海月製作所&ジェリーフィッシュ
ぜ、絶体絶命!
時間がない!ど、どうする!?
ええい、奥の手!
忍法「発売1年ずらしの術」〜!

 
     

 

パワースレイブ
1995
格闘ACTもどき/ゲームB/精液B(顔1:口1)
キーワード:独特の戦闘システム・2人目の敵が最強・・・

リアルタイプでコマンドを入れていく格闘ゲーム。

どおってことないゲームです。これが「ラブエス」のWIN版をひたすら引っ張っている海月製作所の処女作。まあおもしろいんだけど、まだまだ。戦闘、Hシーンともアニメを使用している。が、まだまだ。

 

 

Rookies
1997
ADV/ゲームA/精液A−(顔3:口0)
キーワード:ダメ男・したたかな女の子・ほっからかしのフィアンセ

売れない探偵がある学園のドラッグ禍の調査を依頼される・・・・。

オーソドックスな探偵ADV。これが海月の第2作。これはおもしろかったねえ。アニメこそなくなったがストーリーもキャラも前作より格段にレベルアップしてる印象。主人公の彼女とのHが無いというのは減点だが、エロも及第点。この1・2作で培った経験が次回作で花開くことになる。海月は非鬼畜精液ブランドだから俺も肩入れ。

 

 

ラブ・エスカレーター
1998
友達裏切りADV/ゲームA/精液A−(顔5:口2)
キーワード:結局、この作品に一生を使うつもりか>海月の面々

海月の第3作目。自分の大親友が自分の元彼女を、そうとは知らずに好きになる。と同時に焼けぼっくいに火がついてそのモトカノともよりが戻ってしまう。友情か濃い・・もとい恋かどちらを選ぶか。というちょっと漱石の「こころ」のようなお話、でもないか。

98DOSゲーム最後の傑作。小生、これをパッケージを見て「しょーもないカクテルソフト路線のラブラブものにちがいないわい、フン」とみておった。

懺悔します。

これは俺が長年探し求めていた「ラブストーリーとエロの幸せな合体」をかなりのレベルで実現している作品だったのだ。長大ながらもダレず、しっかりと手応えがあるストーリー(ちとクドいが)。キャラが立っていながらの感情移入を阻害するほどは奇特すぎない登場人物。これでもかのHシーン。 「パワースレイブ」「ルーキーズ」と着実に成果を上げて来た海月製作所の乾坤一擲。もうすれっからしの今の私にも響きました。うん。

とにかく理恵ちゃんにつきますわ。このゲーム。 デートを重ねるたびにプレイの種類が増えていくというよくあるやつなんですが、このシチュエーションの種類が膨大。何十種類とあります。しかもその全てがアニメなんですよっ、おにーさん!!!

口射は2回(よっしゃ!)、顔射3回(おおう!!)、その他パイズリ、青カン、アブノーマルと何でもあり、体位多彩、フェラだけでも7種類ぐらいある(なんか裏ビデのカタログのリードみたいだが気にしないでもらいたい)。しかもそれは「恋人同士」の間で行われるんですよ!「ちちうし」とか「肉奴隷」相手ちゃいまっせ。いいな〜これ。ちなみにあと二人のサブキャラも1回だけHできるが、どっちともフィニッシュは顔射。イカすぜ!

ユーザーインターフェースも行き届いていて一度見たシチュエーションは全てせりふ付で回想できる。スカトロもない!しかも98DOS版をWIN上で動かせるソフトがフリーでWEB上にて手に入るぞ。これでAT互換機ユーザーも安心だ。
みんな買おう!!!!

上に書いた海月の他の2つの作品もいい。全部絵描きさんが違うと思うけど、みんな魅力的だ。でも精液描写は「ラブ・エス」が一番ミルクでいいぜ。もっとトロっとしてたら1位でもよかったな。

もっとこういうゲーム作って欲しいよな〜。(注:ここから「凌辱」のとこに書いたものとやや矛盾します。)最近純愛と鬼畜がぱっくり分かれすぎだって。なんで「Piaきゃろっと」とかでエロエロのシーンないの?コンシューマに移植しなきゃなんないから?それじゃHシーンの1枚目だけ超ソフトにしてそれだけ使い回せばいいじゃんか。「Hなくても別にいい」っていうゲームをアダルト指定するのは、単にそうした方が売れるって事でしょ。それはユーザーに対して不誠実すぎないか?Hじゃないゲームを18禁にして出したらいかんよ。

