2009年度 中小企業診断士一次試験問題

作成日:2009-11-24
最終更新日:

統計の問題

統計の問題は、運営管理と経営情報システムに出ている。 以下、解答を試みる。

需要予測と説明変数

運営管理の第13問は次の通り。

計量モデルによる需要予測に関する記述として、最も不適切なものはどれか

ア 最小二乗法による需要関数のパラメータ推定では、パラメータ数以上の需要データが必要である。
イ 重相関係数は、需要関数での推定がどの程度需要量を説明したかを測るのに用いられる。
ウ 需要関数の説明変数が多くなれば、最小二乗法における残差平方和は小さくなる。
エ 需要関数の説明変数が多くなればなるほど、予測精度は高くなる。

これは本質である。答はエである。説明変数が多くしたからといって、予測精度は高くなるとは限らない。

単回帰モデルと t 値

経営情報システムの第24問は次の通りである

ある地域の不動産価格をその床面積で説明する単回帰モデルを作成して計算したところ、 次のような結果になった。

この分析結果から明らかになることの説明として最も適切なものはどれか。

平方和 自由度 平均平方
回帰 378023 1 378023
残差 634400 35 18126
全体 1012423 36

非標準化係数 標準誤差 標準化係数
(定数) 453 90.8  
床面積 0.343 0.075 0.611
ア F値は 2.0 程度である。
イ 使用データ数は 36 である。
ウ 定数項の標準化計数は 5 程度である。
エ 床面積の t 値は 4.6 程度である。

こんなの行わなくてもAICを使えば一発なのに、というのが私のかねがねの主張である。 さて、自分の知識でどれが正解かを選ばないといけない。

まず、イではない。使用データ数が 36 であれば、自由度は 38 にならないといけない。 少なくとも、使用データ数と自由度は一致しない。 2 つ足されているのは、偏差の分の自由度と、モデルの分の自由度があるからだと思う。

後はどれを選んでいいのか見当がつかない。特に、非標準化係数と標準化係数の意味がわからない。 伝統的な統計学は覚えていないからだ。それでも、考えてみよう。 設問から考えると、不動産価格を y 、床面積を x とすると、 モデルは y = ax + b であり、最小二乗法によって a と b を求めて、 これらの票を計算したものと思われる。

根拠もなく、エを選んでみる。第2の表で、床面積の行があり、 非標準化係数を標準誤差で割ると、4.6 程度になるからだ。 念を押しておくが、私は t 値の定義を覚えていない。

答はエであった。しかし、まぐれあたりである。

なにも t 値などを持ち出さずとも、AIC 一本で考えられる、ということだ。

クロス表の分析とカイ2乗検定

経営情報システム第25問である。

建設業工事受注の県別1企業当たり発注元数を、 元請工事と下請工事に分け、A県とB県で比較するクロス表を作成したところ表1のようになった。 この表1に基づいて工事契約の種類と県の違いが相互に独立であると仮定した場合の期待度数を計算すると、 表2のようになった。

表1 発注件数
A県 B県 合計
元請工事 8 9 17
下請工事 7 6 13
合計 15 15 30
表2 期待度数
A県 B県 合計
元請工事 8.5 8.5 17
下請工事 6.5 6.5 13
合計 15 15 30

これから以下の2つの計算を行なった。

`y = (30 times (8 times 6 - 7 times 9 )^2)/(17 times 13 times 15 times 15)`

`z = (8-8.5)^2/8.5 + (7-6.5)^2/6.5 + (9-8.5)^2/8.5 + (6-6.5)^2/6.5`

これらの計算値とχ分布表を使って独立性検定を行なった。 以下の記述のうち最も適切なものはどれか。

ア y と z の値は、理論上同じ値となる。
イ y の計算は平均値の検定の計算である。
ウ z の計算は平均値の検定の計算である。
エ 正規分布を使う比率の差の検定では、独立性検定と異なる結果になる。

これもわからない。アにしよう。イでもウでもエでもなさそうだからだ。

これもまぐれあたりである。AIC 一本でいけるのに。

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MARUYAMA Satosi