中小企業白書を読む(2004年)

作成日:2004-07-03
最終更新日:

1. 2004年中小企業白書について

版形が A4 であるのは去年と同様。また、 CD-ROM がもれなくついていること、総天然色であること、 発行元がぎょうせいという会社であること、 白書の表紙の地が白くないため、白書とは呼べなくなったことは、去年と同様である。 価格は 2190 円(+税)と高くなった。 内容は充実しているのだろうか。 それをこれから見ないといけないが、荷が重い。

2. 誤植について

昔ほど誤植を見つける力がなくなった。今のところは次の通りである。

ページ備考
6028.5(27.2) 28.5(12.2)第2-1-4図90年運輸・通信業比率
276整備行った 整備を行った左列、下から10行
366仮説とおりの結果となった 仮説どおりの結果となった最下段

面白い誤植がなくなったが、これも見つける力が衰えたからか。

3. 統計データの表示方法

中小企業白書(2000年)で文句を付けたことを、今一度繰り返す。 自由度が極端に少ないデータはグラフにする意味がない。そのデータをグラフにしているのは、 誌面の無駄遣いである。

例えば、p.206 第2-3-67図がある。「経営者をやめた際の事業の整理方法」である。 選択肢は2つ、「廃業・精算した」が81.9%、「他の人や企業に譲った」が18.1%である。 わざわざこのデータを、円グラフにしているのだ。数字で表せればわかることだ。 グラフ化は直感的に把握するのに適しているが、これは多くのデータの傾向を探るために必要だからだ。 なぜわざわざ自由度が1つ(廃業・清算以外は譲ることしかないのは自明)のデータを、 円グラフにする意味はない。他にも、第2-1-92,94,95図、第2-3-6図など、 自由度が1つのデータを円グラフにしている例がある。このようなデータは文に記すにとどめ、 グラフの範囲内に他の有益なデータや考察を示す必要がある。

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MARUYAMA Satosi