水の都ヴェネチア。
蒼い空と海は、さわやかな風を
運んでくれる。 しかし、
この海が荒れたらどうなるんだろう、
と心配になるくらい陸地は低い。
水辺に向かうこの独特の街並みは
そこに日常があるにもかかわらず
私の目には非日常的に映る。
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ヴェネチアと言えばヴェネチアングラス。
工房で実演を見学し、
陽気な店員さんの説明をみんなで聞く。
その歴史と美しさと技術は勿論のこと、
素晴らしい強度にびっくり仰天!
なんと鏡の上に新品のグラスを落として
「ハイ、ワレナイネ〜。」
職人によって受け継がれた技術というのは
何物にも代えがたい財産だな、と
つくづく思ったのであった。
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もう一つ忘れてならないのはゴンドラである。
美しい運河を、ゴンドラに乗って
縦横無尽に動き回る。
小さい頃、絵本で見た光景である。
6人で一艇のゴンドラに乗り込み、
大運河カナル・グランデを行く。
水の中に浮かぶ家、同じ色の瓦屋根。
ぴたりとくっついた家々には、
さすがに歴史の色がにじんでいる。
ゴンドリエーレ(漕ぎ手)のロールさばきは
素晴らしく、どんな角でもどんなすれ違いでも
ミリ単位のコントロールで
顔色一つ変えずに進んでいく。
きゃあきゃあ騒いでごめんなさい・・・。
→これは溜め息橋。
あまりの美しさに漏れる溜め息、ではなく
捕らわれ人が死刑台に向かうとき、
最後にこの世との別れを告げる橋である
ことからきている。
右手、格子窓の建物が牢獄。
橋を渡る時、サン・ジョルジョ・マッジョーレ
教会が見える。
この世とお別れする気分で渡って下さい、
と言われて、とても切なくなった。
サンマルコ広場。ヴェネチアの中心である。
サンマルコ寺院の内も外も、
素晴らしいモザイクで飾られている。
広場には観光客もさることながら、
おびただしい数のハトが群れをなしている。
そのハトが、むせるほどの羽を散らし、
かなり攻撃的に飛んでくるのである。
こんなにハトを脅威に感じたのは
生まれて初めてである。
ヒッチコックの「鳥」って、こんな感じかな?
お待ちかね、本日のランチは
イカ墨のスパゲティーと魚介のフリッター。
イカ墨パスタは今まで何となく敬遠していた
けれど、思い切って食べると案外おいしい。
しかし、食事中の会話には気を遣う。
あまり大きな口を開けて笑うと
お歯黒が丸見えだからである。
慣れぬおちょぼ口で食事を平らげ、
こっそり鏡を見て「に〜っ」。歯は大丈夫。
満足して店をあとにしたのである。