逆にHの過激なのは何でことごとく鬼畜なんだ?「Natural」とかも鬼畜に走らないと過激なHを見れないやん。何で?女の子の羞恥の表情は俺も見たい。でも見たいがために涙も一緒に流させるようなことするのは好かん(SMはいいんだよ、別に)。むりやり「ご主人さま」とか呼ばしたくないよ、俺は。PILなんかはある意味もっと深いところの嗜好を提示してるフシもあるから、責めきれないところもあるけど、「悪夢」とか、3位に入れちゃったけど「凌辱」とか「鬼畜のための鬼畜」ってのは最悪の見せ方だと思う。SMでどれだけでも被虐に耐えられるのは愛ゆえ。レイプされて感じる女がいるかっつーの。とにかく純愛=ソフト、H=鬼畜っていう二元化の風潮はすこぶる気分が悪い。今回俺のランキングで選んでるのは「愛」に基づくエロを押し出してるものばっかりだと思うぞ。

かくして(俺にとっての)学園系正調恋愛エロゲの系譜は「天使達の午後3 番外編」に始まり、「下級生」を経て、この「ラブ・エスカレーター」へと細々と受け継がれている(あと、「マーシャルエイジ」を入れたいけど、あれは学園物とはちょっとちがうか。ありふれた設定なのに名作はほとんどないのね。誰か知ってたら紹介して)。WIN時代に入って、新しい扉を開けてくれるエロゲを俺は待ってる・・・・・・。一流どころなら簡単だと思うけどなあ。なんでどこもやらないんだ。「マーシャルエイジ2」に期待してたのに(涙)。

 

GREEN〜秋空のスクリーン〜
1999
スポットライト参照

 

 

GREENHORN
2000
スポットライト参照

 

 

Lovers〜恋に落ちたら・・・〜
2003
友達裏切りADV/ゲームA/精液A(顔7:口3[すべて顔アップ])
キーワード:ボクも高校時代修学旅行でハウステンボスに行きましたねぇ。

ジェリーフィッシュの前身海月製作所の1998年の作品「ラブ・エスカレーター」のリメイク。友情か、恋か・・・。親友と元彼女との三角関係。ほろ苦い恋の物語。

すったもんだがありました、が。
世の中、認めざるを得ない時もある。
やっぱ、これは傑作ですよ。

DOS版をもう何遍もやったからよく知ってるにも関わらず、オープニングだけで既に胸が苦しくてどうしようもない訳だ。本作の主人公は、自分のアイデンティティだったサッカーで大敗して以来、サッカーを辞めてしまい延々とへたれる奴。ヒマさえあれば、くよくよイライラ。終わりのない自分探しを飽きもせずやっておる内向青年です。よくこういう奴いるでしょう。世の中で揉まれる根性もないくせに回りを総括するのだけはいっちょまえ。チャラチャラしたヤツへの軽蔑と嫉妬、さりとてモテたいジレンマが屈折に輪をかけ、俺の「本当の魅力」を理解してくれる空想のマドンナに憧れながら、ゴールデンタイムのバラエティ見ながら世のアホどもへの悪口を垂れ流す(でも、テレビは消さない)。そしてその結果、回りの評価は偏屈者。求めるものと行動がどんどんと乖離していく悲しい存在。そうだよ、俺だ!まさに俺の高校時代だよ!

それならそれで、身の程をわきまえてクラスの隅でおとなしくしてればいいんですが。またこの主人公、親友の好きな娘が自分の昔のガールフレンドだったという偶然に乗じて、その娘を寝取るという大技をかます。今の俺ってイケてない!でも、お前が俺を認めてくれたら、俺は立ち直れるかも!と、典型的な他力本願のへたれ思考。しかも、一番近づきやすい女(元カノ)に走る。そして、そのために親友をあっさり犠牲にしよるんですわ。単にですよ、。なら、鬼畜として自覚すればいいのに、自分可愛さに保身に走る。親友と恋人それぞれに玉虫色の行動を取っているうちに、どんどんと閉塞状況になっていく。非常にたちが悪い!オープニングを終わった時点で、俺のようなへたれ者は社会の迷惑にしかなってねぇな!と床をのたうち回れてノリノリですわ!トホホ・・・。

いや、実際、こういう設定は腹立つけど、物語の始まり方としては非常にいいと思う。緊張感あるし、しかも、なんだかんだ言って、回りの奴が良いという娘を手に入れるというのは誉れだということは間違いない。「ステイタスと寝る」という感覚は意外と大きい。人間は社会的な動物なんだし。ヒロイン・河合理恵はやたらモテる娘で、それが余計にその娘を地位を高いものにしている。「恋する妹〜」のレビューで書いたように、特に最近のエロゲは社会的な位置づけで魅力を付加するということに余り力を入れないけど、こういうキャラ立てはかなり重要だと思う。そして、そんなに人気があるにも関わらず、理恵ちゃんは背信へたれ男に愛情一本な訳だ。可愛い。こんな主人公にはもったいない。しかも、ゲームやってる間中、この娘とHばっかりする訳やからねぇ。素晴らしすぎる・・・。えらいもったいつけたエロばっかりやった「GREEN」なんか吹っ飛びますな!

