3-2「もやもや、よどみの中、私たち・・・」

 

 「あ、先生痛い、だめっ」
 キュッと縄を締め上げた先生。つい、こんな言葉が出ちゃった、 先生のする事を受け止めようなんて思ってた事も忘れて。
  「でも紺野、お前はそれでもいいのか?」
  今日の先生は意地悪だ、だけど・・・。
  「・・・もっと・・・締めて・・・」
  (・・・ 言っちゃった)

  夕暮れ時、夕日の熱気、プールの塩素消毒の臭いが澱む更衣室。先生も私も このもやもやした中でとても変な気分。
  もうどうなってもいい、私たちの熱気も加わり、 境界線から向こう側へ、ツクツクホーシの鳴き声の様にさらに加速していく私たち2人。
  (先生、好き・・・!)
  だけど、そんな中でも頭の隅で私は考えていました。
  (明日は何か上に羽織っていよう)

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