泌尿器科医は偉いんだぞ
一昨日、娘と食事したのは、Cantinetta Adornoという、地方都市にあるのが不思議なくらい高級なイタリアンレストラン。
Adornoという陽気な感じのイタリア人がオーナーシェフの店です。前期研修医が親を連れて行く定番(?)の店のようです。
娘に「レスピレーター(人工呼吸器)の使い方の分かりやすい教科書は?」と聞かれました。
術中の呼吸管理は麻酔科の仕事ですが、レスピレーターをつけたまま病室に戻ったら、その後のレスピレーターの設定は受け持ちの仕事。
「器械の設定マニュアル本をさがすのではなく、呼吸機能を理解する事が大事」、と偉そうにアドバイスしてきました。
動物が植物と違うのは光合成ができないこと。なので生きるためのエネルギーは食べる事で確保します。動物にとって一番大事なのは消化器。
食べ物を食べるためには、獲物を追いかけなければなりません。筋肉があるのも動物の特徴。動物(動く物)にとって2番目に大事なのは筋肉。
食べ物を筋肉で燃やすと、二酸化炭素と水ができます。
これを捨てるのは肺と腎臓。
腎臓と肺は炭水化物を燃やしてできた副産物の廃棄を共同で行います。
泌尿器科の手術後は尿が体の中に漏れて、再吸収されることがあります。
尿を外に出せなかった分、肺に余計にがんばってもらわなければならないことがあります。
泌尿器科医は術後管理をやらされるうち、レスピレーターの設定も得意になります。
泌尿器科医は
性病や
EDだけの専門家ではないのです。
ここでブログをお終いにしては、
ブロ友のひとりへの仁義を欠きますので、もう少しだけ。
個体が生きていくこと以外に、生物には子孫を残すという大事な使命があります。
そのためには異性にアピールする外観もすごく大切です。
ということで、今日は、消化器(
ドクターフリッカー)、筋肉(
亜沙郎先生)、美容(
ドクターM)に気を使いつつ、
泌尿器科医はマイナーではないんだぞ、レスピレーターだって扱えるんだぞ、
というアピールでした。
娘の名誉のためにもう1行。
レスピレーターの話題になったのは、医師会雑誌最新号:呼吸器疾患をお土産に持って行ったから。医学に関して私は娘にそんなに当てにされていません。
2008年11月4日の院長ブログ原稿
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