エロシーンは強力ですわ。しょっぱなの理恵との初エッチのシーンでいきなりビックリした。今回新規で作られた初体験シーン、これはもう、エロゲの歴史書に太字で載るぞ。BGMなし、具体的なセリフなしで、延々と吐息だけが続いていく怒濤のアニメはどえらい実在感がある。エロすぎる。これだけにでも金を払ってもいいぐらいかも知れない。長い制作期間で複数の原画が入れ替わって描いたせいで、カットごとに顔が変わるのは何だかなぁ、ではあるが、それでもこのクオリティは凄い。この部分だけなら、動画はともかくも、キャラ・構図・エロさで全盛期ソニア以上。

前作「ラブエス」はHシーンの全てがアニメだったということで、リメイクでもこのアニメがどうなるかということがほとんど全ての興味だった訳だけれども。またもや、ジェリーフィッシュという会社のマネージメントの破天荒ぶりを痛感させられましたよ。今回、残念ながら、ヒロイン理恵のHアニメはほとんど前作の塗り直しでの流用だった。とは言うものの、唾液飲み等新規カットもまあまああって、まあ、ソニアのリメイクよりはいいかな、と。しかし、ここで驚きなのは、サブキャラの2人のヒロインのHシーンはシーン数大幅増+オール新規カットだったことだ。な、なんでメインヒロインが流用で、サブキャラが描き下ろしやねん!どういうことや。もしかして、本来は全カットを新規で作り直す予定でサブキャラから始めてみたものの、やっぱりムリだと方向修正したということかしら。あのなあ、こんだけの新規カットでも死ぬほど時間かかっとるのに、全カット新規なんか出来るわけない。今世紀中はムリ。ドラえもんの方が先に完成してしまう。ここはサブキャラのシナリオを全削除してでも、理恵の新規カットに使うべきやろうが。何を考えとるんや、ホンマ。

しかも、またぞろミニゲームが満載な訳よ!これは誰の要望で入ってるんですかね。いらんわ〜、心底いらん。こんな巷のどこでも拾えるFLASHゲームみたいなん作って入れてるヒマがあったら、新規カットの一つも描けぇ。カットごとに顔が違うのも修正せぇ。日常シーンに比べて味がなさすぎるエロシーンのテキストも書き直せるやろ。初体験のシーンはセリフがないのがよかったけど、後のエロシーンでもあのまんまやもんなぁ。射精する時とか毎回「無意識に、腰が前に出た・・・」ばっかし。力の入れどころがめちゃくちゃやねん。こういうところ見ても、こんなブランドが計画通り作れるはずがないよな〜と思うことしきり。

実は、アニメのクオリティ自体は「GREEN」の方が粒が揃っていたかも知れない。でも、やっぱりこの数。リメイクがどうのこうのというけど、今でも十分見られるレベルやし。新規のサブキャラ2人のフェラ→口内射精アニメシーンはときめきすぎますわ。アニメ万々歳ですな。個人的にはオープニングだけやったら後はエロシーンだけ見たらもうええかな〜っと。

ストーリーはね〜、昔は良いと思ったんだけど、今見ると結構イロイロと・・・。

この作品は、とにかく途中イベントが長い。毎月1個ずつ、長々としたイベントが挟まれます。これがかなりキツイ。いや、イベント一つ一つはなかなかいいんだよ。毎月マンガの読切を読んでいるような、起!承!転!結!という感じのお話でね。しかも内容がどれもこれも青春ちっくな、身も蓋もなく言ってしまうと童貞臭が漂う感じで、俺的には非常に好みでしたね。ただ、どれもこれも、主人公の問題解決にリンクしてないんだ。そもそも、主人公はこのゲームを通じて大して変わらないんだから、途中のイベントとかムダと言えばムダなんだよ。物語を彩る脇役達は、あてつけのようにええ奴ばっか。主人公が心のなかでしか思えないことをあっさりと行動に移せるしっかり者達。でも主人公は彼らから特に学ばない。前作「ラブエス」を初めてやった頃は、俺も何となく雰囲気で許していたけど、今ちゃんとやると何だか「本当にこれでいいの?」という感じが。

