということを改めて認識するのだった。

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副題が「エクセルで注文の集計を行う」となっている。 この項ではピボットテーブルの作り方と使い方を説明している。 使い方を工夫すれば、面白い成果が得られそうだ。 なお、「企業診断ニュース」(2004年3月)の感想もどうぞ。

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MARUYAMA Satosi