セコイアオスギ(Sequoiadendron giganteum)栽培記録-C



セコイアオスギ播種後6年目実生(A13個体)および播種後5年目実生(下左からからB-3、B-3株元、B-4、B-7)(自宅:2016.10.30)

スギ科* セコイアオスギ属 【*APGⅢ:ヒノキ科】

Sequoia (人名:Sequo-yah) + dendron 木  giganteum 巨大な

【はじめに セコイアオスギへの補遺/栽培記録-C

◆セコイアオスギの栽培記録に関し、2010年8月~2011年1月播種分については栽培記録-Aに、2012年4月播種分については栽培記録-Bとして集積してきた。
2014年12月に栽培中の個体の半数を大阪市立大学理学部附属植物園へ寄贈したため、栽培個体数が5個体(2011年播種:1個体+2012年播種:4個体)になり、またそれぞれのページ数が多くなったので、今後は両者を一つのページにまとめて記録する。

● 2016年3月の鉢替え記録を機に、配列を時系列の逆順に組み替え、最新情報が上に来るようにした。

【栽培継続個体のこれまでの成長記録】

現在、手元で栽培継続中の5個体(2016年以降は4個体)につき、2016年10月末までの樹高の成長経過を図示すると右のようになる。また、樹高測定値を下表にしめす。枝張りなどの詳細データは栽培記録-A栽培記録-Bに掲載している。
測定はほぼ毎月月末に行ったが、図の煩雑化を避けるため、各年とも4月から10月までの生育期間につき、2ヶ月ごとに樹高データをプロットした(ただし、A13個体の2011年8月、10月データはセコイアオスギの成長パターンをもとにした推定値)。
成長曲線で分かるように、セコイアオスギの生長は、4月から8月の期間に行われ、8月以降翌年4月までほとんど樹幹を伸長させない。このことは、各調査時に測定してる2方向の枝張りの大きさについても同じである。

★★★栽培継続中個体の樹高成長記録 (播種日/A-13:2011年1月、B-3、B-4、B-7:2012年4月)

No.2011年2012年2013年2014年2015年
6月8104681046810468104689
A-13 3cm-- 12192424 24363737 37455050 50545454
B-3   31011 12242627 25313434 35383939
B-4   4811 16232326 25303233 33414240
B-7   3913 14272626 28313334 34424343
B-13   9 14252828 28333435 35404040
No.2016年2017年
4月681046810
A-13 54cm585957 栽培記録-Dに記載
B-3 40cm454545 同上
B-4 42cm474849 同上
B-7 44cm505151 同上
B-13* 枯死 記載終了
* 2015年9月、居住するマンションの大規模修理が行われ、2015年9月27日のサイズ測定後、植物を約2ヶ月間室内に取り込んだ。工事終了時、灌水に不手際がありB-13個体を枯死させた。

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【2016年10月29~30日の測定・写真撮影】

2016年10月29日に生存4個体のサイズ測定と施肥を行い、翌10月30日に写真撮影を行った。測定結果はPage 末尾の成長記録表に追記した。
前回9月末の測定から今回測定時までの1ヶ月間、各個体の樹高および枝張りの増加は見られなかった。
7月頃から、太い枝の幹に近い部分についた細い枝(いわゆる「ふところ枝」)枯れが目立っていたが、少し触っただけで落ちてしまう。 「ふところ枝」が枯れる原因として、枝葉が混み合ったために光不足が生じた一方、4月以降施肥を行わなかったため、多少、肥料不足に陥っていた可能性も考えられた。 そのため、今回の測定に合わせて、肥料としてA-13個体には粉末ハイポネクス7g、B-3~B-7個体には各5gを与えた。
なお、測定当日に撮影した各個体の様子はこのページの一番上に掲載している。

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【2016年9月29~30日の測定・施肥・写真撮影】

2016年9月29日に生存4個体のサイズ測定と施肥を行い、翌9月30日に写真撮影を行った。測定結果はPage 末尾の成長記録表に追記した。
前回8月末の測定から今回測定時までの1ヶ月間、B-3個体の枝張り測定値がやや増大した他は樹高および枝張りの増加はほとんど見られなかった。
ただし、7月頃から、太い枝の幹に近い部分についた細い枝(いわゆる「ふところ枝」)に枯れが目立つようになった。枯れた枝は自然に落ちるか、少し触っただけで落ちてしまう。「ふところ枝」が枯れる原因として、枝葉が混み合ったために光不足が生じた一方、4月以降施肥を行わなかったため、多少、肥料不足に陥っていた可能性も考えられた。 そのため、今回の測定に合わせて、肥料としてA-13個体には粉末ハイポネクス7g、B-3~B-7個体には各5gを与えた。


写真左から:セコイアオスギ播種後6年目実生(A13個体)全景、同株元のようす、播種後5年目実生B-3、B-3株元、B-4、B-7)(自宅:2016.9.30)
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【2016年8月30日の測定・写真撮影】>

