企業診断を読む(2002年4月号)

作成日:2002-04-05
最終更新日:

はやるコーヒーショップの秘密を探る

コーヒーショップにはどのような秘密が隠されているか、いろいろな要因を見つけるために行う アンケートの一つの例である。

ここでも触れられているのだが、回答者のデータで必要な項目を取り忘れると失敗することがある。 たばこを吸うかどうかのことである。著者らは喫煙者か否かの項目を取り忘れたといったが、 ではほかの項目はどうなのだろうか。男性18名、女性40名ということしかわからないのである。 個人のデータはどんなものを集めたのだろうか。

回帰分析用のデータを作ったのはいいが、そのものを回帰分析にかけることはできない、 といっている。これは統計的な理由による、としか解説されていない。少し不親切ではないか。 推定すべき変数の数がデータの数より多ければ、ランク落ちにより変数が一意に推定できない、 ということに触れるべきだろう。

ところで、コーヒーショップといえば、国産のドトール、外国のスターバックスが双璧である。 ドトールよりスターバックスがおしゃれだという理由で、客の入りはスターバックスがいいらしい。 業績もスターバックスがいい。ところが、その「おしゃれ」という要因はどこにも 入っていない。本当に秘密がさぐれるのだろうか。もし、その「おしゃれ」の具体的要因が 知りたいという意味で行ったのなら意味はわかる。しかし、その結果として得られたのは タバコと雰囲気であった。雰囲気という要因は、単に水準としては「にぎやか」「ふつう」「静か」 という、騒音の面からの分析でしかない。ほかにも「おしゃれ」の意味付けができるのではないか。

ところで、私達夫婦はたまにしかコーヒーショップに行かない。腹が満たされないからである。 そして、ドトールとスターバックスのどちらへ行くかというと、スターバックスである。 理由は全面禁煙だから。スターバックスへ行く若いお嬢さんは、 タバコを吸わないで大丈夫なのだろうか、世界の七不思議である。

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