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神奈川県東部泌尿器科研究会@新横浜フジビューホテル


12月第1土曜日に開かれるのでいつも、横浜臨床医学会学術集談会とかち合う神奈川県東部泌尿器科研究会。

一昨年と今年は神奈川県東部泌尿器科研究会のほうに出席。

テーマは膀胱がんに行う膀胱全摘+回腸導管の術後指導。

患者さんの悩みが分かるようになって、有意義な勉強会でした。

もうこの手術に関与する事はないので、今更わかっても手遅れですが。

この手術、医者にとって最大の関心事は、

癌を取り残さなかったか?

尿管と回腸、回腸と腹壁の吻合はちゃんとくっつくか、

です。

私が東京共済病院で手術していた頃は、患者さんは8本管がついた(体がスパゲッティー)状態で手術室から出てきます。

術後が順調なら、このスパゲッティー、2週間ですべて抜きます。

癌は取り切れている、とのレポートも2週間で届きます。

医者にとっては、ここで目的達成です。

でも患者さんは、この頃からパニックになります。

腹壁に貼り付けた集尿袋の隙間から尿が漏れるのです。

集尿袋を上手く貼り付けたと思っても、少し体をねじっただけで、尿がざざざ。

医者の立場からすれば、お腹の中に尿が漏れるのに比べれば、そんなの何でもない。

早く貼り方を覚えて帰ってくださいね、って感じでした。

昨日は、看護師さんたちの発表を聞き、反省しました。

体がスパゲッティー状態のときは、患者さんは受動的。

回腸導管の抜糸が終わった時から、患者さんと家族(と看護師)の戦いが始まっていたんですね。

癌は取りきれました、と説明しても、

腎盂造影のきれいな写真を見せて、尿はお腹の中に漏れていません、と説明しても、

厳しい表情をされていたのは、

集尿袋の接着が上手く行かない、これでは暮らしていけない!

だったんですね。

二日連続でフジビューホテルかよ、勘弁してよ、と思って行きましたが、大変勉強になりました。

でも、Too late ! Too late ! (トゥエルブモンキーズのセリフ)
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