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アメリカ版TENNIS 1995年4月号 ランニング・フォアハンドの打ち方 文:Pete Sampras、プレイング・エディター Alexander McNab 写真:Dom Furore |
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我々の新しいプレイング・エディターが、彼の得意の ショットのカギについて、実演と説明をしてくれる |
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ボールがランニング・フォアハンドの方に飛んでくると、僕の目は大きく見開かれる。自分が何をすべきか正確に知り、大きなチャンスだと意識する。自分がウィナーを打てる―――あるいはウィナーでなくても、2〜3ストローク後にはそのポイントを取れると感じるのだ。 もし得意のショットを持っていたら、相手にそこへ打たせよう。僕はベースラインでのラリーの際、相手がバックハンド・ダウン・ザ・ラインを打てるように、そこを空けておく。僕はランニング・フォアハンドが好きだからだ。 たとえば1994年マイアミ決勝でアンドレ・アガシと対戦した時、彼はバックハンド・ダウン・ザ・ラインで僕を驚かせようとし続けた。 僕としては完璧な取り合わせだった。僕は素速くそれに追いつき、ランニング・クロスコート・フォアハンドを打って、そのポイントを取れるだろうと感じる。僕はランニング・フォアハンドでそのポイントを取れるか、あるいは失うかのどちらかだ。中間はない。 |
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重要なのは、僕はそのショットを打ちに行くという事だ。多くのクラブ・プレーヤーは、とにかくボールに追いついて相手のコートに返し、センターへ戻る時間を稼ごうとする。それは賢明なテニスだが、もっと積極的にもやれる。 ランニング・フォアハンドは、僕のストロークの上達に伴い、この2〜3年の間に身につけてきたショットだ。前から悪くはなかったが、より使うようになり、自信を深めるにつれ、それは強みとなっていった。僕のアドバイスは、コントロールしつつも攻撃的に打つ練習をする事。次のページから、どうやるか僕が見本を示してみよう。 |
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クロス・ステップをする 右足を軸に小さく回転した後(左下の写真)、ボールへ向かって全力で走る。最初の1歩―――左足を交差して踏み出すのだが―――は重要だ。そこで、うまく行くかどうか分かる。 とても速くステップしなければならない。バランスを保つため、できるだけ速く追いつかなければと考える。 この最初の素速い1歩を踏み出さなければ、このショットはうまく行かない。 |
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移動しながら身体をひねる ボールに近づくにつれ、バランスをとるためにスローダウンしよう。すべてはタイミングである。 急がなければとは感じたくないが、ボールに到達する時点では、僕はまだ少し移動中である。もし早く到着しすぎて、ボールを待つような事になると、むしろタイミングは崩れてしまう。 一歩一歩ステップしながら徐々にラケットは後ろに引かれていき、上体はひねられていく(左下の写真)。これはタイミングのパターンで、身体が動くのにつれて、腕も心地よく動いていく。 ボールに追いついてから、最後にラケットを引くのではダメだ。一方、初めからラケットを後ろに引いて走るのもまずい。 |
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ボールを叩こう ベースライン上かちょっと後ろの位置にいる時(左下の写真)、実に攻撃的なショットが打てると感じる。いいショットが打てる時には、適切なスピンをかける事により、充分威力もあり、なおかつコントロールも利かせられる。 実際にボールを叩く時の腕・手首・ラケット・コンタクトについては、ただ自然にやっているので説明はできない。 しかしボールがフォア側に来るのを見ると、僕はそれを打ち込むだろうと知る。調子の悪い時は、ベースラインのずっと後方に位置するか、フラットで叩きすぎるからだ。 ミスが多い時は、もっとスピンをかけて打つようにする。コントロールしつつできるだけ攻撃的に打ってみよう。 |
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立て直す準備をする 僕はほとんどの場合、クロスへ打つ。右利きの対戦相手は、その反対側にいる事が多いからだ。彼はおそらく、バックハンド・ダウン・ザ・ラインを打ってアドコート側におり、従ってフォア側は空いている。 僕は深さよりもワイドに打つべく、サービスラインとベースラインの間くらいを狙う。もしウィナーを打てないと感じたら、少し後ずさり、とにかく深く打つ事を心がける。(相手がネットにいる時は、ダウン・ザ・ラインに打つのが好みだ) その後、右足を押しやって立て直す。 (左下の写真)いいショットを打ったと感じたら、センター方向に戻る。もし相手が追いつくと感じたら、そこに留まり、次のショットに備える。アングルに打ち、プレイを続ける準備をしよう。 |
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