先に紹介したように、この「LOVERS」の主人公は自分のアイデンティティ不安をかわいい娘と付き合うことで埋めようとし、その結果、親友との友情と板挟みになる。しかし、主人公は自分可愛さに問題を先延べにしていく。ここまではいい。むしろ、物語としてはヒキのある設定。しかしだ、この作品の主人公はオープニングの時点から一歩も踏み出さないまま、結末まで行ってしまうんだ。こいつは回りの人間が出した選択肢のなかから選んで行動し、それをさも自分の判断のように錯覚している。「がんばれ」と言われてがんばる。「あなたと一緒にいたい」と言われて一緒にいる。そしてネタバレになるけど、秘密の三角関係も自分で精算する訳じゃなくアクシデントで発覚し、これまた何となくご都合で解決してしまうのだ。全て、状況に流されてるだけ。仮に、主人公の友達が筋の通ったアナキストやったらあっさりとテロに参加しそうな危うさがある。お前は自分を探しているんじゃなかったのか。それでいいのか?

いや、別に「こういうものが書きたい」というのなら、これでもいいんだ。人間ってのはヘタレな部分を誰もが持っているんだから。だから、へたれ主人公を描いても「実は誰にでもこういう部分があるんだ、俺もお前も」というような普遍的な結論へと昇華できる展開が入っていれば、むしろ、この主人公に共感が生まれると思うんだ。しかし、俺の感じられる範囲で、そういう抽象化をしていく動きはなかった。問題提起だけして、それについての判断は全くしない。だから、読み手的には醜い部分を暴きたてられた気分だけがつのり、この主人公に対して嫌悪感しか抱けない。そういうところが、このブランドのへたれ主人公が賛否両論になっている原因だと思う。「GREENHORN」なんかでも同じだったけど、ジェリーフィッシュの作品は内向自意識過剰へたれ主人公の自己欺瞞を暴くのを得意とする割には、その先の判断を保留する。へたれた主人公を描くのはいい、じゃあ、こういう主人公って、一体何なの?これでいいの?いけないの?そういう結論が作り手側からきちんと設定されていない。だから、一見ちゃんと終わっているように見えて解決したという感覚が全然ない(むしろ、因果応報のバッドエンドの方がしっくりいく)。大概のエロゲなら、こういう部分は曖昧でもスルーされる問題。実際「愛」とか持ち出したら、どんなことでも乗り越えられるから。しかし、この作品は、普段なら解決手段である「愛」に主人公が逃げ込んだせいで歪みが起こったりしてる訳だから、単純に愛でうやむやにしない自覚的な検証が必要だと思う。思えば、この作品の作り手さんは自分たちの能力も考えず大作のプランを立てて、ユーザーや流通を散々振り回したあげく、その責任は回りに押しつけるという、この話の主人公もシャッポを脱ぐほどの酷いへたれっぷりな訳だ。それへ来て、この「LOVERS」での徹底度の低いへたれの描き方を見ていると、「でも、俺はこの主人公ほどじゃない」みたいな、へたれにどっかで線を引いているような気がしてしょうがない。自分自身を総括するところから始めようぜ。

結論、としては・・・やっぱりこれは良い作品ですよ。主人公以外のキャラや、序盤の緊張感、何よりエロに関しては非常に魅力がある。ことアニメに関しては、もうしばらくはこれ以上のは出てこないと思う。長いイベントシーンも脇役だけを見てれば結構いいし(むしろ、主人公よりも脇役の方がよっぽど感情移入できる)。現在はちょっと作品そのもの以外のノイズが多い状況で正当評価が出にくいけど、それは会社に関してのこと。作品内容オンリーならこれは十分お金を払える出来。「ラブエス」をやったことがない人ならば、買わなきゃ損と言うぐらいよ。そらもっと手が入れられるとは思うけど、100%をこの会社に求めてもムダ。という訳で、我がカウントダウンは、凌辱汁1位が「DISCIPLINE」、ラブ汁1位が「SMノススメ」、PCアニメ1位が「LOVERS」という三頭体制になりました。

後、松波って卑怯なキャラがサッカーの試合で出てきますが、この名前やめぇ!前回の小島といい、ガンバに何か恨みでもあるんか!