「おつかれちゃ〜ん」
「どうも〜支部長、ただいま戻りました」
「宴会の用意は出来てるよ、みんなも待ってる、さあ行こう」
SSS(サンタ・シークレット・サービス)日本支部は山の中にある。
世の中が複雑化し家庭環境も混乱の一途を極め我々もただプレゼントを送るだけではいけないと立ち上がったサンタ有志が作り上げた新形態のサンタの組合?だ。
ここからは宴会への道すがらの会話。
「今年も上手くいったようだね、君達」
「ええ、また今年も1ついい事をさせてもらいました。特殊な趣味を持ってしまったために落ちこぼれになってしまった俺らにも『何か出来るんだ』ってこの仕事をくれた支部長には感謝してます」
「最初は俺らみたいのがなんて思ったんですが…こんな趣味でも使い道があるもんなんだなぁって思いましたよ」
「そりゃ私らだって完全な『聖人』って訳では無いしな。だけど完全で無くても人に幸福を分け与える事だって出来るんだ。たとえ一気に全ての人には無理でも1つ1つはやっていける、それの積み重ねさ」
「俺らも幸せになれましたしね、色んな意味で」
「ハッハッハ、それはいい。そうだ、皆が幸せになる事がSSS最大の目的なんだから」
こんな話をしている間に宴会場だ。そこには色々な落ちこぼれサンタ達が集まっている。
忍び込むのが楽しくなってしまってしょうがないサンタ、ひねりを加えたプレゼントを送ってしまうサンタがいるかと思えば可愛い子供達の寝息を聴いて録音するのが好きなサンタ、そして忍び込んだ家の女性(可愛いの)を縛ってしまう事が好きな俺ら。
まだまだ沢山の落ちこぼれ達が騒いでいる、こんな奴らでも年に一回幸せを運ぶ事が出来るんだ。
「じゃぁ、みんな揃った様だな。メリークリスマス!」
「メリークリスマス!!!」
最初に戻る
繪物語目次に戻る
|