2016年8月30日に生存4個体のサイズ測定と写真撮影を行った。測定結果はPage 末尾の成長記録表に追記した。
前回7月末の測定から今回測定時までの1ヶ月間の樹高成長はほとんどなかった。本年度の樹高成長は昨年度と同様、わずか数cmにとどまったが、枝張りの伸びは、栽培個体数の減少により、個体間の間隔を広くとったこともあり、かなり大きかった。
なお、測定当日に撮影した各個体の様子はこのページの一番上に掲載している。



2016.8.30時点における各個体の様子 左から A-13個体、B-3個体、B-4個体、B-7個体

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【2016年7月31日の測定】

2016年7月31日に生存4個体のサイズ測定を行った。測定結果はPage 末尾の成長記録表に追記した。

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【2016年6月29~30日の測定・写真撮影・施肥】

2016年6月29日に生存4個体のサイズ測定を行った。測定結果はPage 末尾の成長記録表に追記した。また、翌々日(7月1日)に写真撮影を行った。
前回5月末の測定から今回測定時までの1ヶ月間の樹高成長は外観から受け印象ほどには大きくなかったが、それでもB-7個体のように、1ヶ月間で5cm程度の伸長記録したものもあった。この個体は枝張りの伸びも大きかった。
なお、測定翌々日に撮影した各個体の様子はこのページの一番上に掲載している。


2016.7.1時点における各個体の様子 左から A-13個体、B-3個体、B-4個体、B-7個体

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【2016年5月29~30日の測定・写真撮影

2016年5月29日に4個体のサイズ測定を行い、測定結果をPage 末尾の成長記録表に追記した。また、翌5月30日に写真撮影を行った。
前年秋の測定から前回4月末の測定時まではサイズに大きな変化はなかったが、5月に入り気温の上昇に伴い、各枝先端部分に伸張が確認され、その結果、樹高に多少の増加が見られ、枝張りがかなりの増大を示した。
なお、測定翌日に撮影した各個体の様子を下にしめす。


2016.5.30時点における各個体の様子 左から A-13個体、B-3個体、B-4個体、B-7個体

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【2016年4月28日の測定・写真撮影・施肥】

2016年4月28日に4個体のサイズ測定を行、測定結果をPage 末尾の成長記録表に追記した。
前年秋の測定以後、サイズに大きな変化はなかった。これまでの成長経過から見て、樹高の成長が見られるのは気温が本格的に高くなる5月~8月になるものと思われる。
サイズ測定後、各個体の写真撮影を行い、粉末ハイポネクスをA13個体には茶さじ1.5杯、B03~B07個体には茶さじ1杯を水に懸濁させて施用した。 なお、測定当日の各個体の様子は、ページトップに掲載している。


2016.4.28時点における各個体の様子 左から A-13個体、B-3個体、B-4個体、B-7個体

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【2016年3月5日の植え替え】

2016年3月5日に4個体の鉢替えを行った。前回の鉢換え(2015.3.29)からほぼ12ヶ月になる。
鉢換え用土は基本的にこれまでと同様で、(スギ科植物植栽地表土+コナラ生育地表土)と(赤玉土+バーミキュライト)をほぼ等量混合し、これに数%量の園芸用木炭と緩効性肥料(マグアンプK:中粒)適当量を混入したものを用いた(右写真)
栽培が丸5年経過し、サイズの大きいA-13個体は12号深鉢から家庭用果樹・植木栽培用ポットへ、栽培が4年経過した B-3~B-7 は9号鉢から10号鉢へ、それぞれ一まわりり大きいものにした。鉢底に軽石の排水層、その上に用土を3~4cm入れ、古い鉢から抜き取った株の下部数cmを削り落としたのち新しい鉢に鉢に移し、周囲に用土を充填した。移植に際し、菌鞘を形成した菌根は非常にもろく折れやすいため、鉢底部分をすこし削る以外は、鉢に回った根をほぐしたり、切り詰めたりはしなかった。


植え替え時の根系の様子 左から A-13個体、B-3個体、B-4個体、B-7個体

【2016年3月5日の植え替え終了時のサイズ測定】

2016年3月5日の鉢替え終了時にサイズの測定を行った。測定結果をPage 末尾の成長記録表に追記した。
前年秋の測定以後、サイズに大きな変化はなかった。


植え替え時の各個体の様子 左から A-13個体、B-3個体、B-4個体、B-7個体

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【2015年8月の成長記録】

2015年8月30日に樹高および枝張りを測定し、測定値は下の生長記録表に記入した。 また、測定時の個体の様子を下にしめす。
6月以降、7月、8月にかけて、樹高・枝張りともに測定値に変化はなく、今年度の生長は6月までに完了したものと思われる。

