1-2「はじめての、そしてはじまりの」
(操の日記から)

 

 すでに無くなったと思われていた彼女の日記が出てきました。彼女の先生への想いと当時の感情が赤裸々に綴られています。

―○月×日―
 先生に今日縛られた。少しショックだった。そういう人がいるというのは知識では知っていたけれど・・・。
  でも、何であの時私はOKしたのだろう、縛られている時、心がドキドキしていたのに 妙な安心感があったのは何故だったんだろう。

―○月△日―
  放課後、また先生に縛られた。この間と違って先生も私も落ち着いた感じ。 ちょっとくすぐったかった。そう私が言うと先生は笑っていた。
  先生と私、2人だけのちょっといけない、危ない遊び。
  今日、先生は私を抱きしめてくれた。私は縛られているから先生の肩に手を回す事は出来ないけど この方が先生の身体に身をうずめて身をまかせていられるから、余計な事が出来ない分、私は先生の事だけを考えている事だけが出来る。

―×月△日―
  「先生、私・・・、縛って・・・」今日は私から先生に言ってみた。 夕暮れの旧校舎の教室。土曜日の夕方なんてみんなすぐ帰っちゃうから、誰もいない。 そうしたら、常識と建前だけに縛られたつまらない学校世界は一変する。
  先生に縛られた私は先生と真向かいに向かい合います。あまりに先生がジッと見つめるから、「あ・・・」って声を出しちゃった。
  先生の視線は縛られた身体を身悶えしても、身体を揺すっても私だけを見つめてくれています。 先生は私だけを見ていてくれる。私は動けない事で先生の視線をひとりじめ出来る。
  でも不安です。縛られていない私を先生はずっと見ていてくれるのだろうか。「先生になら縛られてもいい」そう言って縛ってもらったけど、もしかして先生は優しいから私に気を使っているだけなのかも。私を悲しませちゃいけないって思って。なんか考えがバラバラで解らない。
  その時、「どうしたの?」って先生が私に訪ねました。 先生に言葉を出させちゃった。縛られる事、見つめられる事。それだけでいい、言葉はいらないって思ってたのに。私の不安が先生に分っちゃったのかな。 これじゃいけない、私と先生のふたりの世界を、私が先生を信じなきゃ。先生だって私を信じてくれない。
  今日はいつもより日記が長い、私の不安が出てしまっている。いやだ。

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