2010 年度 中小企業診断士一次試験問題 |
作成日:2010-08-26 最終更新日: |
統計の問題は、運営管理と経営情報システムに出ている。 以下、解答を試みる。
経営情報システムの第 24 問は次の通り。
母集団の分布形状が不明であるが、その平均は 100 で標準偏差が 30 である場合、 ここから無差別に標本 1000 個を抽出するときに、 その標本の基本統計量に関する説明として最も適切なものはどれか。
ア 標本平均の分散は 0.3 である。 イ 標本平均の分散は 0.9 である。 ウ 標本平均の分布は χ2 分布である。 エ 標本平均の分布形状は母集団と同じになる。
統計は忘れてしまったが、常識から考えてみよう。
まず、エは却下される。こういうめでたい話があればよい。
怪しいのは問題文で、その平均は 100
というところである。
これは本来何らかの単位があってしかるべきで、ここでは 100 kg のように単位を補っておこう。
標準偏差も同じ単位で、 30 kg となる。
たとえば、100 kg 平均で 30kg の偏差があるといったら、
そうですね、ある大学のスポーツ科学部に属する学生の体重(質量)のデータというところでしょうか。
かりに、分布が正規分布だったとすると、全学生のうち 68.3 % が 70 kg から 130 kg の間に収まる、
というのが標準偏差が 30 kg であるという意味である。ちょっとこの例では幅が広すぎる気もする。
こう考えると、標本平均の分散は 0.3 だとか 0.9 だとかという数字は不適切だろう。
まず、母集団の分布形状が不明である状態で、標本平均の分散がわかるはずがない。
そうすると、残りはウ、すなわち標本平均の分布が χ2 分布である
というのが正しそうな気がする。だからこそχ2 検定が可能にったのではないか。
と思ったが、正答例はイだった。そんなことがあるのか。 古典的統計学を勉強して、出直してこよう。
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