2011 年度 中小企業診断士一次試験問題

作成日:2010-09-13
最終更新日:

統計の問題

統計の問題は、運営管理と経営情報システムに出ている。 以下、解答を試みる。

運営管理

運営管理の第 17 問は次の通り。

ワークサンプリングを使って,出現率が p と予想される作業を, 信頼度 95% ,絶対誤差 a で推定するために必要なサンプル数 n は次式で与えられる。

n = (1.962/a2)p(1 - p)
出現率 p が 0.5 と予想される作業を, 信頼度 95%,相対誤差 0.1 (絶対誤差でないことに注意)で推定するために必要なサンプル数として,最も近い値はいくらか。

ア  100
イ  400
ウ  700
エ 1000

カッコ内の注意を読むと、そのまま与えられた式を適用してはいけないと推測される。 相対誤差が0.1 であれば、絶対誤差は 出現率 0.5 に 相対誤差 0.1 を乗じた 0.05 であろう。そして上記の n の式に代入すればよい。 すると n の式で a を含むカッコ内は (1.96 / 0.05)2 = 1600 程度である(1.96 を 2 で近似した)。 p(1-p) は 0.25 であるから、n の式は 400 とわかる。そこで解答はイと思われる。

答をみたら、17問の正解はイであり、正しかった。

経営情報システム

経営情報システムの第 24 問は次の通り。

破断強度を調べるために在庫している銅線をサンプル調査し,10 個のデータを得て,平均値の区間推定を行った。 以下のうちで最も適切なものはどれか。

ア 自由度を 10 として計算する。
イ 信頼係数 95 % で区間を求める場合,区間は -1.96σ から +1.96σの範囲である。
ウ 推定には、標準正規分布を使う。
エ 母集団分布は正規分布を仮定する。

統計は忘れてしまったが、常識から考えてみよう。 まず、アは却下される。10 個のデータであっても、自由度は 9 である。というのは、平均値を求めるところで自由度を一つ使ってしまったからだ。 あと、イ、ウ、エは何となく正しそうだが、正しいのはどれか一つである。 まず、イは正しそうだが、これは母集団が正規分布をしているとき、という仮定のもとでのみなりたつ。 その過程が書いていないのでイは捨てよう。ちなみに、正規分布のもとでは、 ± 1 σで 68.3% が、 ± 2 σで 95.4% が、± 3 σで 99.7 % が区間内に含まれる。 ウだが、推定には標準正規分布は使えない。というのはサンプルだからである。確か、この場合はカイ二乗分布を使うのではないかな。 となれば、エが正しい。というより、エを仮定しないと話が進まない。話を進めなくてもよいなら、 他の分布を仮定しようが一向にかまわない。

経営情報システムの第 25 問は次の通り。

分析のために業務データを多量に集めると,それは様々な確率分布をする。代表的な確率分布に関する説明として最も適切なものはどれか

ア 自由度nt分布をする変数の2乗は,自由度 1 および n の F 分布をする。
イ 生起確率が非常に低い多数の独立事象の分布を近似するには、超幾何分布が適している。
ウ 二項分布で有限母集団からの非復元抽出の場合はポアソン分布になる。
エ ベルヌーイ分布で平均値を 0 ,標準偏差を 1 に固定すると,ポアソン分布になる。

まず、ボアソン分布の説明のウとエはおかしい。ポアソン分布は生起確率が低い場合におこることを認識していないので、ウがおかしい。 また、エもおかしい。ポアソン分布の平均値が 0 ということはない。 あと、イは超幾何分布ではないだろう。ポアソン分布の説明と思う。そこで、消去法で、アが正解ではないか。

答をみたら、24問はエが、25問はアが正解で、やっと顔が立った、というところだろうか。

まりんきょ学問所 >> 中小企業診断士(休止中)勉強の部屋>> 試験問題>> 2011 年度中小企業診断士一次試験問題


MARUYAMA Satosi