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緑道でドイツ美人:あざみ野うかい亭


昨日も診療終了後、緑道をジョギング、久々にドイツ美人とすれ違いました。

夜はあざみ野うかい亭で、センター南駅近くのドクターにお会いしました。うかい亭は料理人の技を見、説明を聞きながらですので、一緒に食事している人との話はその分少なくなります。
今週は4つ会がありましたが、刺激が大きかったのは、やはり火曜の会です。久々に勤務医の先生と話をすると、開業しても楽ではないことを承知の上で、でも勤務医を続けたくない事情がわかります。
入院費が出来高払いから包括払いに変わったのは私の開業後の話なので、実情がどうなのかよく分かりませんでした。出来高払いから包括払いへという理想はいいのです。出来高払いでは手術が下手で傷を化膿させる医者の方が売り上げが増えます。包括払いなら、腕が良くて早く退院させられる医者が病院経営に貢献できます。
でも、包括払いでは、できるだけ早く退院してもらわなければならないので、患者さんの訴えはできるだけ聞かないようにしなければならないのだそうです。
当院で前立腺癌の内分泌療法(1本5万円の注射を月1回)をしている人が、先月、変形性脊椎症の手術をするためにある病院に入院しました。次回注射日までには退院できない、という電話があったので、私は気楽に「では、紹介状を書いてあげるから、その病院の泌尿器科で注射してもらいなさい。」と話し、紹介状を郵送しました。
その病院の泌尿器科から、注射しました、との報告書をいただきましたが、あの注射薬代は包括払いに含まれ、病院から持ち出しになったのでしょうか?今のところ、すべての病院が全ての病気について包括払いにしなければならないのではないそうなので、迷惑をかけたかどうか、またその病院のドクターに会ったら聞いてみるつもりです。
仮にその病院も包括払いだとすれば、「1週間ぐらい注射が遅れても、注射薬の効果はすぐには切れないから、退院してから開業医に注射してもらいなさい。」と言うのが、病院経営を優先する「いい子」の模範解答になります。
もっとありふれた状況としては、「水虫の薬を下さい」、と言われても、「退院してから、近くの皮膚科に行きなさい」、という対応をするのが、「いい子」なわけですが、そう答えなければならないとしたら、医者と患者の良好な関係は保てないでしょう。
患者さんが訴える症状を聞かないふりをして、検査もせず、強引に早期退院させて、もし術後合併症を見落としていたりしたら、大変なわけです。
病院経営の優先(都立病院でも潰れます。青山病院はもうすぐなくなります)のために患者を早く追い出し、訴えられないために全ての医療行為に同意書を書いてもらう、勤務医を辞めたくなるのはよくわかります。

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