本年度の樹高生長は、昨年度までに比べて非常に少なく、約1/3にとどまった。
これは、前年度まではほぼ毎月のように施肥を行った結果、やや異常とも思えるほど枝葉が密に茂ったので、今年度は施肥を鉢替え時だけにとどめた結果と思われる。
本年度の生長はすでに終了していると思われるが、今回の測定後、A13個体に粉状ハイポネクス20ml、B03~B13個体に10mlを与えた。


左からA13、B3、B4、B7、B13 (2015.8.30)

【2015年7月の成長記録】

2015年7月31日に樹高および枝張りを測定し、測定値は下の生長記録表に記入した。
6月から7月にかけて、樹高・枝張りともに測定値に変化はなく、今年度の生長は完了したものと思われる。

【2015年6月の成長記録】

2015年6月29日に樹高および枝張りを測定し、測定値は下の生長記録表に記入した。
5月から6月にかけて、樹高・枝張りともに数cmの増加が見られた。


左からA13、B3、B4、B7、B13 (2015.6.29)

【2015年5月の成長記録】

2015年5月30日に樹高および枝張りを測定し、測定値は下の生長記録表に記入した。また、測定時の個体の様子を下にしめす。
5月に入り、葉の色が鮮やかな緑に変化し、枝の伸張が始まった。その結果、樹高、枝張りとも測定値の増大を確認した。


左からA13、B3、B4、B7、B13 (2015.5.30)

【2015年3月および4月の成長記録】

上記のように2015年3月29日に鉢換えを実施したが、それに先立ち、3月25日に樹高および枝張りを測定し、測定値は下の生長記録表に記入した。測定時の写真を下にしめす。 さらに、4月29日に同様の測定と写真撮影を実施し、測定値を下表に追記した。 樹高、枝張りともに3月からの伸張は認められず、まだ、新しい年の生長は始まっていない。4月測定直後(2015年5月2日)の個体の様子を下にしめす。


左からA13、B3、B4、B7、B13 (2015.3.25)


左からA13、B3、B4、B7、B13 (2015.5.2)

【2015年3月の植え替え】

2015年3月29日に5個体の鉢替えを行った。前回の鉢換え(2014.3.1)からほぼ13ヶ月になる。
鉢換え用土は基本的に前回と同様で、(スギ科植物植栽地表土+コナラ生育地表土)と(赤玉土+バーミキュライト)をほぼ等量混合し、これに数%量の園芸用木炭と緩効性肥料(マグアンプK:中粒)適当量を混入したものを用いた(右写真)
栽培が丸4年経過し、サイズの大きいA-13個体は10号深鉢から12号深鉢へ、栽培が3年経過した B-3~B-13 は7号鉢から9号鉢へ、それぞれ一まわりり大きいものにした。鉢底に軽石の排水層、その上に用土を2~3cm入れ、古い鉢から抜き取った株をそのまま新しい鉢に移し、周囲に用土を充填した。移植に際し、菌鞘を形成した菌根は非常にもろく折れやすいため、鉢底部分をすこし削る以外は、鉢に回った根をほぐしたり、切り詰めたりはしなかった。


 
 
植え替え時の根系の様子 (全体、根鉢側面、根鉢底面)
上段:A-13個体、中段左:B-3個体、中段右:B-4個体、下段左:B-7個体、下段右:B-13個体

★★★成長記録(播種日/A-13:2011年1月、B-3、B-4、B-7:2012年4月)

No. 日付2014/12/31'15/3/25'15/4/29 '15/5/30'15/6/29'15/7/31 '15/8/30'15/9/26
A-13 高さ 51cm505053 54535454
枝張り2方向 71x67cm72x6871x7071x7075x73 69x7276x7670x74
B-3 高さ 35cm363538 38393939
枝張り2方向 56x58cm60x5462x5764x57 70x6570x6870x6669x69
B-4 高さ 33cm333336 41414240
枝張り2方向 47x43cm46x4546x4550x48 53x5254x5055x5358x52
B-7 高さ 34333436 42424343
枝張り2方向 46x40cm46x4139x4653x48 58x5864x6062x6358x68
B-13 高さ 33343537 40404040
枝張り2方向 49x50cm51x4751x4755x55 62x6259x6162x6360x60
No. 日付2016/3/5'16/4/28'16/5/29'16/6/29'16/7/31'16/8/30 '16/9/29
'15/10/29
A-13 高さ 54cm545558 58595857
枝張り2方向 73x65cm71x7580x6877x8278x82 84x7681x7983x80
B-3 高さ 39cm40414545 454545
枝張り2方向 67x67cm69x7077x7378x7679x73 79x7284x8082x80
B-4 高さ 41cm42474749 484949
枝張り2方向 54x50cm57x5364x5763x6665x60 64x5862x5764x59
B-7 高さ 43cm44475050 515051
枝張り2方向 63x67cm64x66470x6973x7471x74 81x7776x73 77x76
B-13 高さ 枯死------ -
枝張り2方向