サンジミアーノは塔の街。 街に近づくにつれ、
小高い丘に煙突のように建つ
塔の群れが見えてくる。
かつては権力の象徴であったらしいが、
今は静かな街並みと調和している。
ちょうど広場に面した教会で結婚式があった。
二人を祝福するかのように
美しい雲が空を飾っている。
幸せを絵に描いたらこんな感じだろうか。
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日射しはまだ強いが季節はもう秋。
9月の声を聞くと、日本ならずとも
雲が秋を告げるらしい。
ふと見上げると、秋色の空が広がる。
深呼吸すると、なんだか体が軽くなる。
違う国にいても空はひとつなんだ。
時代が変わっても空はおんなじ。
焦って観光するよりも、
こんなふとした光景に出会いたい。
旅って、そういうものなのかもしれないな。
教会の隣の塔に登る。
ぐるぐるとひたすら階段を上り、
一人分の幅しかない梯子を使って屋上へ。
当然呼吸は乱れ、足はガクガク。
しかし360度開けた視界に疲れも忘れ、
その美しい眺望に酔いしれる。
肩を寄せ合うように作られた家々の外には
一見無秩序に並べられたような畑が広がり、
なぜか防風林だけは整然と植えられている。
このアンバランスさはきっとお国柄なんだろう。
ペルージャの夕暮れ。
というとロマンティックに響くが、
実はアッシジからペルージャに沈む夕日を
見たところ。
イタリアでは今、中田選手のお陰で
空前の日本ブームだとか。
ガイドさんは、滞在中一度は街で「ナカタ!」
と声をかけられるよ、と言っていたが、
結局「ジャポネ」しか耳に入ってこなかった。
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←これはシエナのサリンベーニ宮の前。
子供たちが楽しそうに遊んでいたのでパチリ。
建物は現在も使われているが、
一階部分に窓がないのは戦いに備えてとの事。
中世の激しい戦いを想像させる。
この近くの広場で私たちは、
謎の道路掃除の車に襲われた。
ものすごい土埃をあげ、逃げても逃げても
執拗に追ってくる。不気味である。
そんなに気に障ることをしただろうか。
ここは中世の街。
もしかすると、追われる身を体験する
オプショナルツアーだったのかも知れない。
頼んでないのに・・・。