お馴染みの植木算と鶴亀算を組み合わせてみた。植木算については、状況を把握するヒントとして図を入れてある。現代っ子にとって、植木算のような状況は未経験だろう。だから、状況をイメージできないまま、解法を覚えるだけの子が多いように思う。所与の状況をイメージし、そこから数量の関係を抽出する(問題を捨象し本質を捉える)という姿勢を身につけることが大切だろう。鶴亀算については、考えるヒントは示していない。足の数を面積に置き換えて説明されることが多いが、何故そう考えるのかについて考えることは余りないように思われる。解法を覚えるのではなく、自分で解法を編み出すことが大事だろう。4学年ではグラフを習うので、グラフの学習を兼ねて、グラフで解いてみるというのも一つの方法ではあるまいか。
なお,小学校4学年で考えることを前提に、4年以降で習う漢字には下線を引き,title属性を利用して振り仮名を入れてある.したがって,マウスカーソルを置くと振り仮名が表示される.それでは,お楽しみあれ.
因みに、肉食のムカデが種を蒔くことはあるまいが、蟻がカタクリ(片栗粉はカタクリの根から作った澱粉)を播種していることはよく知られている。
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蟻が三々五々集まって来て、話し合いをしています。最近、木が少なくなったという意見があったからです。自然環境が悪化すれば、ここには住めなくなるかもしれません。そして、話し合いの結果、このまま手をこまぬいてはいられない。みんなで木を植えようということになりました。
みんなで相談し、木を植える場所は丸池の周囲と森に続く道にしました。
手始めに、今年は、池の周囲に木を植えます。みんなで測ってみると、池の周囲の長さは96mありました。ここに等間隔に木を植えます。池の周囲は96mですから、 mおきに木を植えることにしました。
作業には、全員にスコップと長靴を用意する必要があります。スコップはそれぞれの蟻に1本ずつですが、長靴は2足ずつ必要です。
当日参加できる蟻を募ったところ、12匹が手を挙げました。
作業するのは12匹ですから、スコップは 本、長靴は 足必要になります。
木は、96mある池の周囲に mおきに植えるのですから、 本必要です。
蟻ですから、もちろん、大きな木を植えることはできません。木を植えると言っても、植えるのは木の種です。森にある木の中から植えたい木を選び、その木の実を拾ってきて植えるのです。やがて、種は芽を出し、幼木になり、若木になり、大きく育つでしょう。そして、池の周りには涼やかな木陰ができるでしょう。春には花が、秋には紅葉が池に映え、みんなが憩える美しい池畔になるでしょう。
池の周りに木を植えた蟻たちが、再び、集まって相談をしています。今度は森に続く道の両側に木を植えようというのです。今回はムカデたちも協力してくれます。
丈夫な並木にするため、道の両側に3m、8m、3m、8mというように間隔をあけて木を植えることにしました。みんなで道の長さを測ってみると、300mもありました。道の長さは300mですから、並木を作るのに必要な木は片側に 本、両側では 本になります。
さて、作業のためにスコップと長靴を用意します。蟻は前回と同じで、蟻1匹にスコップを1本、長靴を2足使います。今回はムカデも手伝ってくれますから、ムカデの分も用意する必要があります。ムカデの場合、スコップは、蟻同様、1本ずつですが、長靴は、足が沢山あるため1匹に14足も必要です。
参加した蟻は 匹、ムカデは 匹でした。大勢が参加してくれたので、用意したスコップは全部で56本、長靴は472足にもなりました。
蟻とムカデですから、もちろん、大きな木を植えることはできません。木を植えると言っても、植えるのは木の種です。森にある木の中から植えたい木を選び、その木の実を拾ってきて植えるのです。それから十数年、みんなが協力して植えた種は大きな木に育ち、見事な並木になりました。春には花が咲き、夏には道の両側の木々が涼やかな影を道に落とします。秋には落ち葉が道を覆い、散歩するのがとても楽しい並木道になりました。