泌尿器科医・木村明の日記


検証・グローバル危機


最近日曜日は日経を真面目に読んで、昨年9月15日以降何が起きているのか、勉強しています。

先週日曜の「検証・グローバル危機」はロシアバブル崩壊と円高の説明でした。

リーマンショック後、ロシア企業の株価も下落しました。

でも、

株価を押し上げたのは欧米の金、下落したのも欧米の金が逃げたから、

外人は損したかもしれないが、ロシア人は関係ない、

ロシアの企業は今まで通り仕事をしているので心配しなくて良い、

とプーチンさんは最初は思っていたそうです。

ところが実はロシア企業は、高騰した自社株を担保に欧米で金を借りて、外国企業の買収(M&A)をしていたのだそうです。

なので、リーマンショックで自社株の価値が暴落したら、借金の返済を迫られ、

ロシアの通貨ルーブルを売ってドルを買わなければならなくなりました。

日本は10年前から低金利政策を続けていました。企業に金を借りやすくして、設備投資してもらって、景気をよくすることが目的です。

でも、日本人は、日本の銀行にお金を預けても利子が付かないので、ドル預金など、海外にお金を貸しました。

日本の低金利政策は、日本人を「世界の金貸し」に育てたのです。

リーマンショックが起こる直前、日本人だけが外国にお金を貸していたのです。

そして、リーマンショック。日本人はバブルがはじけたアメリカから損を覚悟でお金を回収しました。

つまり、ドルを売って円を買うわけです。その結果、円はドルに対して値上がりしました。

一方、海外からお金を借りていたロシア人は、ルーブルを売ってドルを買わなければならないので、その結果、ルーブルはドルに対して値下がりしました。

円はルーブルに対して2重に高くなったわけです。

ロシアで高級車として人気だったレクサス。一時は、注文から納入まで1年かかるほどの人気でしたが、不況と円高のダブルパンチで、キャンセルが相次ぎました。

ロシアの株価低下は欧米以上、日本のGDPの低下率も欧米以上です。

リーマンショックによる損失がロシアや日本で大きいのは、ロシアは外国人のお金に、日本は外国人の購買力に大きく依存していたということなんでしょうね。

日経には登場しませんでしたが、先月のNHKスペシャル「マネー資本主義」にはミセス・ワタナベが登場しました。

2007年頃、海外で資産運用していた主婦達の総称がミセス・ワタナベ、だそうです。

素人が財テクに走るのは危険を伴います。気をつけましょうね、事務長!
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