中小企業白書を読む(2011年) |
作成日:2009-07-19 最終更新日: |
今年は、発行元が同友館になった。
p.193 にガゼル企業という、耳慣れないことばがあった。アメリカの経済学者バーチの造語で、 特に成長力が高い少数の企業を指していう。 ちなみに、ガゼル ( Gazelle ) とは、ウシ科の動物の一種である。 砂漠地帯に住む群れのなかで抜きんでた行動力をもった哺乳類であることから名付けられたようだ。
この中小企業白書では、ガゼル企業を
従業員増加数の累積が 50 % を超える部分の雇用を創出した企業
と定義している。
これだけでは何のことかわからないが、自分なりのことばで説明する。
2002 年から 2007 年にかけて、雇用が増加した企業を母集団とする。全部で 11万 3336 社ある。
このうち、先の 5 年間で 30 名以上雇用が増加した企業が 7954 社ある。これらをガゼル企業と呼ぶ。
先の定義と異なると思われるだろうが、こういうことだ。
母集団の雇用増加数を x としたとき、先の定義によるガゼル企業だけの雇用増加数がほぼ x/2 となっているというのだ。
このガゼル企業は 7954 社 しかない。11 万 7954 社という数に比べればわずか 7.0 %にしかすぎない。
さて、このようなガゼル企業はどんな業種に多いのだろうか。第 3-1-19 図によれば、 医療、福祉の分野に多い、ということがわかる。同分野の母集団に対する率はわずか 1.4 % だが、 ガゼル企業に占める同分野は 21.5 % にのぼる。 理由は、医療福祉分野は労働集約的ということだからなのだろう。 もっとも、情報通信業にもガゼル企業がある。といっても、母集団での割合での 3.1% が、ガゼル企業での割合が 5.0 % となる程度だ。
さて、どういう結論を出せばいいのか。私にはわからない。
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